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Channel: 失われたメディア-8cmCDシングルの世界-
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「JUMP/MISSING LOVE」 RIKACO 1990年

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村上理佳子ことリカコことRIKACOのデビューシングル。この1枚さえ持っていればRIKACOコンプリートコレクションだよ!前回の竹内さんと同じく、この8cmについてリカコオフィシャルサイト&Wikiは黙殺してる。Wikiはリカコが所属していた7人組アイドルグループ「シャワー」については記載があるのに、ソロシングルは無視って。

さあ、みんな興味はあるかな?うんうん、ないよね。でもちょっとだけ我慢して。

?JUMP
作詞:三浦晃嗣、作曲・編曲:続木徹
ZOO結成のきっかけになったことで知られる深夜のダンス番組「CLUB DADA」でMCを務めていた頃の村上さんは、疑いなくファッションリーダーだった。個人的にはほとんど関係なかった「バブル時代」の香りを、ブラウン管をとおして教えてくれたのはRIKACOだったのかもしれない。そんなリカコが歌うのは、もちろんバリバリのダンスもの。思わせぶりなイントロに続くビートとシンセの響きは、はっきりミネアポリスサウンドフォロワー。リカコの歌のズッコケ感は想定内だろ。殿下というよりはザ・タイム寄りで、サビはほとんど「ジャングル・ラブ」だったりする。

?MISSING LOVE
作詞:西尾尚子、作曲:山田直毅、編曲:難波正司
基本的には?と同じくファンクビートに絡むシンセがミネアポリス系。?より微妙にアンニュイで歌謡曲テイストあり。2曲ともバックトラックは力が入っていて、当時のリカコの勢いを感じさせる。

定価800円、中古で50円。
本人も歌に向いてないことに気付いたんだろうね。この一枚で音楽活動を終了したのは賢明。

「月の媚薬」 梨花 1993年

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梨花、19歳のデビューシングル。1995年に2ndシングルをリリースした後、音楽活動は休止し、モデル&バラエティタレント業に専念。10年以上の沈黙を破って「Rinka」として2006年再デビューを果たした。2007年にももう一枚(たぶん最後の)シングルをリリースしている。15年かけてシングル4枚って、稀に見る超スローペース。アルバムはまだ存在しない。『梨花/Rinkaコンプリートコレクション』が出るのは5年後くらいかな。

?月の媚薬
作詞・作曲:西脇唯、編曲:内藤慎也
イントロでサックスが鳴るとAOR感でるな。ダンサブルなビートに厚めのシンセがちょっとうるさいけど、全体としてはミステリアスな雰囲気を醸し出すことに成功している。梨花の歌唱はたいして上手くはないが、「謎の美人シンガー」としては及第点。バラエティ番組で品のない叫び声を上げているタレントさんと同一人物とは思えぬ、素直でクリアなヴォーカルを聴かせる。キャッチーなサビは、バブル期の深夜に流れていたジュエリーのCMとか似合いそう。

?ふたりの森へ帰りたい
作詞:橋本晶子、作曲・編曲:内藤慎也
こっちもサックスソロから始まるイントロが夜のムード。歌は?に比べ湿度低めの清純派アイドルぽい雰囲気で、また違った味わい。

定価930円、中古で315円。
アルカイックな微笑を湛え、ピアノに肘をつく梨花の美少女時代。メイクやファッションは極端にシンプルで、ミュージシャンとして売ったろう!という事務所の気合いを感じなくもない。

「東京LOVE」 黒幕&愛人 2001年

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黒幕&愛人 are; 黒田幕太郎(内村光良)、愛田人子(藤崎奈々子)

最近の中ではレア度低め。ていうかAmazon1円レベルの非レア盤。一回も見た記憶のない「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」という人気番組の企画モノ。

?東京LOVE
作詞:黒田幕太郎、作曲:蘭一二三、編曲:竜崎孝路
メジャーとは思えぬ、びっくりするくらいチープなサウンドのラテン系ムード歌謡。普通に歌えている内村光良と、がんばってもこんなもの!?と軽く驚く藤崎奈々子の素っ頓狂な歌唱によるデュエットで。藤崎さんのキャラ的には妙に上手かったりするとがっかりなので、この歌唱レベルはある意味正解だろう。もちろんこれが藤崎さん唯一の録音物であり、今後も増えるはずがない。どうでもいいけど山口もえ(同い年)とキャラがかぶりすぎてないか?と思って検索してみると、非常にありふれた意見だったので寂しかった。

?カラオケ

定価500円、レンタル落ち50円。
この定価でもちょっとどうかな、と思う。

「キスミー・トーキョー」 ギリギリガールズ 1993年

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当ブログ3度目の登場、ギリギリガールズの2ndシングル。

?キスミー・トーキョー テレビ東京系「平成女学園」テーマ・ソング・「ギルガメッシュないと」挿入歌
作詞:売野雅勇、作曲:鈴木キサブロー、編曲:岩本正樹
名作デビューシングル「ホノルル・ルビー」と同じソングライトチームによる第二弾。あまりにもそのまんまなデビュー曲路線てことは、「ホノルル・ルビー」は結構成功したの?一曲目のが好きだけど、二匹目としてはまずまずのクオリティ。夢のダブルタイアップ(テレ東深夜限定)もゲット!あ、隠れた桜ソングでもある。

?MR.クレッセントムーン
作詞:田久保真見、作曲:金田一郎、編曲:岩本正樹
涼しげで軽やかなビート、適度にファンキーな味付けもある、ライトなシティポップス。?が「攻め」なら、こちらは「受け」。これが意外とギリギリの皆さんのキャラ(イケイケのようでじつは控えめっぽい?)にマッチしていて悪くない。

??のカラオケ

定価930円、中古で100円。
2曲ともGiri Giri☆GIRLS唯一のミニアルバム『KISS ME』(1993)に収録されている。
裏はメンバーひとりひとりの写真に名前がふってあって、初心者にも配慮のある作り。

「東京は夜の7時」 ピチカート・ファイヴ 1993年

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ピチカート・ファイヴの6thシングル。
「the night is still young」は英語タイトルってことでいいのかな?

?東京は夜の7時 フジTVウゴウゴルーガ2号オープニングのうた
作詞・作曲:小西康陽、編曲:福富幸宏
おなじみのナレーション「A NEW STEREOPHONIC SOUND SPECTACULAR」をペタ。1993年と言えばダブルKOが揃ってソロデビューし、ORIGINAL LOVEは「接吻」をヒットさせ、ピチカート・ファイヴは「スウィート・ソウル・レビュー」で一気にメジャー化。いわゆる「渋谷系」元年とされている。「スウィート〜」の次のシングルとしてリリースされた本作は、アッパーでキャッチー、それでいて(それだからこそ?)空虚なお祭り騒ぎとその裏の孤独が意識された、小西さんの真骨頂といえる出来栄え。「待ち合わせたレストランは もうつぶれてなかった」シンプルなフレーズで、時代の空気を濡れ手に粟のごとく捕えまくってる。サビの「イェーx3 フーッ!」はブラウン・シュガーからの引用ね。渋谷系アンセムといえば、これか「ブギーバック」かどっちかでしょ。
この曲のPVはAnouk AiméeとGuido Anselmi(8½でマルチェロが演じたフェリーニの分身)に捧げられている。アヌーク・エーメが役名でないのは、野宮さんのファッションが「8½」よりは「ローラ」のイメージだからだろう。
ミニアルバム『ウゴウゴ・ルーガのピチカート・ファイヴ』(1994)収録のヴァージョンでは、ウゴウゴとルーガがコーラスで参加している。ちょっと前まで野宮さんは夜の7時になると「東京は夜の七時♫」ツイートしてた。

?東京は夜の七時 (talking toolbox mix)
リミックス:福富幸宏
8分超のリミックス。全体を支配するのはクールなキーボードの響き。野宮さんの声との相性よし。

??のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
シンプル&スタイリッシュ。金文字の7:00pm/tokyoも効いてる。信藤三雄の傑作短冊デザインのひとつ。

「ブルーライト・ヨコハマ」 種ともこ 1991年

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種ともこの12thシングルは、小西康陽によるオーバープロデュースの見本のような作品。

?ブルーライト・ヨコハマ
作詞:橋本淳、作曲:筒美京平、編曲:種ともこ・小西康陽
casting starring: tomoko tane / screen play by yasuharu konishi / poetry reading by maki nomiya
オリジナルはいしだあゆみ、1968年。いしだあゆみ最大のヒットであり、筒美京平の代表作のひとつ。
ジャジーでラウンジーなピアノが響く導入部から、アンビエントなイントロ+波の音のSEをバックに野宮真貴が語り出す。「日曜の夜遅く 私たちふたりは 中華料理のレストランで ご飯を食べた」野宮さんの声とクールなバックトラックが溶け合う快感。続いて「エビのシュウマイと お茶と 椎茸と豆腐 牛肉と野菜炒め フカヒレのおそば そして最後にタピオカを注文した」とメニューが淡々と並べられる部分がどうにもエロいのだ。さすが小西さん、分かってらっしゃる。
種さんが「♪街の灯りが〜」と歌い出すのは2分30秒あたり。緻密なひとりコーラスを重ねている種ともこの個性が活かされているかといえば、そうでもない。小西さんの京平好きは有名だが、このカヴァーから楽曲に対する愛を感じとるのは難しい。いや、もちろん大好きなのだろう。むしろ「好き」を超えた作品だからこそガチンコ対決は避け、ピチカートに加入したばかりの野宮真貴という武器をナレーションで使う変化球勝負に出たのではないか。全体で8分超の長尺で、結局印象に残るのは野宮さんの声(おそらく小西さんの狙いどおり)。上記のクレジットとは逆に、野宮さんが主演女優で、種さんの歌はBGMか映画のエンドロールのように聴こえてしまう。

?NAKED WOMAN
作詞・作曲・編曲:種ともこ
こちらはSSW種さんの本領発揮。?からの流れはあんまりよくないな。

定価800円、中古で315円。
チャイナドレスできめた種ともこ。遠景に見えるは、もちろん横浜マリンタワー。

「横浜DAYBREAK」 柴田恭兵 1989年

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柴田恭兵の11thシングル。8?はたぶん3枚目。2曲とも自身の主演作の主題歌。

?横浜DAYBREAK 日本テレビ系ドラマ「勝手にしやがれヘイ!ブラザー」主題歌
作詞:山川啓介、作曲:川上明彦、編曲:佐藤準
ピッチ怪しめ、雰囲気で押し切るニュアンス系。その歌唱力で、主題歌アリっすか…が、人気俳優の証。水谷豊、舘ひろしと並ぶ「日本三大歌う刑事」認定!とはいえ、この三人だと舘さんの破壊力が突出しすぎててバランス悪いか。曲はミドルテンポでムーディーに。目を閉じ、額にしわを寄せて歌う恭兵が見えるよう。ドラマ見たことないけど「あぶない刑事」の番外編的な作品(非刑事編)で、仲村トオルも出てたらしい。

?AGAIN 東映映画「べっぴんの町」主題歌
作詞:山川啓介、作曲:深町栄、編曲:瀬尾一三
うーん、バラードやるか。シャラララ〜のサビが耳に残るしっとり系。まあ、何歌っても一貫した恭兵節で、ある意味安定感あり。

定価937円、レンタル落ち50円。
上目遣いで斜めから入る恭兵。でかめのスーツ、両手はもちろんポケットに。

「伊勢佐木町ブルース」 青江三奈 1968年

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青江三奈のデビュー曲と代表曲の豪華カップリング。1998年に8?化。

?恍惚のブルース 1966年
作詞:川内康範、作曲:浜口庫之助、編曲:寺岡真三
イントロのもっさりしたストリングス+ブブワ〜とかますサックスがどうにも郷愁を誘う昭和ムード歌謡。ハマクラの骨太のメロディ炸裂!「♪あとはおぼろ あとはおぼろ」の繰り返しにグッとくる。

?伊勢佐木町ブルース 1968年
作詞:川内康範、作曲:鈴木庸一、編曲:竹村次郎
「♪ちゃらっちゃちゃらららっちゃらー」のイントロから裏拍で「ア〜ッ ア〜ッ」と吐息を入れてくる冒頭部分は、昭和のお色気サウンドとして超有名。これと「タブー」(加藤茶の「ちょっとだけよ」BGM)は、こども時代に「淫靡な大人の世界のイメージ」としてしっかり植えつけられてしまった。だから甘酸っぱい性への目覚めと、照れ隠しのニヤニヤ笑いとがどうしたってセットになって思い出される。考えてみたらこの冒頭部以外はあんまりちゃんと聴いた記憶がなかった。改めて聴いてみよう。「あなた知ってる 港ヨコハマ」とムーディーに迫る三奈のセクシーボイス。期待を裏切らない歌唱だな。サビの「ドゥビドゥバー」フェイクでジャジーな味付けもあり。結局日本歌謡界における「ブルース」って何なんだろう?教えて、服部先生。

??カラオケ
60年代物の再発では当然の、非オリジナルカラオケ(おそらく新録)。

定価1121円、中古で420円。
推定20代後半の青江三奈。物憂げな表情、半開きの唇。私が知ってる中年以降のお顔とずいぶん違う気がするが…ま、いろいろがんばったんだろう。

「鎌倉物語」 サザンオールスターズ 1989年

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サザンオールスターズの26thシングル。

?さよならベイビー
作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ・門倉聡
この大メジャーバンドがオリコンで初の1位を獲得したのはこの曲だった。ってことはエリーもチャコも1位になってなかったんだ、と軽く驚く。AOR路線のしっとりバラードで、地味と言えば地味だけど、サビのキャッチーさはさすがのメジャー感。バンドらしさ満載の「みんなのうた」で復帰したサザンが、続く「女神達への情歌」「さよならベイビー」で門倉聡を起用し、全然バンドらしくないサウンドへシフトしたのは、いろいろ迷っていたのかな。
ところでイントロのフレーズがキリンジ「愛のCoda」(2003)のイントロとほとんど一緒なのだけど、元ネタがあるのだろうか?ちょっと調べてみたらYahoo知恵袋で「I say a little prayer」(のAメロ)と答えてる人がいて、質問主は納得している。が、私は納得できない。

?鎌倉物語 (LIVE IN YOKOHAMA STADIUM)
作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ
この時点ではまだ最新アルバムだった『KAMAKURA』(1985)収録曲のライブ音源。1988年の復活ツアーから。原由子のヴォーカル曲で、アルバムでは一枚目のB面ラストに入っていた。桑田さんのソングライターとしてのセンスを感じさせるご当地ソングの名作。レコードを2枚目に換える前のワンブレイク。これ聴いてほっとして、怒涛の後半戦に備えましょうかって位置づけだな。じつはあの2枚組の核になる曲なのかもしれない。タイトルトラックと言ってもいいわけだし。原由子の安定した歌声は、ほとんどスタジオテイクと変わらない。

定価937円、中古で50円。
サボテンにサングラスって…購入意欲を削ぐようなジャケットだけど、オリコン1位なんだから仕方ない。

「六本木心中」 アン・ルイス 1984年

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アン・ルイスの代表作となった25thシングル。

左は1993年にリリースされた短冊8?。オリジナルカラオケ収録。

?六本木心中
作詞:湯川れい子、作曲:NOBODY、編曲:伊藤銀次
ハードロックあるいはプログレでは常套手段とも言えるバロック調の鍵盤+仰々しいギターのイントロが25秒。アンちゃんの「one, two, three, four!」のカウントから、あのギターリフがかき鳴らされる。湯川れい子の歌詞が曲に負けじと突っ走っていていい。冒頭「♪だけど こころなんて」と、まさかの逆説接続詞始まりで、聴き手の関心をぐいっとたぐり寄せる。年下の男との恋愛に絡めて描くのは、わりとステレオタイプな「都会の孤独感」。改めて聴いて、80'sらしいテクノ〜ニューウェーブなリズム隊の疾走感、遠慮のないギター&アンちゃんのドスの効いた歌唱はやっぱり歌謡ロックの最高峰。

?IN PLEASURE
作詞:柴山俊之、作曲・編曲:伊藤銀次
こちらもアレンジの主役はハードロック系ギターリフ。マイケル「ビート・イット」の影響が伺える。つまり、エディ・ヴァン・ヘイレンっぽい。

??カラオケ
私の世代にとってはカラオケの超定番曲のひとつ(自分で歌ったことはないけど)。オリジナルカラオケが聴けるのはこの8?だけ?

定価1000円、中古200円。
色あせて見えるが、もともとこんな荒い粒子の写真でイメージはキューブリック「ロリータ」か。それじゃ内容にそぐわないけど。


右はおなじみタイムスリップグリコ。ひょっとしてイントロカットしてない?とか期待したけど同じヴァージョンだった。当然か。一曲入り。

関連アンルイス
恋のブギ・ウギ・トレイン

関連心中モノ
新宿心中」 原田芳雄 もしやアンサーソング?

「銀座カンカン娘」 高峰秀子 1949年

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佐伯孝夫・服部良一コンビの1949年のヒット曲をカップリングした、1998年リリースの8cm。??はモノラル。

?銀座カンカン娘 高峰秀子 1949年
作詞:佐伯孝夫、作曲・編曲:服部良一
昭和でいえば24年。戦後復興期のヒット曲。ビッグバンドのゆったりスウィンギーな演奏がなんとも豊かな響き。25歳の高峰秀子の線の細い声は、いかにも昭和初期。録音のせいなのか、この頃の日本人の発声法なのか、映画やニュース映像でもみんなこんな声のような気がする。「♪これーがーぎーんざーのーかーんかんむすめー」のサビは、秀子の独唱のあと、まったく同じフレーズを混声コーラスで重ねてくる。これがまた効果的で、War Is Overなユートピア感がたまらんなあ。
カンカン娘の「カンカン」は(深く考えたことは一度もなかったが)なんとなくフレンチカンカンからきてるのかと思ってた。じつは「カンカンに怒っている」という意味らしい。ふうん。でも冒頭「あの娘可愛いや カンカン娘」だもんな。怒ってるとは知らなんだ。3番の歌詞は「指をさされて カンカン娘 ちょいと啖呵も 切りたくなるわ」。なるほど、怒っている。

?三味線ブギウギ 市丸 1949年
作詞:佐伯孝夫、作曲・編曲:服部良一
芸者歌手として戦前から活躍していた市丸が、40代で放ったヒット曲。服部先生(ひとつ年下)に自ら依頼して書いてもらったらしい。ブギのリズムを三味線で刻むアレンジ、どこかで似たようなものを聴いた気がする…としばし考えたら答えがでた。「スリラー音頭〜ビート・イット音頭」(1984)だ!(大瀧詠一プロデュース、歌は片岡鶴太郎)てことはこの曲、服部良一と大瀧詠一をつなぐジャパニーズポップスのメインストリーム?

??カラオケ
編曲:西崎進
非オリジナルカラオケ。ステレオで新録。コーラスはなかなか昭和っぽさが出ているが、全体としては音像がクリアすぎて、オリジナルとはイメージはかなり異なる。

定価1121円、中古で100円。
ジャケは高峰秀子。もちろん裏は市丸さん。

「Tokyo」 井上陽水 1991年

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井上陽水のたぶん31stシングル。

?Tokyo サントリーローヤルCFイメージソング
作詞:井上陽水、作曲:井上陽水・平井夏美、編曲:井上鑑
言われて気付く、「ティル・ゼア・ワズ・ユー」バリエーション。自ら「安易系の曲」とか言ってるし。ラテンムードなイントロから「♪銀座へ はとバスが走る」のつかみで一気にドリーミー。ゆったり滑るようなラグジュアリー感は、ウイスキーのCMにぴったり。その後も新宿、渋谷、青山、赤坂、浅草と、まさに「はとバスソング」と言いたくなる地名満載の歌詞は、ほとんど何も言ってない。それでもこの声で歌われると、曲として成立してしまう陽水マジックが楽しめる。というより、陽水の声を活かすにはあんまり意味がないほうがいいってことが分かる作品だな。

?夢の背中
作詞:野田秀樹、作曲:井上陽水
野田秀樹書き下ろしの歌詞はそれほどよくないけど、リアルタイムで最もよく聴いたアルバム『バレリーナ』(1983)に近い不穏な空気を感じる。このひんやり感は陽水にしか出せない。なぜかこちらには編曲のクレジットなし。

定価930円、中古で100円。
ジャケが2種類?いやいやじつはこういう仕掛け。

「春にして君を想う」 小沢健二 1998年

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2005年からダラダラ続けてきた、小沢健二8?シングルクロニクル全18枚の最終回。まさか7年もかかるとは思わなかった。最後なので18枚並べて記念撮影。3分の2はレンタル落ちだな。

もう一ヶ月以上たったけど、4月4日“東京の街が奏でる”第7夜の話。

小沢健二のコンサートははじめて。全盛期は自分が忙しすぎてライブどころではなかったし、ひふみよはチケット争奪戦に敗れた。今回も厳しいかと思って応募したら、当たったよ第7夜。

結局一度も見ることが叶わなかったフリッパーズ解散から、「天気読み」(1993)発売までの空白期間、一度だけ小沢を見た。神戸で行われたDJイベント。「バースデイボーイ」(1992)はもうリリースされていたっけ?もう記憶があやふや。当時住んでいた広島から小沢見たさに神戸まで行ったのだ。本当にレコードかけただけだった。それでもいいやと思えるくらい、当時の私にとってフリッパーズ不在の穴は巨大だった。

あれから20年。はじめて歌う小沢を生で見た。

初台オペラシティ。どう見ても同世代が集まってきてる。たまにちょっと若い人もいるが、やや居心地悪そう?男女比では、圧倒的に女性優位。グッズ売り場の熱気も半端ない。

オペラシティは基本的にはクラシック音楽のためのホールで、めったにポピュラー系のコンサートが開かれることはない。小沢が12夜も押さえられたのは特別待遇?征爾の御威光?

場所も考えてか、先にアレンジ構想があったのかは知らないが、バンドはドラムレスの編成でほぼアンプラグド。小沢(ギター)、中村キタロー(ベース)、真城めぐみ(コーラス)に加え、4ストリングス(すべて女性)。

たくさんのメトロノームがバラバラなリズムを刻む。黒子がメトロノームをひとつずつ止めていき、暗闇の中響いたオープニングは「いちょう並木のセレナーデ (reprise) 」。アルバム『LIFE』で実際に使用されたオルゴールを持ってきて演奏したとのこと。オルゴールのハンドルを回していたのは原田郁子。原田さんがオープニングモノローグを語り終え、いよいよ小沢の登場!

一曲目はこのライブのテーマ曲「東京の街が奏でる」。力強かった。思ったよりガシガシ弾くギター。声も骨太で、迫力があった。フリッパーズでの「線の細いコーラス担当の人」の面影はない(いつの話だ)。

ライブは1994年のアルバム『LIFE』全曲とその頃のシングルを中心に。曲名だけ眺めると懐古的に過ぎるのでは?と思うし、それは否定できない面はあるけど、これはもう全面的にどっぷりと楽しかった。ドラムレス&弦楽四重奏入りのサウンドは、最近の私の音楽志向にもフィットしていて、新鮮かつすんなり入ってきたな。

セットリスト

00.いちょう並木のセレナーデ (reprise)
オープニングモノローグ:原田郁子(クラムボン)
01.東京の街が奏でる(新曲)
02.さよならなんて云えないよ
03.ドアをノックするのは誰だ?
04.いちょう並木のセレナーデ
05.今夜はブギー・バック/あの大きな心
モノローグ
06.あらし
07.いちごが染まる
08.それはちょっと
モノローグ
09.天使たちのシーン
10.おやすみなさい、仔猫ちゃん!
11.夜と日時計
モノローグ
12.東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー
13.僕らが旅に出る理由
14.強い気持ち・強い愛
15.春にして君を想う
モノローグ
16.暗闇から手を伸ばせ
17.愛し愛されて生きるのさ
18.ラブリー
19.ある光
20.神秘的(新曲)
ENC
21.僕らが旅に出る理由(with 原田郁子)
22.東京の街が奏でる(新曲)

12回公演のうち「夜と日時計」が演奏されたのはこの日を含めて3日だけ。あとの日は代わりに「Back To Back」をやったらしい。選べるのならどう考えても「夜と日時計」なので、勝った気がする。

ブギーバックはメロディパートを会場に歌わせ、小沢はラップ!「オレ、スチャアニ」って!

ちょいちょい入るモノローグ、またはよく練られた小話。輪廻オチの話、かなり笑った。

この日の15曲目に、現時点での最新シングルが!(あれ、最新は配信の「ショッカショ節」になるのか?)




小沢健二の18thシングル。

?春にして君を想う
作詞・作曲:小沢健二、編曲:渋谷毅
淡々と刻まれるドラムに、漂うように管楽器が歌うイントロ。名画のエンディングあるいは明るめの葬送曲といった趣き。前作「ある光」でひとつの到達をみた小沢ソロワークスの幕引きに相応しすぎる作品。私の中では、立花ハジメ「THERE'S NO DISAPPOINTMENT IN JESUS」と共通する「透明な哀しみ」を感じさせる名曲だ。タイトルは1991年のアイスランド映画の邦題から引用。最近はじめて見たけど、「老い」をテーマにした名作だった。小沢の詞が、この映画を意識しているのは間違いない。
アレンジに小沢の名前が入っていないのは極めてレア。「渋谷毅オーケストラ」としてクレジットされているのは、フルート、サックス×3、トロンボーンに加え、ベースはおなじみ川端民生、ドラムに(昨年亡くなられた)古澤良治郎、ピアノはもちろん渋谷毅、そしてギターは石渡明廣。小沢は弾いてないようだな。

ライブの中盤、まさか聴けるとは思っていなかったこの曲が演奏された。CDではアレンジの中核と言っていいドラムとホーン抜きで、代わりにストリングスが活躍。生歌も素晴らしかった。

?カラオケ

?ある光(シークレットトラック)
ここにこれを収録したってことは、ここでひと区切りと決めていたとしか考えられない。
ライブ終盤に、この曲もやってくれた。もう思い残すことはない、と会場で思った。

定価714円、レンタル落ち100円。
ジャケのアーティスト名表記は「K=nj(I)*03aWA」。写真のクレジットは「HRMX 101(PhotoDroid)」。ん〜メカヒロミックスみたいなこと?「dedication・my parents&STO」の記載あり。STOって…ああ、渋谷毅オーケストラのことね。

アンコールでは、原田郁子を呼び込んでこの日2回目の「僕らが旅に出る理由」。原田さんが遠慮してあんまり歌ってくれなかったのが残念。

三時間半、もうお腹いっぱいのライブだった。この二日後の聖金曜日、同じ会場でBCJのマタイ受難曲を聴いた。こちらも休憩込みで3時間半!


昨年末のムーンライダーズ無期限活動休止前ライブにつづき、自分の中のポップミュージックのサイクルが一周した感あり。8?は買ってるけど、最近聴いてるのはほとんどいわゆるクラシックだしなあ。ポップス好きとしての現役感なさすぎ。

今最も興味のあるジャンルはルネサンス音楽(実践も)。バッハからさらに200年くらい遡ってしまった。でも、すべては繋がっているんだ。


「カナディアン アコーデオン」 井上陽水 1993年

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陽水が歌う、朝ドラ主題歌。

?カナディアン アコーデオン NHK連続テレビ小説「かりん」主題歌
作詞:井上陽水、作曲:筒美京平、編曲:佐藤準
タイトルは「アコーデオン」なのに「カナデアン」ではない。完全にアコー「ディ」オンて歌ってるけどな。そんなことはどうでもいい。ぱっと聴くと朝に聴いて違和感のない爽やか系。陽水自身も言っているとおり、シンガー陽水の力量を試すかのように、京平先生のメロディは難度高い。今のところこの曲でしか実現していない、実力者同士のハイレベルの戦いを楽しもう。冬の歌だけど、どこかトロピカルなイメージのあるメロディとアレンジ。スティールパンとか入れて、夏向きの詞を乗っけてみたら絶対ハマるよ。歌は3回目のサビの「冬を奏でる カナディアン アコーデオン」の部分だけ3拍子になってエンディング。その後アコーデオンが活躍するアウトロがたっぷり2分近くある。ところでドラマはまったく一度も見た記憶がない。細川直美主演だったらしい。

?引き揚げ者の唄
作詞:井上陽水、作曲:井上陽水・平井夏美、編曲:清水信之
「Tokyo」「少年時代」と同じく、平井夏美(川原伸司)との共作。B面で思いっきり力抜くのはいつものこと。

??のカラオケ

定価1000円、レンタル落ち50円。
モザイクかけた湖の風景に、白バックの陽水の全身像を切り抜いて貼り付けてる。確かに歌詞に湖は出てくるけど…コンセプトが分からん。

「悲しみの向こうがわ」 我妻佳代 1988年

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会員番号48番、我妻佳代の4thにしてラストシングルは筒美京平作。筒美さんのおニャン子関連作はこれだけかな?

?悲しみの向こうがわ
作詞:森雪之丞、作曲:筒美京平、編曲:鷺巣詩郎
プッシュホンのSEがいつの間にかリズムに組み込まれていくイントロから、「…まだ起きてた?」と語りのように始まるAメロ。彼氏に電話かけてもなかなかつながらない、やっとつながっても部屋に別の女がいるみたい。携帯時代には成立しない残念な失恋シーンをウェット&ドラマチックに盛り上げる筒美京平の手堅い仕事。ベタなサビが昭和歌謡っぽいなあ、と思ったら昭和63年だった。間奏がプッシュホンソロ、アウトロでもプッシュ音。さすがにちょっとくどいかな。

?メロメロンの召しあがり方
作詞:森雪之丞、作曲・編曲:羽田一郎
「♪メロメロンもう少し 熟して召し上がれ」のサビが激キャッチーな、80'sらしいライトなダンスサウンド。リズムの基本はスカ。喉を絞るように高音を出すときの苦しげな発声法が、ちょっとエッチでいい感じ。こっちをA面にしたほうがよかったのでは?ライブで盛り上がりそうだけど、この曲を生で歌う機会があったのかどうか不明。ファンクラブイベントくらいはあったかな。

定価1000円、中古で100円。
後期メンバーでは圧倒的な人気だったような気がする。
秋元康の「48」へのこだわりは我妻さんからきているという噂は本当だろうか?

「タイムマシーン」 藤井フミヤ 1995年

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藤井フミヤの6thシングル。

?タイムマシーン 
作詞:藤井フミヤ、作曲:筒美京平、編曲:KUDO・辻剛
クラシックSFでおなじみのピロピロ音のSEが随所に散りばめられた、超どポップナンバー。曲の構成としては通常のA-B-Cのように見えて、Bと思われた「目と目が合った〜」のメロディがC「ねえ もう一度〜」のあとに登場するとき(「神様 お願い タイムマシーンに乗って〜」)、どう考えてもサビの華やかさになるところが見事。結局Cはブリッジで(Cも切なくて最高なんだけど)サビはBメロだったのか、と読んでるだけではさっぱり分からないことを書いてしまうくらい素晴らしい。結局全編サビかよ!的な、どこにも無駄のない、3分58秒の魔法の時間。全然好みのシンガーではないけど、フミヤのヴォーカルもいいのだ。ソロになってからの「大人のバラードシンガー」のイメージではなく、チェッカーズ初期のやんちゃな雰囲気を取り戻したかのように、ポップスターを演じきっている。加藤ひさしが歌ったらもっとハマりそうな気もするけどな。
筒美先生の1995年は、小沢健二「強い気持ち・強い愛」、鈴木蘭々「泣かないぞェ」とソウル歌謡の名作があったが、本作はこれらとまったく引けをとらない大傑作。

?Little Sky
作詞・作曲:藤井フミヤ、編曲:KUDO・辻剛
フミヤソロっていえばこんな感じ、の期待を裏切らないバラード。

??カラオケ
通常?は?、?は?のカラオケってのが多いけど、この8?では?が?、?が?のカラオケと歌入りと逆の順番。ちょっとイレギュラーな配置になっている。なんでだろ?

定価1000円、中古で100円。
SEE GEE GENのデザインによるジャケはスタイリッシュすぎて内容に合っていない。もっとキッチュな感じでもよかったと思う。そうね、少女漫画風のイラストとか。

「内気なガール・ハント」 立花理佐 1988年

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立花理佐の5thシングル。

?刹那主義 テレビ朝日系ドラマ「別れてもダメなひと」主題歌
作詞:松本隆、作曲:筒美京平、編曲:志熊研三
初期明菜〜初期ミポリンの流れをくむ、ちょいエロ不良少女路線。もっと言ってしまえばアレンジ含め「少女A」エピゴーネン。「過去? 悪いけど忘れたわ 未来? 波にでも聞きなさい」と男前なBメロから「Kiss Me Now〜」のサビへの展開に、えっいきなり?と戸惑うが、「今だけ燃えればいいの」と言い訳されれば納得するしかない。

?内気なガール・ハント
作詞:松本隆、作曲:筒美京平、編曲:志熊研三 
この奇妙なポップ感覚が気になりまくり。60'sガールグループ的なのどかさを狙っていると思われるが、「エブリデイ・ピープル」ぽいAメロからピッチの怪しさに酔いかける。サビ「Girl Hunt Girl Hunt ねえGirl Hunt」の自暴自棄と言いたくなる跳ね具合にクラクラ。何度か聴くうち、この気持ち悪さにはまってきた。キメの「シュビ シュビ ドゥー ダ ディー」のたどたどしいフェイクの破壊力もなかなかのもの。京平さんが意図したものとは違うかもしれないが、全体として見事な悪夢系ポップスの出来上がり!

定価1000円、中古で100円。
右上のタイトルが手書きの立体風で、ヒビが入ってる。そう、これは松本零士が得意とした書体。個人的には懐しさを感じるけど、全然内容に合ってなくて不思議。

関連理佐
最高の一日〜One Day〜」 これも京平作の7th

「ホット・スタッフ」 鳥越礼 1988年

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鳥越礼(とりごえあや)のたぶんデビューシングルは、ドナ・サマーの日本語カヴァー。

?HOT STUFF
(P. Bellotte/H. Faltermeyer/K. Forsey)、日本語詞:佐藤尚子
オリジナルはDonna Summer、1979年の大ヒット。鳥越さんは発声がしっかりしていてピッチも申し分ない、一般的なアイドルレベルではないヴォーカリスト。ちょっとカッチリしすぎて、面白みに欠けるかもしれない。声を張るときのクセが本田美奈子に似てるな。アレンジはほぼ原曲に忠実で、若干テンポを上げている。やっぱりあのグイグイ迫ってくるイントロのフレーズにテンション上がる。半分くらい英語が残っているが、日本語詞はかなり酷い。

?EVERY WALKING HOUR(ときめきウェイキング)
(I. Levine/H. Zimmer)、日本語詞:吉田弘
オリジナルはLinda Taylor、1988年?ユーロビートのヒット曲みたい。なんとなく聴いたことあるような。

定価1000円、中古で300円。
アンニュイな表情で帽子をとる鳥越さん。同じ写真を上下に並べるというのは、ありそうであまり見ないデザイン。

礼ちゃん情報があまりにも少ないので、Amazonあたりでかき集めたディスコグラフィー(推定)を書き留めておく。

1st ホット・スタッフ/ときめきウェイキング(1988)
2nd マンボ・マンボ/テキーラ(1992) 「鳥越礼とソナックス・クィーン」名義
3rd さそいこみ/後悔してるの(1993)
4th わがままに美しくなれ/デジャ・ヴ(1995)

おそらく唯一のミニアルバム『愛は急がない』が1988年のリリースなので、2nd以降の3枚はすべてアルバム未収録っぽい。

「Romanticが止まらない」 C-C-B 1985年、松原朋子 1996年

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80's京平の代表作と、その駄カヴァーズ。

Coconut Boys改めC-C-Bの3rdシングル。1985年の大ヒットを、1988年に8?化。

?Romanticが止まらない
作詞:松本隆、作曲:筒美京平、編曲:船山基紀
何といっても船山基紀のアレンジが素晴らしい。イントロの緊迫感、若さゆえの焦りがビシビシ伝わってくる完璧な仕事。テクノ歌謡イントロ選手権があったら「ハイスクールララバイ」とどっちを応援するか迷うくらい。ドラムも叩く笠浩二のハイトーンヴォイスがキラキラ80'sサウンドに合うんだなこれが。筒美さんのツボを押さえたメロディ、松本隆のライトエロな詞、胸が、胸が苦しくなるぅ〜。思春期と真中で聴いてたヒットナンバーだから、切なさはFu!止まらない。

?I SAY, I LOVE YOU
作詞:松本隆、作曲:筒美京平、編曲:船山基紀
B面もなかなかの力作テクノファンク。オレンジ・ジュースやヘアカット100あたりのUK勢からの影響を感じる。よろしければ「I SAY, I LOVE YOU」。

定価1000円、中古で50円。
オリジナル7インチと同じフォトセッションの没テイクと思われる、微妙に違う8?のみのジャケット。


1996年リリース、松原朋子のセカンドシングルは、京平ロマン系ヒット2曲をカップリング。久保こーじプロデュース作品。

?ロマンス
作詞:阿久悠、作曲:筒美京平、編曲:COZY KUBO, KAZUHIRO MATSUO, AKIO KONDO, KAZUHIKO MIZOGUCHI
オリジナルは岩崎宏美、1975年。「あなたお願いよ〜席を立たないで〜」と訴えかける宏美最大のヒット曲を、安いダンスアレンジで。一切の情緒を排した松原さんの歌唱でも、阿久悠の描く情念は伝わってくる。

?Romanticが止まらない
編曲:COZY KUBO, KAZUHIRO MATSUO, AKIO KONDO, KAZUHIKO MIZOGUCHI
ファンキーなギターのカッティングから入るイントロはちょっと期待させるものがある。オリジナルより少しテンポを落とした演奏がもたっとした印象。懸命に歌っている姿勢は初々しくていいんだけど、高音部が上がりきらない。まあ、結局残念カヴァー。

??カラオケ

定価1000円、中古で300円。
キュートなジャケは、いいと思う。


蛇足ながら右のマキシシングルは、Psychedelica featuring KOMATIによるカヴァー「Romanticが止まらない」(2000年)。
カップリングはミカバンドの「塀までひとっとび」カヴァー。リミックスとかいろいろで全8曲入り。ジャケから想像できるとおりのサウンドと、歌心が見つからない四人娘の苦しい歌唱。どうしても聴きたいのなら止めないけど。

「人魚」 NOKKO 1994年

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NOKKOソロとしての5thシングル。

?人魚 フジテレビ系 ボクたちのドラマシリーズ「時をかける少女」主題歌
作詞:NOKKO、作曲:筒美京平、編曲:鄭東和・清水信之
筒美京平、90年代の代表作。テイ・トウワ、清水信之とテクノ人脈のアレンジャーを迎え、シンセサイザー主体で作り上げられたドリーミーな世界。NOKKOの激情を秘めつつ抑制された歌唱は非の打ちどころがないし、筒美さんの曲はシンプル&ドラマチックで格調高い。ハープ音もストリングス音もすべてシンセなの?音響派的な味付けも効果的。昭和歌謡のテイストを意識しつつ90年代スタイルで、みたいな企画だったのかもしれない。しかし、シンガーを含めた作家陣があまりにも高い完成度で仕事をしてしまったので、軽く時代を超越しちゃった印象。そんな異様なテンションを感じる傑作だ。いい曲だからカヴァーしようとか、軽い気持ちで近づくのはやめといたほうがいい。プロデュースはテイ・トウワ。

?CRYING ON MONDAY フジテレビ系「ウゴウゴルーガ」はじめのうた
作詞・作曲:NOKKO、編曲:久米大作
しかし、カップリングも負けず劣らず力の入った名作なのだ。久米大作のチェンバロ+生の弦(金子飛鳥ストリングス)が奏でる前奏は、クラシカルな宮廷舞踏音楽風。勇壮でいて哀しみを感じさせるアレンジの緊張感は最後まで途切れない。後半、トランペット、バンドネオンが活躍する展開がスリリング。カスタネットも効いてるなあ。NOKKOは、何かに苛立つように、祈りのように叫ぶ。ブームタウン・ラッツ「哀愁のマンデイ」(1979)、ニュー・オーダー「ブルー・マンデー」(1983)、バングルス「マニック・マンデー」(1986)と、月曜の憂鬱を歌った名曲たちへの日本からの回答と言ってしまおう。
プロデュースはNOKKO、共同プロデュース:小西康陽。

??のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
改めて、90年代屈指の名作シングル。2曲とも凄まじいまでの密度なのだ。

関連のっこ&京平
花・月・人」守屋里衣奈 編曲は高橋幸宏

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