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「やつらの足音のバラード」 小泉今日子、ムッシュかまやつ 1994年

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カヴァー&セルフカヴァー。オリジナルは、ちのはじめの歌でTVアニメ「はじめ人間ギャートルズ」(1974〜)のエンディングテーマとして制作された。

1994年2月2日リリース、小泉さんの35thシングル。

?My Sweet Home TBS系「Sweet Home」主題歌
作詞:小泉今日子、作曲・編曲:小林武史
いわゆるモータウンチックなガールポップ。小泉さん自身による作詞もすでに当たり前になってきた時期。自分が出ていないドラマの主題歌(よく知らないけど、たぶんドラマの内容に沿って書かれたのだろう)も普通にこなしてる。コーラスで鈴木祥子が参加。

?やつらの足音のバラード(Rhythmless Version)
作詞:園山俊二、作曲:かまやつひろし、編曲:藤原浩
「ギャートルズ」原作者園山俊二による平易な言葉で綴られる含蓄のある詞と、かまやつひろしによるカントリー調ワルツがベストマッチ。のどかでありながら哀愁成分もあり、かつ地球が生まれてから生命の誕生〜人類創生までを描くスケールのでかさに改めて驚愕する。オリジナルシンガー、ちのはじめの淡々とした歌唱がこれまた最高で、悠久の時の流れを無理なく表現している。
小泉さんはどうなのか?サブタイトルどおりリズムレスで、スペイシーな音響派寄りのアレンジ。オリジナルよりかなりテンポを落とし、子守唄のように落ち着いた歌唱を聴かせる小泉さん。もともと創造主の視点から描かれた歌だけど、このヴァージョンは、遠くから見守る火の鳥的な母性を感じさせる仕上がりになっている。リズムレスじゃないヴァージョンはアルバム『TRAVEL ROCK』(1993)に収録。

??カラオケ

定価1000円、レンタル落ち100円。
イラストは下條ユリ。白いジャケットの文字と記号の部分が窓になっていて、下に敷いたカードの絵が覗いて見える仕掛け。
この8?は小泉さんのシングルの中で最もよく中古屋で見かける(私調べ)。結構ヒットした証だろう。


1994年9月21日リリース、作曲者ムッシュかまやつによるカヴァー。

?やつらの足音のバラード TaKaRa「純」レジェンドCMソング
作詞:園山俊二、作曲・編曲:かまやつひろし、STRINGS ARRANGEMENT:篠崎正嗣
「ジェットストリーム」とナレーションを被せたくなるストリングスのイントロから三拍子のリズムが刻まれ、ムッシュの抜けのいい声が入ってくる。飄々としながら、さすがに説得力のある歌声。当時57歳、まだまだ若いぜ。ちなみに小西康陽プロデュースのアルバム『Je m'appelle MONSEIUR 〜我が名はムッシュ』(2002)では、この曲は市川実和子によって歌われている。

?ALLORA… KENWOOD NEW ALLORA CMソング
作詞・作曲:かまやつひろし、編曲:浦田憲司・今剛
打ち込みのリズムとピアノの上で、ムッシュのポエトリーリーディングは饒舌だ。ジャン・コクトーから始まりクラシック、ジャズ、映画/映画音楽、ロックのアーティストたちと作品名が羅列される。ムッシュのセレクトはそれほどマニアックでなく、誰もが知っているようなそのジャンルの代表格と言えるものを並べている。サビはメロディあり。語りっぽいところは共通していなくもない和製レアグルーヴの有名曲「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」(1975)もそうだったけど、フランス文化への憧れが強いのはやっぱり世代もあるのかな。

??のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
水溜りに映るムッシュ。8?でしか聴けないトラックだったが、2曲とも2006年のベスト盤に収録された。

「悪女」 中島みゆき 1982年、「笑わせるじゃないか」 カトリーヌ・カトリーヌ 1998年

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中島みゆきの11thシングルと、B面のカヴァー。

?悪女
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:船山基紀
中島みゆきの80年代を代表するヒット曲。私はこの曲で中島みゆきの存在を知った。その後、オールナイトニッポンリスナーとなり何枚かのアルバムをフォローし、過去の作品もラジオを通じて結構聴いたと思う。歌詞の世界はもちろんブレのないみゆき節。冒頭「♪マリコの部屋へ〜」のインパクトが強烈で、聴き手の心を掴むテクニックに唸る。「土曜でなけりゃ〜」からダブルヴォーカルになるのも効果的だし「♪涙ぽろぽろぽろぽろ」の音画法も見事。みゆき史上最もポップなメロディとキラキラしたアレンジが取っつきやすい雰囲気。しかし、みゆきさんの声に潜む地獄成分が、この曲の肝であることは明らかだ。

?笑わせるじゃないか
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:船山基紀
オリジナルは山内恵美子、1977年。両面とも中島みゆきが書き下ろしたシングルのA面曲だった。アダルトムードの女優さんが歌ったオリジナルに比べ、軽めに歌っているみゆきさん。主人公の「あたし」は、「みんな わかってるわ」と自嘲する、みゆき作品ではお馴染みのキャラ。ま、「悪女」の「私」と同一人物としてもいい。

定価937円、中古で100円。
雰囲気が女優。赤文字も効いてる。いいジャケだな。


右、「笑わせるじゃないか」のカヴァーを歌うは、カトリーヌ・カトリーヌ!…って誰よ?

正体は、90年代にグラビアなどで活躍した巨乳アイドル三浦綺音さん。ヌード写真集を何冊か出しているが、うち一冊が勝新太郎撮影ってことで箔がついてる。1994年にシングル「家族の肖像」でシンガーとしてデビュー。1998年にいきなり「カトリーヌ・カトリーヌ」を名乗り、シングル2枚とアルバム1枚をリリースした。

?笑わせるじゃないか
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:久保幹一郎
軽いなあ。ノイジ―な打ち込みサウンド+どっちかというとカワイイ系の三浦さんの声は、さすがにこの曲とはミスマッチ。中島みゆきカヴァーの珍種として楽しめないこともないか…

?たぶん乗らない汽車の窓から
作詞:石川あゆ子、作曲・編曲:Edison
こっちは結構いい。まず、イメージが広がるタイトルがいいね。ゆったりリズムに乗せて、語りがはじまる。「pourquoi どうしてなんだろう」と仏語まじりでカトリーヌっぽく。全体を覆う空虚な感触、ぼんやりとした喪失感が妙に心地よい。「だけどあなたがいなくちゃ 死んでしまうほどじゃなくて」ふわっと歌われるサビが、三浦さんのリアルなのかも、と感じさせる。少なくとも「笑わせるじゃないか」の男に執着しまくる主人公よりフィットしている。

??のカラオケ

定価1020円、中古で100円。
まだ十分通用したであろうグラマラス・ボディは封印したジャケット。

ご本人のブログ「無駄の中に宝」から引用

「イメチェンとか言って、ショートにして失敗して・・・
カトリーヌ カトリーヌと言う妙な名を付けられて失敗して・・・」2010-05-07

で、音楽活動は終了したようだ。

「セシルの週末」 1989年、「ほうせんか」 1991年 真璃子

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真璃子の11th & 15thシングル。

1986年デビューの真璃子。初期はアイドルとして活躍、88年ごろからはレコード会社を移しアーティスト志向へ。アイドルとしては華がなかったという評価は、まあ当たっているかも。10年のキャリアでシングル21枚を残している。歌唱は安定しているし、適度に哀愁のある声もいいのに、とんねるずの強力なプッシュも虚しくこれといったヒット曲に恵まれなかった。プロデュースの問題?時代が悪かった?もしかするとカヴァーの選曲に何か秘密が…?

左、ユーミンのカヴァー。

?セシルの週末
作詞・作曲:松任谷由実、編曲:新川博
オリジナルはユーミンの9thアルバム『時のないホテル』(1980)の一曲目。ユーミンダウナー期の名曲は、気だるいリズムで元不良少女の心の動きを綴る。「そうよ下着は黒で 煙草は14から」ってユーミンでもちょっと無理を感じるフレーズなのに、優等生のイメージのある真璃子さんが歌うと違和感絶大。キーは彼女の声が活きる音域より低めで、歌唱もユーミンに寄せていくようなやさぐれ感(歌の内容からはそうなるのは仕方ないけど)を懸命にしぼり出してる印象。アイドルからの脱皮的な狙いは分かりやすく伝わってくるけど、これは明らかに選曲ミス!

?虹色の花
作詞:真璃子、作曲:松任谷正隆、編曲:新川博
正隆さんの書き下ろし。こちらは思いっきりアイドルポップスなのだ。本人作のブリブリ80'sアイドルチックな歌詞は微妙に聖子オマージュ?音域も合っているし、どう考えても?より成功している。

定価937円、中古で50円。
夫婦の曲カップリングってのも珍しいかな。ジャケは地味すぎ。


右、中島みゆきのカヴァー。

?ほうせんか フジテレビ系「ねるとん紅鯨団」エンディングテーマ
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:チト河内
オリジナルは中島みゆきの6thシングル「おもいで河」(1978)B面。歌詞は「後姿のあの人に幸せになれなんて 祈れない いつか さすらいに耐えかねて 私をたずねて来てよ」なんて、明るいムードでさらっと闇を歌うみゆき中央道まっしぐら。真璃子のクリアな歌唱でオリジナルとはかなり異なる雰囲気だが、この薄幸声にも説得力あり。みゆきさんとは違う女性像を描き出すことに成功している。ユーミンに近づきすぎて失敗した「セシル」に学んで、みゆきさんとの距離を上手にとった印象。

?カラオケ

定価800円、中古で100円。
日本の二大女性SSW、ユーミン&みゆきのカヴァーをふたつともシングルとしてリリースしているのはちょっと珍しいかも?真璃子以外にいるのかな。

「愛のWAVE」 カールスモーキー石井 松任谷由実 1992年

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レコード会社の違うアーティストによる共演盤。またソニーと東芝か。
ジャケット左下のレコード会社ロゴが違う2枚。左が東芝EMI盤、右がソニー盤。3曲目のみ内容が異なる。

フジテレビのミュージックキャンペーンテーマソングで、夢の豪華ユニットが実現!

?愛のWAVE
作詞・作曲:石井竜也・松任谷由実、編曲:新川博
石井竜也、ユーミンの順でAメロ、ふたりで歌うサビは明らかにユーミンがメイン。大物らしく、無難にまとめた印象の作品。92年といえば、バブル期の終焉が決定的になったころ。ある意味バブルの権化だったユーミンが「ちょっと落ち着いた感じ」を漂わせているのはさすがというべきか。そうはいっても翌93年に起死回生の「真夏の夜の夢」でミリオン出しちゃうわけだが。

?浪漫の伝言
作詞・作曲:石井竜也・松任谷由実、編曲:新川博
米米CLUBの「浪漫飛行」(1990)と荒井由実「ルージュの伝言」(1975)のタイトルをミックス。いわゆる「勝手にシンドバッド」メソッドだな。?のゆったりムードから一転、「あなたにそっと伝えたい 大人になったこの気持ち」と多用される促音をフックに、過去の恋人への思いがシリアスにつづられる。「後悔だって多いけど ここにはずっといられない」なんて、音楽活動への思いと読みとることも可能。

ユーミンのコラボ曲といえば、松任谷由実・小田和正・財津和夫「今だから」(1985)が思い出される。国立競技場で行われたライブイベント「ALL TOGETHER NOW」のために書き下ろされた曲。そうか、これはCD化されてないんだ。

3曲目はデュエットの定番、片方ずつのヴォーカルを残したカラオケ。

東芝EMI盤
?愛のWAVE(カラオケ with YUMING)

SONY盤
?愛のWAVE(カラオケ with カールスモーキー石井)

?愛のWAVE(カラオケ for DUET)
つまり通常のカラオケ。

定価はどちらも1100円。どっちかが100円でもう一方が50円で買ったように思うが、さすがにどっちかは忘れた。
今気付いたけど、裏はソニー盤がIとTをデザインした石井竜也のマーク、東芝EMI盤はユーミンのMとYを合体させたマーク(表ジャケでも確認できる)があしらわれている。

「アトムの子/Blow」 山下達郎 1992年、1999年

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短冊は2枚並べるのが基本のような気がしてきた。

山下達郎の似たようなシングル2枚。1992年のオリジナル盤と、7年後の再発盤。ジャケはほぼ同じだけど、再発では「Blow」がリミックスされているのと、2曲のカラオケが追加収録され、デラックス・エディションと言える内容になっている。

1992年盤(左)については、過去記事参照。

アトムの子
Blow


1999年の再発盤(右)について。

?アトムの子
作詞・作曲:山下達郎
アルバム『ARTISAN』(1991)から、92年盤と同じくそのまんまシングルカット。フジテレビ系TV「サタ☆スマ」テーマソングに決定したため、再発された。最新ベスト盤『OPUS』(2012)のTVCMで鶴瓶が冒頭で口ずさんでいるのはこの曲。90年代タツローの代表曲だな。

?Blow ('98 REMIX)
作詞・作曲:山下達郎
『ARTISAN』から7年ぶりのオリジナルアルバム『COZY』(1998)のアナログ盤に収録されたリミックスヴァージョンがここで初CD化。オリジナルヴァージョンより奥行きを感じる音像になっている。のちに編集盤『RARITIES』(2002)に収録された。

??カラオケ

ちなみに達郎のシングルでカラオケが収録されているのは1995年の「世界の果てまで」から。世間では1991年ごろからシングル盤へのカラオケ収録が一般的になっていたので、かなり遅めの対応と言えるかも。でもカラオケで歌えないよな、達郎は。インストも聴いてくれ、って意味だよね。

定価1020円(オリジナル盤より120円アップ)、中古で100円。
今見たらAmazonでこの1999年盤が中古で3200円〜になってる。そんなレアなわけないだろうと思うが、8?時代の終わりにリリースされたので92年盤よりはかなり少ないのかもしれない。


間違い探しの答え。

92年盤にあったタイトル上「キリンゴールデンビターCMソング」の文字が消えている。

「coupling with」のあとが再発盤では「"Blow"('98 REMIX) & original karaoke of both songs」になっている。

92年盤ではジャケ下部に書かれていた価格や「made in Japan」などの記載が裏ジャケに移動。

背表紙(天井)が92年盤は白地、99年盤はあずき色。

「イノセント ワールド」 mr.children 1994年、「イッツ・モ・ゴーイン」 mr.abe julie 1997年

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ミスターチルドレンの5thシングル(左)と、ミスターアベジュリーによるジャケカヴァー。内容はとくに関係ない。


ミスチルって説明要るかな…あ、当ブログ的には元ギリギリガールズ吉野美佳の夫がリードヴォーカルを担当してるバンドってことで。

ミリオンヒット「innocent world」背表紙表記はカタカナ。

?innocent world
作詞・作曲:桜井和寿、編曲:小林武史 & Mr.Children
「いつの日も この胸に流れてる メロディー」キャッチーなこのメロディでヒットメイカーの仲間入り。

?my confidence song
作詞・作曲:桜井和寿、編曲:小林武史 & Mr.Children
ギターのみをバックに歌われる1分55秒の小品。

??のカラオケ

定価1000円、中古で10円。
信藤三雄短冊ジャケの代表作だな。インパクトあるもの。


その5年後、デキシード・ザ・エモンズのボーカリスト、アベ・ジュリーがソロシングル(mr.abe julie名義)でジャケをパクってみた。
???は作詞・作曲・演奏:阿部智康、編曲:mr.abe julie

?it's more goin'
「いつも強引」を英語表記。リバプールサウンド志向で、日本語詞をかなり英語寄りに発音。というより英語で歌った詞を無理矢理日本語にしたみたい。Can't you see?を一旦中止、とかね。1分56秒。

?just a moment
XTCテイストのニューウェーブナンバー。

?あくびのあとで
フォークロック調。間奏でブルースハープ。

?shandi
(Paul Stanley)
オリジナルはKISS、1980年の中ヒット。もともとハードロック色の薄い、歌謡曲チックなバラードを、シンプル&チープなアレンジでデモっぽく仕上げた。3分越えはこれだけ。

?シークレットトラック
ジャケットに記載のないトラック。2分41秒あるが、大半は無音。最後の40秒にジョン・レノンの発掘音源のような淡い音のキーボードが入り、フェイドアウト。

定価1260円、中古で100円。
で、ジャケは見てのとおり、ミスチル。若干アップになっているが、これだけ見た人は間違えて買ってもおかしくない。ミスチルファンからクレームきたかな。

裏もコピーしてる。




間違い探しというより、全部間違いなので、答え合わせはなし。

最後にデキシード・ザ・エモンズのかっこいいYMOカヴァーをひとつ。
Nice Age

「瞬間KISS」 水野美紀 1992年

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水野美紀のデビューシングル。あとは2nd=ラストシングル「色づく街」しか存在しない、ピュア8?シンガーのひとり。

?素敵な身勝手
作詞:戸沢暢美、作曲:都志見隆、編曲:本間昭光
うーん…悪い声じゃないんだけど、この音程のフラフラ加減はなかなか厳しいぞ。元気な曲は無理があった。

?瞬間KISS
作詞:松本隆、作曲:都志見隆、編曲:本間昭光
ゆったりした曲調で、?よりはこの歌唱力でもなんとなく聴けるような気が…いやいや、じつはダブル隆の名曲。冒頭、松本隆の「透き通る空 海は蒼いビロード」なんて情景描写に応えるかのような、ドリーミーな都志見隆のメロディが美しい。キャッチーで浮遊感のあるサビメロは、幸せすぎて不安になってしまう乙女心を表現しているよう。「それは不思議な 瞬間キス 千分の一秒 未来をぬいとめて」なんて、クレジットなしでも分かるくらい松本隆印すぎだし。どう考えてもこっちがA面ぽいと思うが。
都志見隆作品では麻田華子「魔法」に匹敵する傑作だと思う。
YouTubeにお宝生歌動画が。おいおい、ハラハラさせすぎだろっ!

??のカラオケ

定価1000円、中古で800円。
ほとんど定価で買っちゃった…
水野美紀、18歳。シャンプーのCM的な美ジャケ。うっかり歌も出してしまった感が、マニア心をくすぐる。

「ロックンロール・ラブレター」 新田恵利 1988年、高田ゆき 1991年

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新田恵利の9thシングルと、高田ゆきのデビューにして、たぶん唯一のシングル。

左、新田恵利盤。

?ロックンロール・ラブレター
作詞・作曲:Tim Moore、日本語詞:秋元康、編曲:山川恵津子
オリジナルはティム・ムーア、1975年。ベイシティーローラーズが翌1976年にカヴァーして大ヒット。テンポ、全体のサイズ(ほぼ3分)など、BCR盤を下敷きにしたカヴァー。歌詞は「もう 2人のあの夏は過ぎて 僕も新しい恋はしたけど」と、終わった恋をジュークボックスから流れる曲を聴きつつ振りかえったり、懐かしんだり後ろ向き。ペラペラな80'sサウンドに、アイドルにしてはヴォーカルをひっこめたミックスで、新田さんの歌唱もそれほど気に障らない仕上がり。

?夏の恋風
作詞:小林和子、作曲:萩田光雄、編曲:国吉良一
こちらもカヴァー。オリジナルは、大場久美子!シングルではなく、デビューアルバム『春のささやき』(1978)収録曲。オリジナルの萩田光雄によるラテンアレンジのほうが曲に合っていると思う。新田ヴァージョンはモータウン調で、ベースがベキベキうるさい。しかし、大場久美子をカヴァーってアイデアは、なかなか渋かったのでは?

定価1000円、中古で300円。
そろそろ行き詰った雰囲気、嫌いじゃない。

関連新田さん
冬のオペラグラス


右、高田ゆき盤。

?Rock'n Roll Love Letter
作詞・作曲:Tim Moore、日本語詞:松山慧、編曲:藤原いくろう
グラビア系巨乳アイドルが歌に挑戦!新田盤とは別の日本語詞で「今夜 ひとりぼっちのRADIO あなたは胸に抱きしめている」なんて導入。しかし、半分以上原曲の英語詞を残してるのは手を抜きすぎでは?日本語を拾って読んでみても、結局よく分からない。歌は期待どおり、リズムもピッチも残念賞。ここぞというときに上がりきらない♭唱法が辛すぎる。相対的に新田さんがまあまあ聴けてしまうほどに。

?BYE BYE BABY
作詞:Bob Crewe、作曲: Bob Gaudio、日本語詞:松山慧、編曲:藤原いくろう
オリジナルはフォーシーズンズ、1965年。10年後の1975年にベイシティーローラーズがカヴァーして大ヒット。鐘の音が印象的なアレンジは悪くないし、歌も?よりは聴ける。日本語詞のやる気のなさが致命的。フランキー・ヴァリに謝れ!

??のカラオケ

定価1000円、中古で300円。
あえて胸は隠してみたジャケ。右に見える大吉袋に入ってたカードも意外とビキニじゃない。白のニットも悪くないけどね。


「サタデイ・ナイト」 ベイ・シティ・ローラーズ 1975年、N. A. D. 1993年、いかりや長介 2001年

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"SATURDAY NIGHT" Bay City Rollers 1975

ベイ・シティ・ローラーズのヒット曲と、そのカヴァーふたつ。

左、1989年発売、オリジナルヴァージョンの8?再発盤。

?サタデイ・ナイト SATURDAY NIGHT MMC三菱自動車 新型ミニカTV-CFイメージ・ソング
作詞・作曲:Bill Martin, Phil Coulter
イントロのS-A-T-U-R-D-A-Y night!のコールでテンション上がる!明るく切なくバカっぽい、完璧な青春ポップス。

?ベイ・シティ・ローラーズのテーマ SHANG A LANG
作詞・作曲:Bill Martin, Phil Coulter
1974年のシングル曲。なんでこの邦題?と調べてみたら、彼らを主役に据えたアイドル音楽番組「Shang-a-Lang」のテーマ曲だったようだ。日本でも放送されたのかな。

定価1000円、中古で50円。
タータン旋風!


右、ネッズ・アトミック・ダストビンによるカヴァー。

?SATURDAY NIGHT
映画「So I Married an Axe Murderer(邦題:ハネムーンは命がけ)」サントラからのシングルカット。重いオルタナアレンジで。サビの「♪ナア↑〜イ」とオクターブ上がるところを歌ってくれないので、フラストレーション溜まる。スカしてんじゃないよ、この曲で!と言いたい。ネッズは当時ちょっと好きだった。『GOD FODDER』持ってたような記憶もあるが、今となっては何がよかったのか思い出せない…

?NOT SLEEPING AROUND
(Ned's Atomic Dustbin)
1992年のシングル曲。どの曲も短いのが魅力かなあ。自信ないけど。

定価1000円、中古で100円。
裏ジャケは、タータンチェックの衣装に身を包み、BCRに扮したNADのメンバー5人。


下、いかりや長介が出演したキリンラガーのCMで「サタデイ・ナイト」が使用され、非売品8?が作られた。

?「カンパイ!!ラガー」いかりや長介アレンジヴァージョン
編曲:Masao Nisugi
3つのパートに分かれているが、トラックとしては1曲扱い。
はじめの30秒の[Original version]は「カンパイ!!ラガー、ラガー、イェイ!」を「S-A-T-U-R-D-A-Y night!」のリズムにのせて繰り返すだけ。いきなりフェイドアウトして1分足らずの[Bass Version]に続く。打ち込みリズム+長さんのベースプレイをフィーチャーしたパート。ここでも「カンパイ!!ラガー、ラガー、イェイ!」のコーラスはウィスパーで被せられている。「いかりや長介アレンジヴァージョン」はやや誇大広告?クレジットにはAdditional Bass Arrangeとして渡辺等の名前が。この先はまたビートが忙しくなって3分超の[Long version]へ。オリジナル英語詞で歌う女性ヴォーカリストはJenkaさん。いかりやパートでもコーラスを担当。

ちなみにTOKIOの「カンパイ!!」はイントロのコールの部分だけ「サタデイ・ナイト」を引用、他の部分はオリジナル曲だった。

非売品。もちろんキリンラガーのおまけについていたもの。中古で500円。


「SATURDAY NIGHT」は、他にも南青山少女歌劇団が1993年に、杉本理恵が1994年にそれぞれシングルとしてカヴァーしている。ふたつとも短冊8?だが、未入手。

「ラップ ミヨちゃん」 「加トチャンのスキャットマン」 加藤茶 1995年

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「RAP MIYO-CHAN」Cha!K.A.T.O. with BRAND NEW MONKEYS
「加トチャンのスキャットマン」CHA-MAN

加藤茶が1995年に(一応)変名でリリースした中途半端な8?2枚。

左、1995.5.25リリース「ラップ ミヨちゃん」
ジャケットのアーティスト名表記は「Cha!K.A.T.O.」だが、背表紙部分とCD盤面には「加藤茶」と普通に書いてある。

?ラップ ミヨちゃん
作詞・作曲:平尾昌章、サウンドプロデューサー:Takuji Kura
ザ・ドリフターズのドラマーがブランニューモンキーズと組んで往年のヒット曲をリメイク。作曲のクレジットは平尾昌章だが、原曲のメロディはイントロでサンプリング風に出てくるだけで、あとはタイトルどおり全編ラップ作品。茶のラッピンはさすがと思わせる部分もある。しかし全体としては「悪い業界人に乗せられたおじいちゃん」(まだそんな年ではないのに…)みたいな居心地の悪い気分になってしまうのだ。

?カラオケ

定価800円、中古で100円。
ハゲヅラ、チョビヒゲ、丸メガネ。茶、52歳の春。


中、1995.12.21リリース「加トチャンのスキャットマン」。世界的に大ヒットしたスキャットマン・ジョンの代表曲をカヴァー。

?加トチャンのスキャットマン(CHA-MAN'S BASIC MIX)
作詞・作曲:John Larkin, Antonio Nunzio Catania、日本語詞:本木茂、編曲:倉卓治
原曲スキャットマン・ジョン「SCATMAN (Ski-Ba-Bop-Ba-Dop-Bop)」の日本盤リリースは1995年夏。日本でも大ブレイクし、なんとか熱が冷めないうちに便乗してやろうと年内リリースに間に合わせたカヴァー。冒頭の早口言葉みたいなのは茶の声だが、メインのスキャットは別人(J. Jonson, M. Kosaka)で、チャーマンはラップ担当。中高年男性の冴えない日常を綴ったリリックで、テンション上げにくいなあ。企画の安直さが、内容にも反映されてる。

?加トチャンのスキャットマン(CHA-MAN'S REGGAE MIX)
はい、レゲエミックス。

??のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
スキャットマン・ジョンのヒゲを見て、往年のヒゲダンスを思い出しちゃっただけの企画のような気がする。


ついでに右は、スキャットマン・ジョンの8?。唯一の短冊?

1996年リリースの、日本向けCMソング。

?プリプリスキャット PRIPRI SCAT RADIO EDIT グリコプッチンプリンTV CFソング
作詞・作曲:John Larkin-井上大輔、編曲:冬野竜彦
ハイパーなダンスビートに乗せてスキャットマン・ジョンが吠える!後半子どもコーラスも加わって、盛り上がる。

?プリプリスキャット PRIPRI SCAT LOVE TOGETHER MIX
2分長いヴァージョン。

??のカラオケ

?スキャットマンズ・ワールド Scatman's World
作詞・作曲:John Larkin, Antonio Nunzio Catania
大ヒット曲「SCATMAN」に続き1995年にリリースされた第二弾シングル。こちらも欧州を中心にヒットした。世界中に多数存在する「パッヘルベルのカノン」チルドレンの中でも質の高いほう。

定価930円、中古で100円。
茶よりひとつ年上のジョンさん。白いスーツで「ゲッツ!」をキメている。

「婆様と爺様のセレナーデ」 けん&マーシー 1993年

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志村けん(婆様)と田代まさし(爺様)によるコミックソング。

?婆様と爺様のセレナーデ CX系「志村けんのだいじょうぶだぁ!スペシャル」挿入歌、「志村けんはいかがでしょう」エンディング・テーマ
作曲・作曲:吉幾三、編曲:野村豊
うお、吉幾三か。イントロからサンタナチックな哀愁漂うギターでムード歌謡の王道を突き進む。力強いユニゾンでの「イェイェイェイェイ!」の下世話感、ニューハーフ店のショータイムにも対応できそう。ずり上げ系のメロディラインが言われてみれば幾三節だな。

?カラオケ

定価800円、中古で100円。
ふたりとも目が笑ってない。まったく同じ写真のステッカーって…要らなさ絶大。ま、確信犯なんだろうけど。

このふたりのコラボとしては、「志村けん&田代まさしとだいじょうぶだぁファミリー」名義でのクレージーキャッツカヴァー「ウンジャラゲ」(1988)が存在する。あ、1988年てことは8?もあるんだ。


私の中でお笑いのヒーローって誰だろうと考えてみる。既存の枠組みを壊していく痛快さをリアルタイムで体験できたのは、オールナイトニッポンでのタモリ、たけし。あと、オールナイトフジでのとんねるず…なんだか遠い昔の話。待てよ、その前に東村山音頭か。「全員集合」を毎週見ていた小学生には強烈なインパクトだった。あの頃の志村けんのアナーキーさは、今考えても突出しているように思う。ひげダンスは(クラスで猛烈に流行ったけど)、もう見てなかった。ドリフ終わったな、とか思ってた。

「その朝、ひざしの中で」 佐伯伽耶 1997年

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2006年からゆっくり紹介してきた佐伯伽耶ディスコグラフィーもいよいよ最終回。

4枚目にしてラストシングル。復帰はないだろうし、万が一復帰しても気付かない可能性大。

?その朝、ひざしの中で
作詞:白峰美津子、作曲・編曲:藤井尚之
チェッカーズの藤井弟が書き下ろした、サラッとドラマチックな曲。もちろん藤井尚之はサックスも吹いてる。堀越信泰のギターと朝本浩文の鍵盤が程よい緊張感を演出し、伽耶様の落ち着いた歌唱もいい。全体のレベルは高く、「パヒュームを残せない」に次ぐ完成度。2ndと3rdは伽耶姐自作の詞がなんとも小憎らしかったのだが、やっぱりプロに頼んだほうが…とスタッフの提案があったのだろう。まあ、正解だと思う。

?あなたといる時の私
作詞:YOU、作曲・編曲:藤井尚之
こっちはかなりぼんやりした曲。アレンジは朝本浩文のピアノに頼りすぎ?間奏は藤井尚之によるフルートソロ。

??カラオケ

定価1000円、レンタル落ち100円。
伽耶ジャケ史上、最も美人度が高い。

おさらい佐伯伽耶全作品

1st「パヒュームを残せない
2nd「PRETTY PLEASE
3rd「愛があればね
4th「その朝、ひざしの中で」



前にも書いたけど、1994年のデビューからきっちり一年一枚のペースを守り、アルバムリリースは頑なに拒みつづけた伝説の8?好き(後半嘘入った)。
さらば、佐伯伽耶。フォーエバー、佐伯伽耶!

「元祖高木ブー伝説」 筋肉少女帯 1989年

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筋肉少女帯の初8?。シングルとしてはナゴムからの「高木ブー伝説」から数えて3枚目、メジャーでは「釈迦」につづく2枚目。「釈迦」は1988年6月発売だから時代的には8?リリースがあってもいいのだけど、アナログ7インチのみのようだ。

?元祖高木ブー伝説
作詞・作曲:大槻ケンヂ、編曲:筋肉少女帯、オーケストラアレンジ:上野耕路
「俺は高木ブーだ まるで高木ブーだ」オーケンのだみ声シャウトが熱い。切迫感のあるハードなサウンドに、半ば語りのような叫び声を乗せる手法は、三上寛を思い出させる。終盤、おどろおどろしく盛り上げるオーケストレーションは、当時ゲルニカの上野耕路。タイトル、ビジュアル、サウンドともにインパクト十分。「元祖」のほうをあとに出すってのは、天才バカボンから学んだ技に違いない。

?星の夜のボート
作詞:大槻ケンヂ、作曲:内田雄一郎、編曲:筋肉少女帯
アルバム『猫のテブクロ』(1989)収録曲。どこどなくドアーズを思わせる幻想と抒情を湛えた、じわじわくる作品。

定価937年、中古で100円。
丸尾末広によるジャケ画が美しい。

関連大槻ケンヂ
オンリー・ユー


ちなみに高木ブーご本人も90年代にいくつかシングルをリリースしているが、残念ながらマキシしかないみたい。

もちろん、荒井注の8?も存在しない(と思う)。

「プカプカ」 大槻ケンヂ 1996年

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大槻ケンヂのソロ3rdシングル。

?プカプカ
作詞・作曲:象狂象、編曲:中山努
オリジナルはザ・ディラン?、1971年。象狂象は西岡恭蔵のペンネーム。ザ・ディランを脱退した西岡恭蔵が、残ったふたり(大塚まさじ・永井洋=ザ・ディラン?)に提供した曲ってことでいいのかな。70年代フォークが生んだ、真のスタンダード曲のひとつ。カヴァーがとにかく多い。YouTubeでたくさん聴けるが、約30名による歌唱をつなぎにつないだ便利な「プカプカリレー」発見。これは力作だわ。間奏で、この曲のモデルである安田南さんが登場するのもニクイ演出だなあ。
前置きはこれくらいにして8?の話。
口笛の軽やかなイントロから、大槻ケンヂのソフトで後ノリの歌唱。この曲が収録されたアルバム『わたくしだから』は、ほとんど他人への提供曲のセルフカヴァーだった。そんな回顧ムードがこのカヴァー曲にも反映されたのか、なんだかのんびり緩い雰囲気に。とくに「聴かせる」歌い手ではないので、このゆったり感には少々困惑してしまう。終盤妙に歌い上げちゃったりね。「好きだから歌ってみました」の域を出てないように感じる。

?パヤパヤ
作詞:大槻ケンヂ、作曲:内田雄一郎、編曲:坂井紀雄
オリジナルは空手バカボン(大槻モヨコ、内田雄一郎、ケラ)。ナゴムレコードから1985年にリリースされたEP「孤島の檻」収録曲を、11年ぶりに再演。空手バカボンでの大槻の歌唱は、知久寿焼そっくり。ナゴムスタイルってことなのか。若さで突っ走ったクレイジーな曲を、大人の解釈で落ち着いて歌い直してみた。そういう曲じゃないような…違和感を狙ったのなら一応成功か。プカプカやったからついでにパヤパヤ?上述のアルバム『わたくしだから』には収録されなかった。

定価930円、中古で315円。
ジャケのイラストは「本の雑誌」でお馴染み沢野ひとし。


まわりのアルバムたちについて。

左、『空手バカボン ベスト』(1990)。
「パヤパヤ」を含む全23曲。あの時代のインディーズの匂いを思い出すにはもってこいの内容だが、全部聴きとおすのはキツイ。目玉はオープニング&エンディングに収録された「バカボンと戦慄 -Staress&バカボンBlack」と「バカボンと戦慄 part II -Staress&バカボンBlack part II」、作曲は「空手バカボン」とクレジットされているがクリムゾン「Starless」の日本語カヴァー(と言っても日本語ワンフレーズだけ)。そして「来たるべき世界」。こちらはYMO「ライディーン」に歌詞をつけたもの(作曲はやっぱり「空手バカボン」だけど)。この3曲は、『空手バカボン ナゴムコレクション』(2005)から外されている。そりゃそうだろ。

うちにあったプカプカあとふたつ。

右上、URCカヴァーのオムニバス『Discover URC』(2003)。
大西ユカリと新世界が「プカプカ〜みなみの不演不唱〜」をカヴァー。多くのカヴァーでは取り上げられていない、前唱ともいうべき「おいらを風来坊にした いかしたあの娘〜」(上のリンク「プカプカリレー」で西岡恭蔵が歌っている)の部分もきっちり歌う。唸るサックスとグルーヴィーなハモンドオルガンをバックにソウルフルに暴れまわる大西ユカリ!原曲とは思い切り異なるアレンジで解釈しつつ、楽曲への愛をビシビシ感じる名カヴァー。

右下、ハンバート ハンバート『シングルコレクション2002-2008』(2010)。
「ハンバート ハンバート・おおはた雄一・扇谷一穂」で2004年にプカプカをやってる。「MIDI YOUNG STARS」名義の非売品シングル「プカプカ」収録。アコギをバックに、おおはた雄一、扇谷一穂、佐藤良成(+バイオリンソロ)、佐野遊穂の順でワンコーラスずつ淡々と歌いつなぐ。佐野遊穂の冷酷なまでに美しい声で「トランプ スタスタスタ」が聴ける悦楽。同じシングルに収録されていた、ハンバート ハンバートによる高田渡カヴァー「生活の柄」も最高。

「メラ☆メラ」 VANILLA 1996年

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VANILLA are; 川西幸一、野山昭雄、坂巻晋、笹本希絵

VANILLAの4thシングル。

?メラ☆メラ
作詞:森雪之丞、作曲:野山昭雄
いろいろバンドをやってきた男三人と、紅一点笹本希絵。構図としてはJUDY AND MARYぽいか。笹本希絵のパンチのあるカワイイ系ヴォーカルもYUKIと印象が重ならないでもない。この曲は、どちらかというとアン・ルイス寄り。歌詞にも「長い睫毛」「卑猥」など「六本木心中」へのオマージュともとれるワードがちらほら。イントロ、ゴリゴリ押してくるギターリフ&シンセリフに、いい意味で「売ったるで〜」的な迫力を感じる。抑え気味な展開のあと、爆発するサビ「♪恋はメラ☆メラ〜」のカタルシスはなかなか。90年代型ハードロック歌謡として完成度は高く、ブレイクしてもおかしくないように思うが、時代はコムロ全盛期。残念ながらセールスは芳しくなかったようだ。

?午前4時の本能
作詞:近田春夫、作曲:野山昭雄
アルバム未収録曲。笹本さん、歌上手いのにバンド解散とともに引退したみたい。

??のカラオケ
コーラス職人、真城めぐみのパワフルな声を楽しむのならこっち。

定価1000円、中古で100円。
エスニック系雑貨屋で売ってるお香ぽいジャケ。

「グルグル」 本木雅弘 1996年

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本木雅弘の5thシングル。

?グルグル ツーカーセルラー東京CMイメージソング
作詞:永見浩之、作曲・編曲:ホッピー神山
ホッピー神山による尖った音の大きなグルーヴに乗せて、モックンはダルなラップでスタート。「人間一人で生きれりゃいーけど やっぱり誰かとしゃべりたい」冒頭から携帯電話に寄せてきたな。後半には「TU-KA! TU-KA!」と煽るようなコールもあり、意外と思いっきりなノベルティソングなのだ。「ツーカー」って昔存在した携帯電話会社ね、念のため。メロディパートはエフェクトかけて夢のような印象。3分過ぎるとリズムチェンジがあり、あとはわりとやりたい放題。
ツーカーのイメージキャラはモックン単体からバンド編成(ツーカーズ)へ。グルグル路線は消費者・クライアント受けが今ひとつだったのかな。

?GUITAR POP
作詞:島津由行・本木雅弘、作曲:福富幸宏・深井浩明・永山学、編曲:深井浩明・永山学
モックン作詞に参加。詞・曲・編曲すべて複数名のクレジットってのは結構珍しいかも。ギターポップと聞いて私が想像する音とは異なるけど、この内省的なノリは悪くない。

??のカラオケ

定価1000円、レンタル落ち50円。
どう見てもゲイファッションでキメたヘン顔モックン。似合ってる。


関連モックン
東へ西へ」ソロ2枚目。

「ゆらゆら」 奥菜恵 1998年

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奥菜恵の7thシングルは、久々のCD-EXTRA仕様。

?ゆらゆら
作詞・作曲:ЯK、編曲:土橋安騎夫
偽キリル文字でアール・ケー=河村隆一作品。シングルとしては地味ではあるが、何度か聴くうち意外といいんじゃね?と思えてきた。「幼馴染みのキミ」をいつの間にか異性として意識しはじめ、ゆれ動く乙女心を描いた詞。ありがちだけど結構切ないのだ。あの目力男がこんな乙女チック歌詞を書いてるかと思うとまた味わい深い。不安定な気持ちはメロディからも感じられる。ちょっと難しい展開に、一生懸命ついていく奥菜さんの健気な歌唱に男子はずっきゅん。やるじゃん、ルナシー。

?YuKi
作詞・作曲:ЯK、編曲:土橋安騎夫
大事なファーストキスを奪われたのが、パパがプレゼントしてくれた犬だった…なんて90年代とは思えないベタなアイドルソング。

??のカラオケ

定価1050円、中古で100円。
18歳の奥菜さん。ジャケ裏には「高校卒業記念写真集」の予告が。このシングルは2月発売なのでまだ現役女子高生。
ジャケは文句なしの美少女写真。文字をシンプルに入れたデザインも秀逸。

そりゃトレカを付けたくなるも無理はない。けん&マーシーの対極。
いい写真たくさん撮れたんで…というスタッフの気持ちが、トレー透明化に現れている。トレカの裏と並べて。



それでもまだまだ足りないと考えたチーム奥菜はCD-ROMでスクリーンセーバーと壁紙をぶっこんできた。
動画は入ってないので147MBとそれほど容量使ってない。

「Fuwa Fuwa 〜もう一杯おネエチャン〜」 憂歌団 1995年

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憂歌団の8?。
バンドは1970年デビューで、1998年に活動停止しているから末期のシングル。シングルディスコグラフィーが見つけられれなかったので、何枚目か不明。

?Fuwa Fuwa 〜もう一杯おネエチャン〜
作詞:荒木とよひさ、作曲:内田勘太郎、編曲:憂歌団
飲んだくれて、お店の女子店員にからむたちの悪い客を演じる木村充揮。「もう一杯おネエチャン 抱っこしてあげようか」のあたり、もう地でやってるとしか思えないエロオヤジっぷりが素晴らしい。酩酊の中に人生の苦みを感じさせるのは、木村の声の力技としか言いようがない。サビで繰り返される「もう一杯おネエチャン」、木村は「ネエチャン」と「お」を抜いて歌っているように聴こえる。カラオケ?を聴くと、コーラスははっきり「おネエチャン」と歌っているので、「ネ」のアタックがわずかにずれる。だから何だってこともない細かい話だが。

?みんな急げ
作詞:荒木とよひさ、作曲:花岡献治、編曲:憂歌団
べーシスト花岡献治の作曲。フラットなAメロがちょっと「リバーサイドホテル」似。2曲とも最後のオリジナルアルバム『ブルース・バウンド』(1995)に収録されている。

??カラオケ

定価1000円、中古で100円。
ジャケは川沿いの工業地帯をバックにした4人の写真。それぞれ白抜きでイニシャル(木村の「K」という具合)があしらわれている。

関連
木村充揮ソロ
アイム・ソーリー
憂歌団がUAのバックで演奏
アントニオの唄

「じんじん」 原由子 1991年

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原由子の11thシングル。

?じんじん
作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:小林武史&桑田佳祐
冒頭のコーラス「じんじんじん じんじんじじん」ははっきり桑田さんの声。ちょっと主張が強すぎるように思うが、山下家のこの曲も同じパターンだな。寺内タケシ直系のエレキ歌謡は桑田さんの得意技。「そんなヒロシに騙されて」x「ボヘミアン」(もちろん、葛城ユキの)みたいなハードな気分で。原さんはハードとは程遠いふんわり系プラスティックヴォイスだけど、この声でビートの効いた曲をガシガシ歌わせてみたいと思った桑田さんの気持ちもなんとなくわかる。冒頭の歌詞「雨が降っている 水着のままで凍えてる」夏の終わり、ビーチで雨、というシチュエーションは「夏をあきらめて」と重なる失恋ソング。ジャスト3分で終わるのもスカッとしてていい。

?使い古された諺を信じて
作詞:桑田佳祐、作曲・編曲:小林武史
こちらは小林武史作曲。ポップなメロディに原由子本来のキュートな歌唱が映える。ところで歌詞の最後が「使い古された諺を信じて」なのだが、その諺が何なのかは触れられない。内容からすると「雨降って地固まる」あたりだろうか。

定価930円、レンタル落ち50円。
なんでキリンなのか知らん。

「ドナドナ」 SUPER BAD 1988年

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SUPER BADのデビューシングル「ドナドナ」とセカンド「リゾート」(いずれも1988年)。これでシングルはコンプリート。

左、「ドナドナ」

?ドナドナ
訳詞:安井かずみ、作曲:SHELDON SECUNDA/SHOLEM SECUNDA/AARON ZEITLIN/TEDDI SCHWARTZ/ARTHER KEVESS
作曲のクレジットがやたら多いが、イディッシュ語原詞の作者と、なぜか英訳詞の作者も入っている。原曲は1938年作。安井かずみによる日本語詞ヴァージョンは1966年に岸洋子の歌唱により「みんなのうた」で放送され、一気にメジャーになったようだ。諦念を感じさせるマイナーメロディと、まるっきり救いのない歌詞が冷徹な現実を子どもたちに突きつける。「♪ドナドナドーナ ドーナ〜」はあ、気が滅入るわ。小学校の音楽の時間に歌った。今も教科書に載ってるのかな?
SUPER BADはかなりコード感やメロディをいじって、なんだか明るい雰囲気に。サビでは「子牛をのーせーてー」と「荷馬車がゆーれーるー」を省いて、陰鬱なムードを消し去ろうとしているかのよう。スカ+ロシア民謡っぽいアレンジはトロージャンズを思い出させる。

?ダレカガ
作詞・作曲:高田エージ
バンド名はJBの曲タイトルに由来。そんなルーツを感じさせるファンキーもの。JBばりのシャウトも聴ける。「油断も隙もありゃしねぇ」あたりの歌い回し、清志郎の影響を感じる。

定価1000円、中古で100円。
『ウィズ・ザ・ビートルズ』ぽいライティングの4人。赤黒でまとめたデザインがシック。


右、「リゾート」

?リゾート
作詞・作曲:高田エージ
シングルにしては地味なんだなあ。

?MERCY MERCY
(DON COVAY & RONALD MILLER)
オリジナルはDon Covay、1964年。翌年にストーンズがカヴァーしている。SUPER BADは英語原詞のまま素直にカヴァー。

定価1000円、中古で100円。
こちらも赤黒で統一。
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