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Channel: 失われたメディア-8cmCDシングルの世界-
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「愛のさざなみ」 島倉千代子 1968年、カーネーション 1992年

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6.1カーネーション@渋谷WWW見た。
サポートドラマー:張替智広
ゲスト:鳥羽修、渡辺シュンスケ、大野由美子、ロベルト小山、美尾洋乃

20年前のアルバム『天国と地獄』を曲順そのままに再現する企画。「GET BACK SESSION」って、最近の私の後ろ向きな音楽志向を狙い撃ちっぽいな。

いつものシナトラではなく、スライの曲でメンバー登場。

一曲目、オートバイ。生で聴くの初めてだったか?まあ、普段はめったにやらない曲であることは間違いない。大田さんのベースありきの曲想。わかっちゃいるけど期待感がぐぐっと膨らむ、名作の導入。

直枝さんによればHMVからライブの企画をもらってから、肝心の『天国と地獄』が廃盤じゃねえか!と気付き、2CD+DVDでの2回目の再発が実現したそう。とにかくこのDVDがカーネーションマニアにはクラクラするようなお宝映像。あまりの濃さに一気見は危険なくらいに。

「バンドやってる人に言いたい。映像記録はマネージャーとかにやらせないで、メンバー自身が撮って保管しないと残らないんだよ。」と、直枝さんのMC。

「体温と汗」や「学校で〜」のように現在でもよく演奏される曲と、ライブでほとんど聴く機会のない「いくいくお花ちゃん」「毒よ眼ざめなさい」などが違和感なく溶けあっていく様は、意外なような、もともとひとつのアルバムなのだから意外じゃないような。

鳥羽さん辞めたのって2002年、もう10年たつのか。ゲストギタリストとして第一部は出ずっぱり、第二部の「影踏み」(!!)まで弾いて退場。はじめのほうで感じた懐かしさは、10年違う歴史を刻んできたふたりのギタリストの道のりへの思いに変わっていった。

第一部ラストの「天国と地獄」の突き抜け感、改めてバンドのひとつの到達点だったんだな、と確信。

【第二部】
15. Edo River
16. Superman
17. New Morning
18. 影踏み
19. ジェイソン
20. スペードのエース
21. ANGEL
encore 夜の煙突

だんだんゲストミュージシャンが減っていって最後カーネーション+張替で「ANGEL」。そういうことなら、さらにカーネーションふたりだけで「市民プール」じゃない?

アンコールの煙突で八木康夫氏暴走。最終的にはスタッフに取り押さえられてたぞ。あと美尾さんだけはTシャツ着ないのが、らしくてよかったな。


もちろん第一部のハイライト、DVDでも最重要シーンだった「愛のさざなみ」。

島倉千代子の偉大なオリジナルヴァージョンについてはこちらを。


右のアナログは、RECORD STORE DAY限定7インチシングル「天国と地獄」。

1992年、アルバム販促ポスターのために八木康夫がデザインした架空のシングルを、20年目に現実にしてしまった。なかなか夢のある企画なのだ。

A面「天国と地獄」、B面は「愛のさざなみ」。選曲は架空のジャケを作った八木氏だったことについて。「別にこだわり無いの、こっちには。しょうがないの。これは1992年にすでに決まっていたの。」と直枝さんは「Sound Factory」で語る。

2曲ともモノラル化。オリジナルステレオヴァージョンよりもガツンとくるミックスになっていて新鮮。やっぱいいな、45回転。気になる人は買っておいたほうがいい。

「くれないホテル」 内海みゆき 1988年、ムーンライダーズ 1995年

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名曲「くれないホテル」のカヴァー二題。

オリジナルは西田佐知子、1969年。

左、内海みゆきのキャリア末期にリリースされたっぽいシングル。オフィシャルサイトにディスコグラフィーがないのが残念。

?Bay Side Moon
作詞:森本抄夜子、作曲:野田晴稔、編曲:笹路正徳
最大のヒット曲「酔っぱらっちゃった」(1982)のパンチの効いた歌唱で知られる内海みゆき。いや、私はさっき知ったけどね。
この曲はわりとさらっとしたポップスで、(さっき知ったくせに言っちゃうけど)みゆき姐さんの個性が活かされていない印象。酒臭さが足りないっていうか。

?くれないホテル
作詞: 橋本淳、作曲・編曲: 筒美京平、編曲:沖山優司
西田佐知子のオリジナルは京平さんが編曲も担当していて、完全にバカラックテイストを狙っていることがわかる。西田佐知子のソフトながら適度な歌謡曲的湿度をもった歌唱が最高。サビでのコブシ回しなんか、絶妙よ。オリジナルを超えるのはどう考えても至難の業。
原曲のワルツのリズムは変えず、オリジナルよりテンポを上げた沖山優司のアレンジ。みゆきさんはしっとりアダルトなムードでこの名曲に挑む。サビの上昇メロディをあんまり歌いあげないように処理しているのは正解だと思う。まあ、残念ながら名カヴァーとまでは言えないけど。

定価1000円、中古で100円。
夜の街が似合う女の横顔。


右、ムーンライダーズのカヴァーアルバム『BYG - High School Basement 1』(1995)。6曲目で「くれないホテル」をカヴァー。

?くれないホテル
編曲:岡田徹
演奏:鈴木慶一、岡田徹、武川雅寛、白井良明
VOICE, BUBLING:MAKI MIKI COYOTE
COMPUTER PROGRAMMING:伊藤俊治
以前慶一さんが、カラオケで歌いたい曲としてこれを挙げていたので、このチョイスは「お、バンドでやったか」と納得した。一番はトランシーバー越しの声。Aメロは慶一さんがリーディング、サビからちゃんとメロディに乗せる。岡田さんのアレンジはジュリー・クルーズ風。そう、ツインピークスが絶大な影響力を持っていた時代だった。細野さんも相当リンチ寄りな時期があったし。ダークで不穏なムードと、深海を思わせるエコー、そして漂うギター。オシャレ歌謡曲ミーツ・デビッド・リンチ。慶一さんが女言葉で歌うと、独特の色気があっていいんだよなあ。ライダーズでは「女友達」「夜の伯爵」とかね。

歌詞カードは一曲ずつ別の紙になっていて、シングルジャケット風のデザインになっている(「くれないホテル」はあんまり力が入ってないけど)。岡田徹がアコーディオンを抱えている写真。

「赤道直下型の誘惑」 島崎和歌子 1990年

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島崎和歌子の4thシングルは、2曲ともカヴァー曲。

?南南西
作詞:麻生香太郎、作曲:あすなろ、編曲:竜崎孝路
オリジナルは高田みづえ、1977年。デビューアルバム『オリジナル・ファースト』の一曲(シングルカットなし)。翌1978年、秋川淳子がデビューシングルとしてこの曲をカヴァー。たぶんそんなにヒットしてない。さらに12年後に島崎和歌子がカヴァー。秋川淳子はシングル2枚のみで引退したらしい。そんな裏街道まっしぐらなムードをワッコさんはひっくりかえせるのか?業界(一部)注目の昭和歌謡リバイバル作品だったのだろう。サビはじまりの曲はなかなかキャッチーで、間違ってヒットしても悪くない雰囲気はある。誰なんだろ?あすなろ。和歌子も昭和テイストたっぷりの卒のない歌唱を聴かせ、全体として典型的B級歌謡の出来上がり!

?赤道直下型の誘惑
作詞:売野雅勇、作曲:筒美京平、編曲:竜崎孝路
オリジナルは渡辺桂子、1984年の2ndシングル。これも知られざるB級アイドル歌謡と言っていいマイナー作だから、チーム島崎のどうにも止まらないアイドルマニアっぷりが伺える。イントロで聴ける哀愁のサックスがいい味出してる。筒美さんのパッチワーク的な作風が楽しめる、タイトルどおりの扇情的な夏歌。ガツガツした若人たちが渚で繰りひろげる性の饗宴。和歌子の優等生的な面白みのない歌声が、売野雅勇が描くチープでライトな世界を上滑りしていく。もうたまらなくBな香り。どっちもカヴァーなら絶対こっちがA面だろ!と思うけど、まあどっちでもいいか。
ちなみに「ポスト堀ちえみ」の呼び声も高かった渡辺桂子はデビューから2年で結婚、引退。翌年には離婚してヌード写真集という、絵にかいたような裏アイドル路線を突っ走った。なんでそんな失敗アイドルの曲をデビュー2年目の和歌子に背負わすかなあ。

2曲に共通するのは、ちょっと主張の強い女性コーラス隊。これまた強烈に昭和を感じる「♪ハ〜ン」がノスタルジーやね。

定価937円、中古で100円。
今さらながら、美貌だな。完璧すぎて、アイドルとしてはややマイナスポイントになるくらいに。

「体重計とアンブレラ/Do you remember me」 木村恵子 1988年

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木村恵子の2ndシングル。

?体重計とアンブレラ 資生堂キャンペーンソング
作詞:三浦徳子作曲:KAN、編曲:松本晃彦
資生堂のタイアップって、力入るよな。「愛は勝つ」(1990)でブレイクする前のKANがポップなメロディを聴かせる攻めの一曲。80年代らしい、ちょっとうるさいアレンジが華やかといえば華やか。茂さんでは絶対こんな感じにならない(しない)。木村さんの声は、よく言って個性派、はっきり言えば聞き苦しい系で、歌唱力も微妙。美人じゃなかったらどうだったろう、と想像してもしかたのないこと。宮沢りえ&鳥居かほり出演の資生堂CFでアナウンスされるプレゼントは、もちろん体重計とアンブレラ。体重計ねえ…ちょっとウケ狙いの企画書がうっかり通っちゃった?

?Do you remember me
作詞:安井かずみ、作曲:加藤和彦、編曲:鈴木茂
デビューアルバムに収録されていた唯一のカヴァー曲。うーん、あんまり面白くないね。木村恵子と鈴木茂の前では、加藤和彦が結構個性的な名前に見えてくる。

かつて紹介した、どれもパッとしないカヴァーたち。
スージー・スージー
ribbon

定価1000円、レンタル落ち100円。
黄色いレインウエアと傘でルーズにキメた木村さん。ショートボブとメイクはシャープな雰囲気だけど、あまりにも写真が小さすぎる。配色も残念な感じだし、素材を殺した失敗ジャケットだな。

左の美麗ジャケットは、?が収録されたデビューアルバム『STyLE』(1988)。鈴木茂プロデュース作品で、茂さんがアレンジを全曲担当し、10曲中5曲の作曲もしている。作詞は松本隆、湯川れい子と本人。木村さんは2曲で作曲もこなし、のちのSSWの片鱗を見せている。ゆるやかな導入「Good Morning」で掴みはOK。グルーヴィーな「電話しないで」もいいし、杉真理作曲の「シンジラレネーション」は大島弓子へのオマージュ?茂さんの名曲「水の都」までの完成度が高すぎるせいか、後半はやや失速するのが惜しい(ラストの門あさみ作曲「シャレード'88」は好きだけど)。A面だけならシティポップスの名盤!

右は?のロングヴァージョンが収録されたセカンドアルバム『AMBIVA』(1989)。10曲中8曲の作曲と6曲の作詞を本人が手掛け、自分を表現することに目覚めた木村さん。デビュー作とはだいぶ違うテイストで、戸惑ったリスナーも多かっただろう。ジャケットどおり、車に関連した歌詞が多く、前半5曲には細かく見るとすべてに車が登場してる。バラード「モノクロームの太陽」が、自作曲ではもっとも完成度高いが、音の上下移動がちょっとユーミンすぎる感あり。「水曜日の贅沢」の作曲は小野香代子。そう、高山美図紀の「JAMAIS VU」(1991)のソングライターなのだ。

その後の木村恵子については、またいずれ。

「世紀末RAP族/ギャンブラー」 永田真代 1991年

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7月7日は短冊記念日。

初心に帰って、知られざる名曲を紹介。とくに七夕とは関係ないけど。

永田真代の4thシングル。

?世紀末RAP族
作詞:松井五郎、作曲・編曲:羽田一郎
フロア・オリエンテッドな?攻めの一曲。ラップは本職ぽい男性(英語)に任せているのが残念だけど、なかなかにファンキーなパーティーチューン。真代さんの声は森若香織を薄味にしたような、ちょっと鼻にかかる系。弱点は詞だな。サウンドとともに狙った(と思われる)「混沌」に届いてない。タイトルの怪しい感じは悪くないのに。サウンドはプリンスがテヴィン・キャンベルに歌わせた「round and round」(1990)の影響大。

?ギャンブラー
作詞:サエキけんぞう、作曲・編曲:加藤和彦
アルバム『SEXISM』(1991)のオープニングナンバー。夢の世界へ誘うように、ゆったりゴージャスなサウンドが展開される。夜のカジノを舞台に、恋とギャンブルをバブリーなムードで描く。サバンナバンドすぎるだろ、ってツッコミは必至だけど名曲は名曲。1988年〜1991年に加藤さんが力を入れまくってた高岡早紀作品群に比べ、明らかに力の抜けた雰囲気がいいのだ。

定価930円、中古で100円。
光沢のある原色のジャケットに人工的なヘアメイク。尖ったビジュアルでキメていたマヨ子。

この次のシングル「なごり雪」で大幅イメチェンを図ったあと、ひっそりキャリアを終えていくのだった。

「WILL YOU MARRY ME?/ちょっと待ってちょうだい、けだものさん」 高橋由美子 1996年

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高橋由美子の20thシングル。1990年〜1999年の間に24枚のシングルを残した高橋さん。アイドルとしてのキャリア末期の、セールス的にはかなり苦戦したであろう傑作シングル。

?WILL YOU MARRY ME?
作詞:康珍化、作曲:茂村康彦、編曲:清水信之
女子主導で「きみの苗字に なってあげるから」と迫るウェディングソング。サビメロを予告するエレクトリックシタールのイントロ、ラガマフィン調(あるいはさだまさし調)のAメロ、サビで繰り返される「WILL, WILL YOU WILL YOU MARRY ME?」の上昇音階が切ないんだなあ。高橋由美子の安定感のある歌唱が、パートナーをぐいぐいリードしていく俺様系女性像にぴったり。ずっと相手に語りかける歌詞が続いたあと最後に独白になり、あくびをしている彼を見て「この人だとあのとき決めた しあわせにしてあげたい」の展開にでほろっとくる。結婚式の定番ソングになるにはちょっと難しめだけど、ハッピーな名作。

?ちょっと待ってちょうだい、けだものさん
作詞:康珍化、作曲:和泉一弥、編曲:清水信之
本格ラテン歌謡。高橋さんのリズムのよさが際立つ。ラテンと言えば、もちろんエロ歌詞…なんだけど、これがまた高橋さんが歌うとエロくないんだ。優等生的なイメージを覆そうとした企画なのだろうけど、やっぱり滲み出る真面目さは隠しようがなかった。そこが魅力なのだから、これはこれで楽しめる。曲・アレンジとも気合いが入っていて、隙がない!

??カラオケ

定価1000円、レンタル落ち50円。
ウェディングドレスで高飛び込み。結婚って勢いだよね、うん。

関連高橋由美子
だいすき

「Brandnew Lips」 遠野舞子 1992年

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グラビア系アイドル、遠野舞子の2ndシングル。遠野さんは1992-94年の間に6枚のシングルと1枚のアルバムを残している。

?Brandnew Lips
作詞:吉元由美、作曲:杉村真瑶誌、編曲:飛澤宏元
タイトル・内容とも、いかにも資生堂春のキャンペーンソングぽいウキウキした感じなのに、春でもないし(9月リリース)化粧品屋のタイアップも付いてない。弾むベースライン、ダンデュビコーラスはないものの、「いちご畑でFUN×4」フォロワーといえるリズム&メロディ。歌詞も80's聖子‐松本隆へのオマージュぽい単語がちらほら。そりゃあ全盛期の聖子には適いっこないのは当然だけど、遠野さんの歌唱はグラビア系のアベレージを軽くクリア。いやむしろアイドル界では上手いほうに入るな。声はブリブリだけど憂いがあって、素直に伸びる発声はちょっと軽めのZARD系。前回の高橋由美子と対照的に、明るいポップスを歌っててもなんかエロい。ジャケもそう、「何かたくらむ表情」やねえ。くちびるつんと尖らせてはいないけど。

では、聴いていただこう。「Brandnew Lips」 誰か「いちご畑でBrandnew Lips」を作ってくれ。

?Sunshine Love〜恋はふたりを離さない〜
作詞:吉元由美、作曲:青木秀樹、編曲:岩崎肇
ハチロクの王道バラードでさらにZAR度アップ。なんだか普通に売れちゃいそうな雰囲気あるな。ま、売れなかったけど。低い音もナチュラルに響かせる、なかなか優秀なヴォーカリストではないか。
こっちにもちゃんとPVが作られているなんて、さすがビジュアルクイーン。短冊ジャケ裏に宣伝があるビデオクリップ「ヴィーナス進化論。」のために作られたのだろう。
Sunshine Love」残念ながらこの短冊ジャケのようなコスチュームは登場しない。「季節外れの海」が舞台だから仕方ないか。

??カラオケ

定価1000円、中古で300円。
もちろん、ジャケ買いさ!露出度高めの美人さんなら、300円はやむを得ない。この大きさじゃ分かりにくいけど、胸元と二の腕に付いた白い砂がポイント。これで内容がいいなんて、予想外だった。

「One Summer Lonely」 中村由真 1988年

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風間三姉妹の次女、「リリアンの由真」の7thシングル。

?One Summer Lonely
作詞:吉元由美、作曲:岸正之、編曲:瀬尾一三
キャッチーすぎるサビ始まりの直球アイドルポップス。アイドル水泳大会で歌ったら絶対ハマる、キラキラしたメロディ&アレンジが眩しい。ライトな打ち込み+人力演奏のバランスがいかにも80'sサウンド。中村由真はアイドル平均点の上ずり声で、高いところでのしゃくるような歌唱は聖子フォロワーといえなくもない(悪い意味で)。誰かに似ていると思ったら浅香唯だな。これは同じバンドにいるとヴォーカルスタイルが似てくるというやつか。サビの伸ばす部分で、すべてフラットへ流れていくので悪酔いしそうになる。まだ修正技術が今ほど優れていなかったんだな。

?LAZY LAZY
作詞:吉元由美、作曲:岡本朗、編曲:瀬尾一三
こちらはリゾート感あふれる女性コーラスが華やかなカリプソ歌謡。スティールパン風ソロはシンセっぽい。由真さんのふらつくピッチも?よりはギリギリ持ちこたえた。

定価1000円、中古100円。
アイドルとしてはぼちぼち限界が見えてきた?由真18歳の夏。

あの頃の僕らは」に8?コンプリート画像あり。1987年リリースの初期4枚は2in1で8?化されてたのか。

関連風間三姉妹

長女
チューリップの蕾」 「プラスティック・ラヴ

三女
夏少女」 「セシル

「真夏の楽園」 中江有里 1992年

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中江有里の3rdシングルは、2曲ともアルバム未収録。

?真夏の楽園
作詞:松井五郎、作曲:岸正之、編曲:岩本正樹
ちょっと硬い雰囲気で、愛想笑いが苦手な感じの文学少女。ルックスはどストライク、声も好み。当時はそこまで思ってなかったけど、今ふりかえるとパーフェクトなアイドルだなあ。まったくキャピキャピしたところのない、イメージどおりの控えめで落ちついた声。意外と音程もしっかりしていて、安心して聴ける。寄せる波音のような木琴の短いイントロに続き、シンプルなサビからはじまる、中江さんのレパートリーの中ではわりと派手な展開の曲。悪くはないけど、やっぱり夏の開放的なムードはあんまり似合わないのかも。

?恋が綺麗になった
作詞:松井五郎、作曲:羽田一郎、編曲:岩本正樹
こっちのが好き。テンポ早めの曲で、サビのシンコペーションに一生懸命ついていく感じがいい。明るくハッピーな内容でも、どこか影がある声も魅力的。

??カラオケ

定価930円、中古で200円。
文句のつけようがない美麗ジャケ。キリっとした美人がまっすぐこちらを正面視って、もうドキドキが止まらない!笑顔じゃないところが、とてもいい。肌の露出が最小限なのも正解。

2nd
ままならぬ想い

「Splendid Love」 Lip's 1990年

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Lip'sの2ndシングル。

?Splendid Love
作詞:吉元由美、作曲:岸正之、編曲:清水信之
その筋の方々には人気の名曲。私はこの都市色さんの記事で知った。清水信之のアレンジがことのほか素晴らしく、イントロだけで名曲であることを確信できる。夏を感じさせる爽やかな音像は、達郎レベルのハイクオリティ。3人の声質は結構バラバラなのに、それぞれがあまり主張しすぎない絶妙のバランスで、素人っぽいなりにまとまりがある。アンニュイなAメロはちょっとオリジナルラブ「接吻」似?青春の焦燥感を余すところなく表現した怒涛のサビに、なすすべなく押し流される快楽よ!スプレンディッドでマーヴェラスでエクセレント。ほめポイントしか見つからないから仕方ない。

岸正之氏の回想によれば「この曲の編曲はぜひ清水氏でとディレクターに進言した」と。岸さんにとっても自信作ということなのだろう。結果は「上がりを聴いてやはり間違いなかった」。そりゃ、ここまでゴージャスかつ品よく料理してもらえれば、作曲者冥利につきるってものだろうさ。

?愛の予言
作詞:吉元由美、作曲:上田知華、編曲:清水信之
デビューシングル「愛の魔力」を手掛けた上田知華が贈る「愛の」シリーズ第2弾。こちらは元気でキュートなガールポップで、?のアダルトムードより彼女たちのキャラクターに合っているかもしれない。

定価800円、中古で400円。
全12ページのミニ写真集付き。このシングルまではCBS/SONY期待のアイドルユニットだった。次の「青い珊瑚礁〜ブルー・ラグーン・ダンス・ミックス」で完全に踏み外したのは、時代が悪かったのだろうか。


「Splendid Love」には別ヴァージョンが存在する。

CBS/SONYが当時育てていたアイドルたち7人によるクリスマス企画ユニット「七つ星」。メンバーは、河田純子、田山真美子、中山忍、宍戸留美、加藤貴子、山本京子、吉村夏枝(楽天使+Lip's+宍戸留美)。写真下のハードカバーCDブック仕様のアルバム『聖夜七つ星』(1990)に、Lip'sの曲として「SPLENDID LOVE IN DECEMBER」が収録されている。タイトルどおり、舞台を夏からクリスマスに移し、吉元由美が新たに歌詞をつけたニューヴァージョン。「粉雪に閉ざされて風のキャロル聞いたね」「飛び出した街は星のクリスマス・イヴ」てな具合。アレンジも原曲と同じく清水信之なのだが、ライトなダンスミックスといった趣きで、残念ながらオリジナルの輝きに比べると数段落ちる内容となっている。

このアルバム、忘れなければ今年のクリスマスに再登場の予定。

「渚のシンドバッド」 ピンク・レディー 1977年、結城めぐみ 1990年

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結城めぐみの4thシングル。

左、ピンクレディーのオリジナルヴァージョン(8?再発盤)についてはこちらを。

右、第15代クラリオンガールによる13年後の駄カヴァー。

?渚のシンドバッド
作詩:阿久悠、作曲:都倉俊一、編曲:船山基紀
昭和の大ヒットソングをなんとなくカヴァーしてみたイージーな雰囲気がすでに残念。ガシガシ刻むビートはなかなか勢いあるし、結城さんのヴォーカルもグラビア系としてはまずまずのパンチ力はある。でも「だから、どうしたいの?」という気持ちを抑えきれない。どうでもいいけど、この曲を聴くとどうしても「河原の石川五右衛門」(大瀧詠一による替え歌)の「ちょいと鬼さん 手の鳴るほうへ」を思い出してしまうのよ。

?A・M・A・Z・O・N
作詩:真名杏樹、作曲:多々納好夫、編曲:松本晃彦
こちらはオリジナル曲。野性を忘れた男に対する肉食系女子の苛立ちがテーマ。めぐの歌声はさらにワイルドに、挑発的に!ロッククイーンとして伸び伸びシャウトしている感じで、?よりは好感もてる。唯一のアルバム『REAL NUTMEG』(1989)収録曲。

定価800円、中古で200円。
八重歯がチャームポイントのめぐみさん、爬虫類系のコスチュームで髪をかき上げている。タイトルがでかいのはいいとしても、なんだかガチャガチャと波の絵とかアーティストロゴなんかを無造作に重ねてるのはいただけない。もっと素材の魅力を信じようよ。


「勝手にシンドバッド」 サザンオールスターズ 1978年、嘉門達夫 1990年

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サザンのデビューシングルと、嘉門達夫の12thシングル。

左の縦型はサザンのオリジナル。

?勝手にシンドバッド
作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:斉藤ノブ & サザンオールスターズ
冒頭「らららー」コーラスの爆発的インパクト!サンバホイッスル、斉藤ノブが主導権を握っていたと想像されるパーカッション、とラテンミュージック要素は盛り込まれているが、あまりにも個性的な桑田スタイルのためかラテンな印象は薄い。タイトル(沢田研二×ピンク・レディー)どおり、「歌謡曲」を十分に意識していたのだと思う。このどう考えても飛び道具的な楽曲が、その後30年以上日本歌謡界〜Jポップのメインストリームに君臨するバンドのスタートだってのが痛快。ガッツあふれる演奏、すでにスタイルが完成されている桑田さんの熱い歌唱、意表を突く「今何時!」のコール&レスポンス、12回繰り返されるサビの「胸さわぎの腰つき」、すべてがサービス過剰としか言いようのない勢いに圧倒される。

?当って砕けろ
作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
こちらも名曲。STEVIE WONDER「SIR DUKE」(1976)をベースに、桑田節が炸裂。コミカルな雰囲気もありつつ、こんな哀愁も漂わせちゃうって、改めて優秀なシンガーだなあ。

定価1000円、中古で50円。
ジャケの下半分が失われているが、1988年(10周年)の再発盤。


右の横型は、12年後の替え歌シングル。

?勝手にシンドバッド
作詞:桑田佳祐・嘉門達夫、作曲:桑田佳祐、編曲:工藤隆
この後、替え歌シンガーとして一世を風靡することになる嘉門さんの薄味作品。パロディストが対象をリスペクトしていると、こんな中途半端な感じになるというお手本か。「嘉門」の名付け親である桑田佳祐に対して毒を吐けるはずもなく、ただ好きだからネタにしてみたのかい?と問いただしたくなる。いや、別にいいんだけど…原曲のABパートのメロディが歌われることはなく、嘉門さんのポエトリーリーディング調?小芝居が展開される。原曲「好きにならずにいられない〜」部分からはメロディに乗せて正調替え歌になる。「今何時?そうね ダイアン・レイン」でちょっと笑ったことを告白しておこう。

?夏のサマー
作詞・作曲:嘉門達夫、編曲:工藤隆
こちらはちゃんとパロディとして成立している。夏の風物詩として当時メジャーだったTUBEの楽曲を真似て作られたオリジナルソング。内容もTUBEっぽく、日本語と英語がめまぐるしく交錯していく。雰囲気重視で意味不明のカタカナ英語を入れ込んでいく悪ノリ感は?とは比べ物にならないくらい楽しげ。

??カラオケ

定価1000円、レンタル落ち100円。
オフィシャルに載っている8?短冊はじつに40枚。マキシ時代になってもシングルリリースが途切れることはなく、今年の最新シングルは「アホが見るブタのケツ・2」。初回限定盤はCD+DVD!継続は力なり。

関連嘉門達夫
スモーキン・ブギ レディース」 蛭子能収ジャケ

「モンロー・ウォーク」 かとうれいこ 1991年

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かとうれいこの2ndシングル。

?モンロー・ウォーク
作詞:来生えつこ、作曲:南佳孝、編曲:中村哲
オリジナルは南佳孝、1979年。翌1980年、郷ひろみがカヴァーしてヒット。郷ヴァージョンの歌詞は来生えつこ自身がかなり手直ししている。かとうれいこは南ヴァージョンの詞を採用。打ち込みダンスアレンジで、女性コーラスが下世話な雰囲気を盛り上げる。かとうさんの上手くはないけど落ちついた歌唱は、アダルトな色気を感じなくはないけど…やっぱり残念駄カヴァー認定。

?100%〜貴方を愛したい〜
作詞:松本一起、作曲:J. HERO、編曲:安田信二
曲も詞も、焦点が絞りきれなかった印象。

定価930円、中古で500円。
セクシー路線なのに、意外と体の線が出てない衣装。この無理のある姿勢を涼しげな顔でこなすところは、さすがグラビアクイーン。

裏はこんな。



しかし、かとうれいこが表ジャケで武器を使用したのはこの2枚目までで、3rd「Moonlight Surfer」の裏ジャケを最後に、肌の露出はすっかり控えめになっていくのだった。

意外と言っては失礼かもしれないが、かとうれいこは音楽活動に熱意を持って取り組んでいたようだ。1990〜1997年の間に15枚のシングルと10枚のアルバムを残している。1998年には前田克樹(ギター)とのふたりユニット「Baby it's You」を結成、シングルを1枚リリースした。量的には、グラビアアイドルの余興の域(平均シングル3枚+アルバム1枚)を超えている。

タイトル写真右の横型はGOGO'S(郷ひろみ+屋敷豪太)のシングル「セクシー・ユー(モンロー・ウォーク)」。

「あなたの事で すずしい渚」 ギリギリガールズ 1993年

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ギリギリガールズの3rdシングル。

なんだかんだで全6枚のシングルのうち、これで4枚登場!

?あなたの事で すずしい渚 テレビ東京系「平成女学園」テーマ・ソング・「ギルガメッシュないと」挿入歌
作詞:あさくら せいら、作曲:Stock Aitken Waterman、編曲:小西貴雄
Boy Krazyのデビュー曲「That's What Love can Do」(1991)を日本語カヴァー。SAWによる王道ユーロビート作品。オリジナルのBoy Krazyも女性グループで、野太い地声ユニゾンが特徴の一発屋さん。シングル4枚しかないようだから、ギリギズのが多いぞ。
で、ギリギリちゃんたちはいつもの覇気レスな歌声をだらーんと聴かせてくれるわけだが、これが意外とこの単調な曲に合っているのだ。小西貴雄のアレンジはオリジナルより軽やかで、プールサイドが似合う感じだし。あと、なんだか気になる日本語タイトルが秀逸。どこまでもライトでバブリーなあのころの空気を現代に伝えてくれる。ギリガーの精神を体現している代表曲と言えそう。

?Nile Moon
作詞:あさくら せいら、作曲:五十嵐礼実、編曲:岩本正樹
カップリングはお約束のしっとり系ファンク。初期ギリギリのメインアレンジャー岩本正樹がいい仕事してる。エキゾチックな題材からしてラ・ムーの後継者を狙ったものと思われる(たぶん大誤解)。

??のカラオケ

定価930円、中古で600円。
ジャケの5人はトップレス(風?)。謎オブジェで胸を隠しているから大丈夫!

ギリギリシングルディスコグラフィおさらい

1.ホノルル・ルビー(1992)
2.キスミー・トーキョー(1993)
3.あなたの事ですずしい渚(1993)
4.プリティ ウルフ(1993)
5.HOW TO KISS(1994)
6.SUGARな予感(1995)

持ってないのはあと一枚。こうなるともう、定価までなら出しちゃいそうで辛い。

「楽園ホテルに夜がくる」 藤野明美 1990年

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藤野明美の唯一のシングル。アルバムは存在しない。

?楽園ホテルに夜がくる
作詞:戸沢暢美、作曲・編曲:沖山優司
アゲアゲのダンスナンバー。どう考えてもマイナー作なのに、なんだかメジャー感が漂う。イントロの能天気な感じが「ポンポコリン」的だから?ちょいダークなAメロから、グイグイ緊張感を高めるB、ひたすらアッパーなサビへ。バスタブからジャングルが見える「楽園ホテル」を舞台に、ひと夜のアバンチュールを求める男女のかけひきを描く。「あぶないから おもしろいの 楽園ホテル スリルね」と、どこまでも享楽的な世界観がバブリーなあの頃を思い出させる。藤野さんは決して上手くはないが、声もかわいいし、一生懸命歌っていて好感が持てる。Aメロの最後の「わ」をため息のように処理するところ、いかにも不慣れな雰囲気で萌え。コミカルなサウンドを上手く織り交ぜて、エキゾチックなムードを醸し出すアレンジもいい。元ジューシィ・フルーツ、当時ビブラストーン沖山優司のイイ仕事。

?スイート・ハート・アイランド
作詞:戸沢暢美、作曲・編曲:沖山優司
しっとり系レゲエ。いわゆるラヴァーズ・ロックってやつだな。「南の島」「密林」なんてワードが出てきて?と共通する部分もあるけど、こちらの男女はステディな関係のようだ。

?楽園ホテルに夜がくる(楽園MIX)
カラオケではなく、?のリミックス。?より1分以上長い、5分43秒。

定価930円、中古で100円。
ジャケの藤野さんはキュートなルックスだし、内容もなかなかの力作なのにこれ一枚でキャリアが終わってしまったのは何かあったのだろうか?

ちなみにググると出てくる「オリザ」の藤野明美さんは、同名異人と思われる。

「Runaway Emotion」 ベイキャニオンズ 1997年

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Bay Canyons are; 磯辺りえ、一木シイナ、山内えりか、原田ゆうか、高田里名、田中沙斗子、国分佐智子、北川恵麻

フジテレビ系深夜のバラエティ番組「dai ba:ba」に出演していたグラビアアイドル8人組、ベイキャニオンズ唯一のCD。フジなのにポニキャンではなく、avexからのリリース。

?Runaway Emotion
作詞:森浩美、作曲:Joey Carbone、編曲:星野靖彦
親日家、ジョーイ・カーボーンによるユーロビート作品。全体としてはパラパラが似合いそうなハッピーで軽いノリが特徴だが、繰り返しで半音下がるサビが、ちょっと不穏な印象で妙に耳に残る。ベイキャンさんたちの力強い地声ユニゾンは、テレ東深夜枠に安住したギリギリガールズとは対照的に、ある種の迫力がある。まだまだこのままじゃ終わらないわよ的な。

?close to you
作詞:森浩美、作曲:Joey Carbone、編曲:上野圭市
こちらは一転、ダークで攻撃的なイメージで。ジョーイと上野圭市ってことで、MAXぽく仕上がってる。

??のカラオケ

定価1020円、中古で100円。
平等にスペース8分割。皆さん、野心的ないい表情してる。

メンバーの中で最もメジャーになったのは国分佐智子か(ジャケ下段左端)。このあとワンギャルを経て、昼ドラ主演など女優活動を行い、現在は林家三平夫人。「いっ平の奥さん」のほうが分かりやすいか。

これまたエイベックス所属のグラビアアイドルユニットVENUS(原田ゆうかと田中沙斗子が共通メンバー)が、シングル「恋のバカンス」(1999)のカップリングで「Runaway Emotion」と「close to you」をカヴァーしているようだ。2曲ともって。ま、見つけたら買うことになるのだろうけど…

森高千里40

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8月8日に(8?の日だから?)12?CD3枚組のシングル・コンプリート・コレクションをリリースした、8?クイーン森高千里デビュー25周年記念企画。

デビューシングル「NEW SEASON」と2nd「オーバーヒート・ナイト」は1987年作品のため、発売時はアナログのみ。この2曲をカップリングした8?CD(画像左上)は3rd「GET SMILE」の1カ月後、1988年3月25日にリリースされた。その後、短冊時代の終わり1999年までに計40作のシングルを残し、結婚。上記理由で8?短冊としては39枚だが、ここに並べたのは40枚。あと一枚は?画像右下Chappie名義の「七夕の夜、君に逢いたい」(1999)。短冊好きの心をくすぐる白黒2枚組の黒盤は、一応覆面シンガーってことになってるけど誰が聴いても森高さんのお声。

超メジャーアーティストなので、手軽に集めやすい8?短冊たち。とはいえ初期のは少々レアで、「NEW SEASON/オーバーヒート・ナイト」は確か700円だった。でもほとんどが100円以下、10円レベルも多かったのでトータルで3000円前後のはず。今まで13枚紹介している。興味のある方は、カテゴリー「森高コネクション」でご確認を。

これで正規盤8?短冊はコンプリート。

あと非正規盤(非売品)短冊8?「マイ・アニバーサリー」(日本生命CMソング)が存在するが、持ってない。
非短冊=ジャケがマキシサイズの8?「ロマンティック」(1988)は5曲入りミニアルバム扱い。写真に入れようかと思ったが、バランスが悪くなるのでやめた。

YouTube公式チャンネルで、200曲セルフカヴァー企画が進行中!
その中から一曲「七夕の夜、君に逢いたい」。


それでは、ちょっと旅にでます。アディオス〜

「夏色の天使」 小川範子 1989年

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小川範子の6thシングル。自身が主演した同名ドラマの主題歌。

?夏色の天使 TBS系TV 花王・愛の劇場「夏色の天使」主題歌
作詞:川村真澄、作曲:井上ヨシマサ、編曲:米光亮
キラキラしたイントロから、サビを予告する「♪勇気をください 夏色の天使」のコーラス。どこか初期聖子の作品を思わせる、アイドルポップスど真ん中のメロディ&アレンジが眩しい。年齢(当時15歳)にしては大人っぽすぎる歌唱は、当時相当に異色だったように思う。歌が上手い、というのとはちょっと違う(下手じゃないけど)。声の起伏が制御されすぎててちょっと怖いくらい。影のある役が似合う小川さんにはこの歌詞の主人公はやや純情すぎるようだが、そこは演技力でねじ伏せる。子役人生の苦労がしのばれる、滲み出る貫禄を楽しもう。

?そのとき
作詞:川村真澄、作曲:吉実明宏、編曲:米光亮
ウェットでドラマチックなニューミュージック調の楽曲。堂々とした歌っぷりに女優魂を感じる。

定価1000円、中古で315円
丸襟、フリル付きの白い半袖シャツで思いっきり純情系にまとめた。

関連小川範子
こわれる

「難破船」 加藤登紀子 1984年、中森明菜 1987年

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明菜のダークサイドを代表する名曲は、作者加藤登紀子による指名カヴァー。

霊感商法チックなカヴァーの経緯とか、楽曲についての考察とか、当時の明菜が置かれていた状況とか、つまりだいたいすべての事は「まこりんのわがままなご意見」の記事を読んでもらえば分かる。これぞ、お金のとれる文章!いや、もう付け足すことなんて何もない。じゃあ何を書くかって?8?のことだよっ!

では、左、加藤登紀子盤から。

「CDミニアルバム・ベスト4」と題された4曲入り8?ベストシリーズの一枚で、1989年リリース。今まで紹介した中では欧陽菲菲が同じシリーズ。

?百万本のバラ
作詞:A. Voznesenskij、訳詞:加藤登紀子、作曲:R. Pauris、編曲:川村栄二
元ははラトビアで1981年に作られ、1982年にロシア語版が大ヒット。加藤登紀子は1987年にシングルとしてこの日本語版をリリースし、これまた大ヒット。加藤登紀子の代表曲のひとつとなった。Busta Rhymes featuring Janet Jacksonの「What's It Gonna Be?!」(1999)のジャネットのパートはこの曲からインスパイアされているんじゃないかなあ。久々にビデオみたけど、やっぱり名作!

?愛のくらし
作詞:加藤登紀子、作曲:T. Children, A. Hause、編曲:小野崎孝輔
いきなり遡って1971年のシングル。外国の方々(ドイツ人)による曲を70年代らしくウエットなストリングスをたっぷりのアレンジで。

?難破船
作詞・作曲:加藤登紀子、編曲:白井良明、ストリングス・アレンジ:武川雅寛
でたよ、湾岸モノ。鈴木慶一以外の5人が係わったアルバム『最後のダンスパーティー』(1984)収録曲。本家加藤は、この曲をシングルカットしてない。クジラ(武川雅寛)さんはこのアルバムが縁でツアーメンバーになったのかな?1995年のツアーでのハイジャック事件はライダーズファンには有名。厚めのストリングスのイントロに導かれ、歌いはじめる加藤登紀子の凍てつく声に圧倒される。荘厳でドラマチックなアレンジは、ライダーズ色は薄め。奇を衒わず、曲の力をストレートに押し出すことに成功している。改めて、傑作。ところでアルバム未聴なのだが、もしかしてCD化されてないの?教授関連2作は再発されてるのに…

?歌いつづけて
作詞:J. Barnel、訳詞:加藤登紀子、作曲:M. Jouveaux、編曲:吉田健
アルバム『My Story』(1987)収録。このアルバムには?も入っている。オリジナルはダリダ「Mourir sur scène」、1983年。打ち込みアレンジはほぼオリジナルを踏襲している。

定価1399円、中古で100円。
おトキさん、バラ化。


右、中森明菜の19thシングル。

?難破船
作詞・作曲:加藤登紀子、編曲:若草恵
名作の名カヴァーと言ってしまえば簡単だけど、この鬼気迫る情念は、当時も今もエンターテインメントとして消費するには重すぎる。おトキさんのようにちょっと突き放した感じで歌うほうが曲には合うような気がするが、ここでの明菜のギリギリ感、歌の世界への制御不能のシンクロ率はやはりただ事ではない。エコー深めの声で「つむじ風に身をまかせて あなたを海に沈めたい」なんて歌われたら、もう気分は冥界。

?恋路
作詞:来生えつこ、作曲:林哲司、編曲:萩田光雄
悪くないけど、?の超ド級の迫力の前には分が悪い。

定価1000円、中古で50円。
この8cmは1988年の再発盤。1998年に難破船のライヴ・ヴァージョンを追加したマキシシングルが出ているようだ。



「アンダルシアに憧れて」 真島昌利、近藤真彦 1989年

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真島昌利のソロデビューシングルと、直後にリリースされた近藤真彦によるカヴァー。

左、真島盤。

?アンダルシアに憧れて 
作詞・作曲・編曲:真島昌利
マーシーがブルーハーツ以前に在籍していたTHE BREAKERSのレパートリー。ガットギターに宮野弘紀、ドラムは元エコーズの今川勉、ピアノはブルーハーツのサポートメンバーだった白井幹夫、印象的なバイオリンは金子飛鳥、そして元THE BREAKERSからもうひとり、篠原太郎がベース。パンキッシュでガッツのある演奏に、ジプシーテイストを加えて。Aメロの七五調歌詞が、カッチリはまって妙に気持ちいい。マーシーのぶっきらぼう唱法は、C級映画のようなヤクザ者の悲哀にフィットするなあ。
主人公の敵役として登場する「スタッガーリー」についての情報を発見。「アンダルシアに憧れて」を検証する [スタッガーリーて誰や編] なるほど、Stagger Leeって実在の人物がいたのか。名前借りただけのようではあるが。
 
?ドクターペッパーの夢
作詞・作曲・編曲:真島昌利
アコギ弾き語り+バイオリンのシンプルな編成でじっくり聴かせる8分10秒の大作。どうでもいいけど私はドクターペッパー好き。それを表明すると、いつも周りから「え〜っ!」という反応が返ってくるのはなぜなのだ。おいしいのに。

定価800円、中古で200円。
ジャケは「地下の酒場のカルメン」をイメージした人形。


右、近藤盤。マッチの30thシングル。

?アンダルシアに憧れて 
作詞・作曲:真島昌利、編曲:白井良明
イントロ30秒は良明さんによるスパニッシュギターソロ、オリジナルよりスローな歌いだしのバックもギターのみで、じっくりドラマチックに。「♪受話器の向こうがわでボス〜」の部分からカスタネットが加わり、リズムが強調される。サビで入ってくるバイオリンはマーシー盤と同じく金子飛鳥。間奏でテンポは上がり、バイオリンが風雲急を告げるといった雰囲気で緊迫感を盛り上げる。2番の頭はタンゴ風。やや盛り込み過ぎの感もあるアレンジが、芝居の舞台転換のように物語を牽引していく。ギンギラギンではあるかもしれないが、あんまりさりげなくないマッチのやんちゃ声でチンピラ度アップ。マーシーと比べても意味はない。もともと相当にぶっ飛んだ設定だけに、こっちの方向もありだろう、という説得力はあるのだ。

遠いラテン世界の物語を歌謡曲化する手法は、修二と彰「青春アミーゴ」(2005)に受け継がれている。というか「アンダルシア〜」の世界を意識して書かれたとしか考えられない。

?つのる想い 
作詞:戸沢暢美、作曲・編曲:白井良明
イントロからいかにも良明さんらしいギターが聴けるミディアムバラード。

定価800円、中古で100円。
ちょっと意外なことに、裏ジャケにはちゃんとミュージシャンクレジットあり。

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