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Channel: 失われたメディア-8cmCDシングルの世界-
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「きっと倖せ」 市原悦子 1997年

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市原悦子おそらく唯一の8㎝シングル。

朗読CDは山ほど存在するが、音楽CDはこれだけ?

「母さんは青い空」(1971)と「ねねしな灯台」(1980)はもちろんアナログ盤。この8㎝を含め、確認できた3枚はいずれも自身主演のTVドラマ主題歌。

①きっと倖せ テレビ朝日系全国ネット木曜ドラマ「家政婦は見た!」主題歌
作詞:渡辺なつみ、作曲・編曲:坂田晃一
ドリーミーでどことなくハリウッドミュージカルのムードあり。アレンジはタンゴ。ドラマ見たことないけど、想像するに人間の暗部をコミカルに描いていたんじゃないかなきっと。そんなダークサイドの中和剤としてこの主題歌が作られたに違いない。ほのぼのとした素人歌唱を披露する悦子。しゃべりのイメージとギャップのない昭和っぽいビブラートが初々しい。間奏は悦子の語り。「他人の心をのぞいてみれば 蜜の味…」「まあすごい!笑顔の下に修羅がいた!」と驚いてみせる。

②見返り美人 テレビ朝日系全国ネット木曜ドラマ「家政婦は見た!」挿入歌
作詞:渡辺なつみ、作曲:坂田晃一、編曲:宮崎慎二
こちらは別れの歌。「やり直すより あなたの胸で 咲いていたいの 私…見返り美人」ベテラン女優にそう言われたら納得するしかない。ふんわりしているのに経験値の高さを感じさせる、さすがの貫禄。間奏の語りは「有らざらむ この世のほかの 想い出に 今ひと度の 逢うこともがな」。百人一首で有名な和泉式部の歌をぶちこんできた。

③④カラオケ

定価1121円、中古で108円。
植物柄のカーテンから覗く悦子61歳。裏にもドラマのワンシーンと思われる画像2枚あり。

「しあわせは少し遠くに」 吉永小百合 1995年

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吉永小百合、唯一の8㎝シングル。というか90年代唯一の録音にして、現時点で最後の歌手活動。

大女優、吉永小百合はシンガーとしてはどう考えても素人レベルだが、紅白は5回出てるわレコ大も橋幸夫とのデュエットで獲ってるわ、キャリア的には堂々の大歌手。

①しあわせは少し遠くに 三井ホームCMソング
作詞:荒木とよひさ、作曲:吉田正、編曲:萩田光雄
吉永小百合の代表作「寒い朝」「いつでも夢を」などの作曲家、吉田正が72歳で書き下ろし。のどかな時代のヒット曲然とした牧歌的メロディに、ほとんど具体的な描写をせず「いつまでも春の人」のサビにもっていく歌詞。春霞の中をふわふわと漂うようなヴォーカルは永遠のアイドルのイメージを裏切らない。

②あしたが見える丘
作詞:荒木とよひさ、作曲:吉田正、編曲:萩田光雄
ちょっと薄暗い昭和ムード歌謡テイスト。「今は帰らぬ 若き日のこと 時の流れは 哀しみさえも 懐かしくする」郷愁を誘う流れるようなメロディで歌われたら、サユリストの涙腺崩壊だろう。

③④カラオケ

定価1100円、中古で500円。
吉永小百合50歳。夢を壊さない美しい横顔。

「ラーメンブルース」 青江三奈&清水アキラ 1991年

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青江三奈の67thシングルは、清水アキラとのデュエット作。

①ラーメンブルース メルビオ・ラーメンCFイメージ・ソング
作詞:丼盛太郎、作曲:猪俣公章、編曲:伊戸のりお
前奏で思いっきりブロウするサックスとやたら打ち鳴らされる鼓の音がコミカルな味付けとなり、この曲がブルースのパロディであることを宣言する。歌は短い4行詞を6番まで繰り返すリストソング。5番までのサビは「ラーメン」ではじまり、1番なら「札幌 泣きぼくろ」2番は「喜多方 うしろ髪」と続く。以降5番までラーメン有名地をめぐる歌詞がつづくが、その土地にまつわるあるあるはそれほど出てこない。いかにもなペンネーム「丼盛太郎」って誰なんだろ。作曲の猪俣公章(1993年に55歳で没)にとっては最晩年の作品となった。間奏にラーメン屋のおばさん(青江)と客(清水)のショートコントあり。6番の後半は「お湯をさしてね 三分間 アキラと三奈の カップメン」と歌い上げる。三共が出していたヘルシー志向のカップ麺「メルビオ・ラーメン」のタイアップなのでこうなった。当時青江三奈は懐メロ歌手と認識されていた。清水アキラのモノマネにより注目され、このデュエット曲が実現したようだ。青江の心中は計り知れないが、歌声はからっと割り切って自らのパロディを演じているように聴こえる。清水アキラはもちろんワンコーラスごとに声色を変えて、五木ひろしや北島三郎を降臨させている。最後はチャルメラのメロディ。

②デュオ 年上の女
作詞:山口あゆみ、作曲:猪俣公章、編曲:伊戸のりお
デュオとわざわざつけているからカヴァーなのか?と思わせて森進一「年上の女」とは別の曲。オリジナルのようだ。こちらもイントロはサックスのブロウ。曲はこてこてのラテン系ムード歌謡。清水アキラはモノマネを封印し、普通に歌っている。

③④カラオケ

定価1000円、中古で100円。
青江三奈50歳&清水アキラ37歳のセミヌード写真。青江三奈には女優ライト。

関連青江三奈
恍惚のブルース/伊勢佐木町ブルース


1991.9.21発売のビクター盤。内部には「パッケージの組みたて方」の図解あり。コンパクト化推奨はビクターではまだ続いていた。トイズファクトリーの1992.6.21には遠く及ばないが、まあまあの記録。

「きんちゃんとぎんちゃん」 きんちゃん、ぎんちゃん&セタガヤン・プチット 1992年

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双子の姉妹ユニット、きんちゃん(成田きん)ぎんちゃん(蟹江ぎん)のデビューシングル。

「きんさんぎんさん」の愛称(ていうか本名)でブレイクした超高齢新人ユニットが、勢いに乗ってCDをリリース。もうすぐ100歳のタイミングで、どう考えても最初で最後のCDだろと思いきや、5か月後には「きんさん、ぎんさんの101回目の誕生日」を1年以上フライングの1992年7月にリリース。101歳の誕生日は1993年8月だけど、「数え年」という考え方もあるしな…出生日(0歳)を1回目と数えれば満100歳の誕生日は101回目。まあそんな些細なことどっちでもいいや!

①きんちゃんとぎんちゃん
作詞:松本礼児、作曲:穂口雄右、編曲:穂口雄右・久米由基
いきなりふたりの語りから始まる。ここでの笑い声が凄い。いい意味で人間離れした、川を渡りつつある者にしか出せない迫力。サウンドは鍵盤主体のチープな音ながら、なかなかにドラッギー。歌はセタガヤン・プチット=子ども合唱隊が受け持つ。自由度の高いコーラスが童謡風のメロディを歌う。きんさんぎんさんはメロディには加わらず、こちらも自由に合いの手を入れる。というより、自由に語ったものを曲の合い間にはめ込んでなんかそれっぽくしただけ。最初から不安な気持ちになるサウンドが転調後にさらに不穏なムードになり、子どもたちの歌声も軌道を外れていく。曲全体は6分以上あるが、リズムと合唱は4分で終了。一旦曲が終わった後、2分以上またもや語り(若いころの苦労話)が入る。今度はオルゴールサウンドがバックに薄く流れ、何というか異界へ連れて行かれそう。

②カラオケ
子ども合唱がないだけのカラオケ。きんさんぎんさんの妖怪ヴォイスは入っている。

定価800円、中古で100円。
ふたりの語りに登場するクジラとマンモス。イラストは大久保としひこ。

50歳以上の女性シンガーを拾ってみたシリーズ最終回。99歳で2枚のシングルをリリースしたきんさんぎんさんは、なんと1998年に106歳で録音を残している。南条茂&きんさんぎんさん名義の8㎝シングル「名古屋平成音頭」。聴いたことないけど、きっと姉妹は合いの手を入れているのだろう。

以前紹介した中では、加藤登紀子「花 HANA」は50歳でのリリースだった。

「卒業~Top Of The World~」 平家みちよ 1998年

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平家みちよの2ndシングルは、カーペンターズ日本語カヴァー。


①卒業 ~Top Of The World~
作詞・作曲:RICHARD CARPENTER/JOHN BETTIS、日本語詞:まこと、編曲:はたけ
説明不要の超有名曲。日本でもおそらく「イエスタデイ・ワンス・モア」に次ぐ人気曲で、日本語カヴァーも何種類か発表されている。シャ乱Qまことによる日本語詞はオリジナルの歌詞とはまったく無関係に卒業に絡めた別離がテーマ。原曲の軽快さとは対照的に、重たいリズムでドラマチックな別れのムードを演出している。ASYAN内シャ乱Q女性ロックボーカリストオーディション合格者としてデビューした平家さん。2枚目にしてこんなカヴァーでよかったんかい?よく知られているとおり、同オーディションの落選者を集めて結成されたのがモーニング娘。前の月にモーニング娘。はつんくプロデュースのメジャーデビューシングル「モーニングコーヒー」をリリースし、ASAYAN番組内でどんどん盛り上がりを見せていた時期。その後の社会現象とも言える快進撃はご存知のとおり。合格者であるはずの平家が「あれ?私脇役になってない?」と気づき始めたのはおそらくこの頃だろう。ヴォーカルスタイルは、よく言われるとおり優等生的で面白みに欠ける。当時モーニング娘。との比較でプロっぽいと評価されていたように記憶するが、今聴くとそれほど上手くもないし。思えばシャ乱Q内でのつんくとそれ以外の分岐点でもあったのだな。そんなわけで卒業ソングとして人々の記憶に残ることもなく、ひっそり忘れられていったカーペンターズネタ。原曲よりゆったり歌われているのに、3分10秒でサクッと終わるのが救い。

②支えてくれなくちゃ
作詞:まこと、作曲・編曲:はたけ
ロックボーカリストオーディション出身だったよね、そう言えば。と思い出させてくれるロックナンバー。力いっぱい声を張っているが、どことなく薄幸な雰囲気を感じるのはその後の運命を知っているからなのか。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で108円。
ピンボケ&ブレのある逆光写真。アーティスト志向が見えるジャケット。


左右にオリジナル。THE CARPENTERS「TOP OF THE WORLD」は1973年のヒット。

左が「トップ・オブ・ザ・ワールド/デスペラード
右が「青春の輝き I NEED TO BE IN LOVE/トップ・オブ・ザ・ワールド

改めて過去記事を見てみたら「トップ・オブ・ザ・ワールド」についてほとんど何も書いていなかった。あんまりなので、ちょっとだけ。

トップ・オブ・ザ・ワールド TOP OF THE WORLD
(RICHARD CARPENTER/JOHN BETTIS)
カントリーフレイバーあふれるイントロから、カレンの一声で完璧なポップソングであることが分かってしまう。Aメロでの低い音域に落ちるところの慈愛に満ちた声が素晴らしい。これだけいい声だとヴォーカルを前に出したミックスになるのは必然。引くところは引くアレンジも完璧だな。サビではコーラスが加わり、世界のてっぺんから下界を見下ろす神の視点を獲得する。ポップなのにへヴンリー。聖と俗がハイレベルでスパークする3分間のマジック。彼らにとって「遙かなる影 (They Long to Be) Close to You」に続く2曲目の全米No.1ソングになった。



「人の息子」 濱田マリ、SCANCH、奥田民生 1995年

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Sony系3アーティストによる競作。

「人の息子」3ヴァージョン。

作詞・作曲:奥田民生

発売順では濱田マリが一番先。1995年4月21日リリース。

①人の息子 進研ゼミ中学講座CMソング'95
編曲:森俊之、プログラミング:恩田晃、フレンチボイス:ピエール瀧
のどかにリズムレスではじまる「毛を抜け 気を抜くな 時々 なまけるな 大カツヤクするのを 待っている」謎かけのような導入は、まるでやる気ない宣言のようだ。最初の一行で、進研ゼミはこれでよかったのか?と心配になる。ゆったりしたリズムと脱力するようなメロディ。よく言えば大らかで作りこまない感じが民生らしい。民生のオリジナル歌詞を女性言葉に変えている部分が2か所ある。歌詞の表記は「大活躍」と「大カツヤク」など、より砕けた調子になっているところがいくつか。エンディングでは「たたかえ 毛を抜け わたしは ものすごく 死ぬまで 立派な 人の子」とそれまでに登場したフレーズが断片化されて再登場する。これは濱田マリ版のみの仕掛けで、歌詞カードには記されていない。最後は「人の子」と言っているようだが、これのみ初登場フレーズ。森俊之のアレンジはほどよくファンキー、全体にサバービア感のあるお洒落サウンド。なんとなくお洒落っぽい味付け「フレンチボイス」がピエール瀧って洒落が効いてる。3分50秒。

②さのば いのしし
作詞:濱田マリ、作曲:濱田マリ・恩田晃、編曲:恩田晃
タイトルは「Son of a いのしし」つまり「いのししの息子」だが、とくにいのししは登場しない。全編ラップの2分46秒。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
中学生男子ふたりの間を原付で駆け抜けるノーヘル濱田マリ。Ki/oon Sony名物サンプラーCD「MUSIC CATALOG vol.9」が付いた2枚組。


SCANCHと奥田民生は1995.5.21同日発売。規格品番はSCANCHがSRDL4005、民生がSRDL4025なのでその順に。

SCANCH盤。

①レターマン
作詞・作曲:ローリー寺西、編曲:SCANCH
日本語勉強中の外国人が書いたラブレターの設定。「コニチハ ハジメマシテ」てな調子で歌詞はすべてカタカナ表記。曲はローリーお得意のおセンチハードロック。

②人の息子
編曲:SCANCH
すかんちはやっぱりグラムヴァージョン。リズムや歌詞の乗せ方が他ふたりとはまったく違う。スピードも速く、歌詞の一部を繰り返し歌って伸ばしても3分30秒。民生が「言わせてもらうよ」と歌った部分を「言わせてもらうぜ」としている(ちなみに濱田マリは「言わせてもらうわ」)。

定価800円、中古で200円。
ぬいぐるみでメンバー3人を表現。


最後は作者、奥田民生盤。

①コーヒー
作詞・作曲:奥田民生、アンディ・スターマー
元ジェリーフィッシュのドラマー、Andy Sturmerと共同プロデュース。ジャケで表現されているように、歌詞中で外はずっと雨。憂いを湛えたギターサウンドは初期バッドフィンガーみたい。

②人の息子
編曲クレジットなし。
ギターがかき鳴らされる王道ロックなアレンジ。ガッツと勢いのある演奏なのに、歌詞が「戦え若者よ わしらが楽になる」とご隠居さんみたいな。前作「息子」で奥田民生としては比較的シリアスな表情を見せた反動か、無責任ムードにあふれた内容。3分59秒。

定価800円、中古で100円。
SCANCHと共通する緑を基調としたジャケ。民生の顔と釣り具と右に見えるギター&アンプは写真を使用。「コーヒー」の最後の一節が「明日晴れたら釣だ」ってことで、釣の準備をしている(机上にはルアー)。なぜか民生が持っているカップのイラストには「TEA」の文字。


3ヴァージョンとも進研ゼミ 中学講座のCMに使用された。YouTubeにCM3本まとめがあった。

全身像ジャケx12

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12周年企画3回目。

今回の条件は、頭から足先までジャケットに収まっていること。あと、立っていること。


左上からあいうえお順に並べた。

「風の中のダンス」 安達祐実 1995
白いシャツにブルージーンズ、黒い靴というシンプル衣装。まだ中学生なので、全身を入れても顔がよくわかる。左手を右肘にそえてポーズに変化を持たせた。

「"愛"のクリスマス・メモリー」 飯島愛 1993
セクシー方面代表。さすがプロ!と言いたくなる不自然極まりないポーズをバシッときめて、セールスポイントのお尻&Tバックを強調。

「思いきり泣いていい」 加藤紀子 1993
加藤紀子アイドル時代。右脚に重心をかけているが、両手はぶらりで作為のないポージング。

「ボンジュール・クク」 コシミハル 1992
両手は腰に、ミニスカートで美脚を交差させたモデル立ち。右の壁には剣が刺さっている。箱の中に入った奇術アシスタントのイメージか。

「瞳はイノセント」 桜井幸子 1991
胸とお腹を隠すようなポーズで、淡い色のシャツもジーンズも大きめサイズ。清純派らしい全身像。ちょっと文字乗せすぎ。

「コズミック・ランデブー」 宍戸留美 1990
ド派手な衣装、少し広めに開いた脚、赤いハイヒール。森高千里『非実力派宣言』(1989)アルバムジャケのパロディであることは明らか。


つづいて、下段。
THUNDER LADY」 嶋村かおり 1992
メジャーグラビアアイドルの動きのある全身像。裸足だけど爪先立ちなので、ハイヒールと同じ効果。

「この情熱はダイヤモンド」 瀬戸朝香 1995
4年前の脚ジャケ8にも選んでた。となりの田村英里子も全身像でハイヒール片脚立ち。

「Through The Season」 観月ありさ 1998
どうだ!と言わんばかりに美脚をアピール。メタリックな質感と無表情でイメージはヒューマノイド。

「あなたのシャツとLove Song」 三佳千夏 2000
ハイヒールサンダルにきつめのホットパンツ。ピュア8㎝シンガー三佳千夏、全3枚の3枚目。

「ザ・ストレス -ストレス中近東バージョン-」 森高千里 1989
これは8年前のジャケ選「太もも部門」でも登場。ウェイトレスコスプレでトレーを持つ森高はハイヒールではなくフラットなスニーカー。脚を美しく見せるため前かがみに。あまりにもあざとい。しかしそこが森高!

「Happy Birthday」 横山知枝 1991
最後は三つ編みお下げでセーラー服。両手はサイドに「気をつけ」のポーズ。何の工夫もない直立正面像は貴重かも。


縦長の短冊ジャケットは正方形に比べ全身像を入れやすいはず。とは言え全身を入れようとすればどうしても顔が小さくなってしまうので、顔以外(ほとんどが脚)をアピールしたいジャケが多くなった。胸が主役ならバストショットでいいからあたりまえか。

12枚集まらなそうなので、男性編はなし!

「流れ星」 辺見えみり 1996年、スピッツ 1999年

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辺見えみり最大のヒット曲と、スピッツによるカヴァー。

辺見えみりの7thシングル。

①流れ星 NTV系「スーパーJOCKY」エンディングテーマ
作詞・作曲:草野正宗、編曲:松浦晃久
鍵盤中心のたっぷりしたイントロが25秒。リズムとほぼ同時に歌が入る。抒情的なAメロから、ゆったり切ないサビへの無駄のない展開。辺見えみりの歌唱はアイドルとしては平均点以上とは思うが、まあカラオケの上手なOLさんレベル。こんな名曲を歌わせてもらってよかったね。スピッツファンだったのかな。

②あなたに出会えた奇跡
作詞:浅田有理、作曲・編曲:井上ヨシマサ
ワウギターが炸裂するファンキーなビートにポジティブなメッセージ。サビのメロディは小沢「ドアノック」に近い雰囲気。後半ハンドクラップが入ってくるところなどもちょい『LIFE』感あり。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
アンニュイえみり。


スピッツの20thシングル。

①流れ星
作詞・作曲:草野正宗、編曲:白井良明、スピッツ&クジヒロコ
辺見えみりよりわずかに速いが全体の尺はこちらのほうが15秒長い。それはアウトロ(フェイドアウト)が長いから。2番で転調。「君の心の中に棲む ムカデにかみつかれた日」と草野正宗らしいキラーフレーズが現れる。サビがまた謎めいている。「流れ星 流れ星 すぐに消えちゃう君が好きで 流れ星 流れ星 本当の神様が 同じ顔で僕の窓辺に現れても」ここで草野さんが切々と歌っているのはおそらく喪失感。何を歌ってもそう聴こえる声ではあるけれど。「すぐに消えちゃう君」と「同じ顔」で神様が現れるということ?この時点で相当分からないが「現れても」で終わってしまうのがまた宙ぶらりん。つづくフレーズは「僕の知ったことではない」か「関係ないね(恭兵)」あたりか。うー分からん、とうなっていたらスピッツマニアのサイト「スピッツ大学」を見つけた。本当の神様=死の象徴、なるほど。すっきり納得、というわけではないが(何よりそれでは詞の深みがなくなる)ひとつの解釈として腑に落ちた。そう思って読み直すと失われた「君」に向けて歌われているようだ。「静かな夜に浮かんでいたい」も鎮魂のように受けとれる。
Produced by スピッツ&白井良明 イントロ&アウトロと間奏のフリップ風(あるいは「強く儚い者たち」風)ギターは良明さんだな。


②エトランゼ (TANAYAMIX)
作詞・作曲:草野正宗)
Remixed by 棚谷祐一 with association of 伊藤俊治(ya-to-i)
engineered by 太田桜子
オリジナルはアルバム『フェイクファー』収録で1分29秒。アルバムのプロデューサーでもあったタナやん(当時カーネーション)による8分30秒のリミックス作品。頭に草野の歌が使われているが、曲の大半は打ち込みのビート。カーネーションでいえば「アポロ(Salvage Mix)」 (1997)に共通するひんやりした孤独が表現されている。イントロの宇宙との交信を思わせる音とか。「流れ星」PVで、宇宙を漂流しながらアコギを弾く草野正宗のイメージと重なる。短い歌詞はジャケットには記載されず、CD盤面に記されているのが珍しい。



③は都合により次回。

定価1020円、レンタル落ち54円。
宇宙服の草野マサムネ。地面に落ちた流れ星と会話中?


「愛のしるし」 PUFFY 1998年、スピッツ 1999年

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PUFFYの6thシングル。

①愛のしるし 資生堂「TISS」CMソング
作詞・作曲:草野正宗
2分46秒は90年代のシングルとしては破格の短さ。明示はされていないがプロデュース&編曲は奥田民生でいいのかな。ティンパニが印象的なイントロに、パフィーのおふたりの地声歌いが力強く響く。草野正宗という個性の強いソングライターの曲を(パフィー向けに書いたとはいえ)自分たちのものとして完璧に歌いこなしている。当時のパフィーの無敵感がくっきり刻まれた作品。

チーフ・マネージャー田沼功による裏Hit&Runというサイトが興味深かった。以下「」内は引用。
「デビュー直後、奥田センセイのツアーに『アジアの純真』でゲスト出演した大阪の夜、同じくライブで来ていたスピッツとキャンペーンで来ていたMr.Childrenと共に同じ飲み屋に集結したことがきっかけ?で草野マサムネに書き下ろしてもらった。」Wikiに記載されたエピソードと微妙に異なる。もちろんこちらのほうが合っているのだろう。
「草野マサムネはレコーディングの時、スタジオに来てガイドボーカル(お手本)を入れてくれた。しかもPUFFYの高いキーをそのままサラッと歌って帰って行った。」デモテープ渡しただけじゃないんだ。
「“心地よい針のシゲキ”はタトゥー(=愛のしるし)だったりする。」なるほどーそれは気づかなかった。

②カラオケ 2分58秒
これもいつものとおり、そのまんまのカラオケではない。①のエンディングは一度フェイドアウトしかけてまた音が戻ってくる(そして再びフェイドアウト)。12秒長いカラオケは、フェイドアウトなしでドラムがバシッときめて終わる。

定価611円、レンタル落ち50円。
安定のRodney A. Greenblatによるイラストジャケ。宇宙船の内部っぽい。


前回登場のスピッツのシングル「流れ星」の3曲目。

③愛のしるし (LIVE '98 version)
作詞・作曲:草野正宗、編曲:スピッツ&クジヒロコ
1998年11月15日赤坂BLITZでのライブ録音。
「ありがとーっ!」「もう少しやらせていただきます」草野正宗のMCと観客のテンションからアンコールと分かる。トラックは3分7秒で、頭と終わりの20秒ずつは演奏なし。実質2分半で間奏は長めなので、パフィーヴァージョンやスピッツ『花鳥風月』収録のスタジオ録音よりかなり高速な演奏。パフィーに書き下ろした曲をとくに違和感なくさらっと歌っている。「じゃあ、メンバー紹介」でフェイドアウト。

「愛して愛して愛しちゃったのよ」 田代美代子・和田弘とマヒナスターズ 1965年、原由子&稲村オールスターズ 1990年、「疲れて、疲れて、疲れちゃったのよ」 イッセー尾形 1994年

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オリジナルとカヴァーと替え歌で3ヴァージョン。

まずはオリジナル。

昭和ヒッツの豪華カップリング8㎝。

①カナダからの手紙 平尾昌晃・畑中葉子
作詞:橋本淳、作曲:平尾昌晃、編曲:森岡賢一郎 1978
平尾ミュージックスクールの先生と生徒によるデュエットソング。松原正樹のギターがむせび泣くイントロ、とするとこのドラムは林立夫か。アレンジの森岡賢一郎は昨年亡くなったSOFT BALLET森岡賢の父。ポップで哀愁のあるメロディにタイトな演奏、こりゃヒットするわ。平尾昌晃はときおりジュリーを思わせる色気のある歌唱。畑中葉子はよく伸びる声で素直に歌っているが、ところどころその後の展開を予感させるエロさもあり。改めて聴いてみると、歌詞はすべてカナダをひとり旅する女性視点で描かれている。内容的には男性ヴォーカルとのデュエットの必然性はないのだ。
関連畑中「後から前から」ゴールデンヒップスによる畑中葉子カヴァー。


②愛して愛して愛しちゃったのよ 田代美代子・和田弘とマヒナスターズ 1965
作詞・作曲:浜口庫之助、編曲:寺岡真三
マヒナのリードヴォーカルは松平直樹。お座敷対応ハワイアンという「お座敷小唄」(1964)で成功したお得意のパターン。和田弘のスティールにいかにも昭和テイストのビブラートの効いた歌唱。これもすべて女性視点からの歌詞。男女デュエットでも内容が男女掛け合いでないのは、とくに珍しくはなかった。
女性ヴォーカルを迎えて宴会ソングを歌わせる手法は「平成のお嬢さん/平成のお座敷小唄」(1991)でも繰り返されている。
どうでもいいが①②とも3分4秒の同タイム。

③①のオリジナル・カラオケ

④③のカラオケ(非オリジナル)「あらたに録り直した音源を使用しています」との記載あり。2分58秒とオリジナルより少し短い。これもマヒナの演奏なのかな?オリジナルのほうがスティールの音がいい。

定価1000円、中古で300円。
上に平尾・畑中ペア、下に田代・マヒナ。


映画「稲村ジェーン」サントラからのカット。原由子&稲村オールスターズ、1990年のシングル。

愛して愛して愛しちゃったのよ
作詞・作曲:浜口庫之助、編曲:小林武史&桑田佳祐
内容はリンク参照。スティールギターは和田弘!


イッセー尾形が歌詞を替えてカヴァー。イッセーさんの唯一の8㎝シングル。

①日本のサラリーマン エスエス製薬 エスカップC1000 CMイメージソング
作詞:馬場真人、作曲・編曲:金田一郎
哀愁漂うアコギをバックに「それでも、それでも、僕らは日本のサラリーマン」と切々と歌う導入から、銅鑼の音とともに打ち込み音頭ビートが始まる。「むかし、バブルがあったとさ」から始まる軽薄なノリは、明らかに植木等のパロディ。「♪サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」で始まる「ドント節」(1961)へのアンサーソングと思われる。イッセーさんの歌い方も植木等を意識しているが、本家ほどの豪快さがないのがバブル崩壊後の低調ムードを歌った内容に合っている。とは言え、バブル経験者が現状との落差を嘆いている設定にはまだ余裕を感じる部分も(娘にバイオリン、英会話を習わせてる)。サビは軍歌風マーチになったり、間奏でスパニッシュギターが現れたりと目まぐるしい展開は萩原哲晶風と言えるかも。

②疲れて、疲れて、疲れちゃったのよ
作詞・作曲:浜口庫之助、編曲:金田一郎、替え詞:馬場真人
タイトルから想像されるとおりの替え歌。こちらもひたすらサラリーマン悲哀あるあるを並べた歌詞。「満員電車 ちょっと、よろけりゃ、痴漢に間違えられる」みたいな。「朝からワープロ やっと、うちあげ トイレに立てば、コードが抜けた」は、時代を感じさせる。まだ自動バックアップシステムとかなかった1990年代。こちらはとくにクレイジー風ではないのに、やはり植木等ぽく感じてしまう。イッセーさんの声は、もともと植木等に似てる部分があるんだな。そう言えば風貌もちょっと似ているような。間奏はニュースキャスター風イッセー尾形の語り。終盤は疲れすぎてグダグダ感を出してくるあたりも植木テイストあり。

③④カラオケ

定価1000円、中古で100円。
CMキャラだった植田まさし「かりあげクン」がエスカップC1000をかかえて走っている。下のほうに小さなイッセーさん8態。

「青いイナズマ」 林田健司 1994年、SMAP 1996年

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林田健司の4thシングル。

①青いイナズマ
作詞:森浩美、作曲:林田健司、編曲:Chokkaku、コーラスアレンジ:佐々木久美/Candee
森浩美はもちろんSMAPのメインライターだし、ChokkakuもチームSMAP常連組。どう考えてもSMAP向けに作ったようにしか思えないが、カヴァーが2年後ってことは自分用に作ったのかな。いずれも山下達郎バンドで知られる佐々木久美、Candeeがイントロからパワフルなコーラスをつけている。Candee=高尾のぞみは林田健司夫人。歌はもちろん上手いのだけど、ライトなハイトーンヴォイスのせいかSMAPヴァージョンを聴きなれた耳にもそれほど違和感はない。まあアレンジ同じだし。2番のあとに男声英語ラップあり。ここの間奏が長いのでSMAPより少し長い5分7秒。

②Cool
作詞・作曲:林田健司、編曲:Chokkaku
JBばりのシャウトも聴けるファンクナンバー。ポスト岡村ちゃんはこの人、と言われてたりしたかな?と思って調べてみたら岡村靖幸と同い年だった。

定価930円、中古で100円。
タイトルに反して、赤ベースの天使。ジャケ内側も真っ赤(トレーは白)。


SMAPの22ndシングル。

①青いイナズマ フジテレビ系「SMAPxSMAP」テーマソング
作詞:森浩美、作曲:林田健司、編曲:Chokkaku、コーラスアレンジ:佐々木久美、コーラス詞:Candee Hayashida
「$10」(1993)、「KANSHAして」(1995)に続く3曲目の林田健司カヴァーシングル。ちなみに「君色思い」(1994)は林田健司提供曲。コーラスアレンジのクレジットが林田健司盤と微妙に異なるが、ほぼコーラスは一緒。誰もが指摘するようにサビの「Get you!」がやたら耳に残る。林田盤ではサラッと歌われるこの部分、SMAPはいつものガシガシしたユニゾンで押してくサビで「ゲッチュ!」だけがひとり(木村かな?)で歌われるため、より効果的なフックになっているのだ。4分39秒。

②真夏の夜は振り向いてはダメなのさ
作詞:久保田洋司、作曲:谷本新、編曲:Chokkaku
ラウドで重たいハードロック歌謡。SMAP5人は、がなるように汚い感じで歌っているがどうにも迫力不足。そこがSMAPらしい。

③④カラオケ

定価1000円、中古で100円。
こちらは素直に青っぽい。森且行脱退後初のシングル。ジャケには9人いる(中居以外の4人が2カットずつ写っているので)。森不在の穴を意識させまいとする配慮?

関連オリジナル&SMAPによるカヴァー
セロリ」 
オリジナルは山崎まさよし

「EVERYDAY PEOPLE」 SLY STONE 1989年、「エブリデイ・ピープル」 アレサ・フランクリン 1991年、「ピープル・エブリディ」 アレステッド・ディベロップメント 1992年

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スライ&ザ・ファミリー・ストーン、1968年のヒット曲「EVERYDAY PEOPLE」のリミックス、カヴァー、替え歌を8㎝で。

オリジナルシングルは1968年リリースで全米1位を獲得。アルバム『STAND!』(1969)にも収録されている。下に敷いたLP『STAND!』は高校時代、渋谷のタワーレコードで買った。輸入盤の匂いが強烈にしたのを覚えているが、30年たつともうその匂いは消えていた。


左、紙ジャケ3インチCDが、1989年にSLY STONE名義でリリースされたリミックス盤。「MIXED MASTERS」がシリーズタイトルかな。その下に「MAXI LENGTH DANCE MIXES」とある。Remixed and Edited by John Luongo

①EVERYDAY PEOPLE 5:57
とくに「なんとかミックス」とか付いていない。オリジナルが2分22秒だから倍以上に伸ばしたリミックス。ひしゃげた声の「ALL TOGETHER NOW!」の掛け声からはじまる。ビートが強調されたフロア対応リミックス。ヴォーカル・コーラスはほぼそのまま残され、スクラッチとかしないのでオールドファンにもアピールしそう。

②DANCE TO THE MUSIC 6:34
こちらも1968年のシングル曲のリミックス。オリジナルは3分ジャスト。たっぷり1分20秒じらして、あのホーンが爆発するイントロにたどり着く。こちらも歌はいじらず、オリジナルに対するリスペクトの強さを感じさせる。もちろんあの口ベースのパートもそのまま使用(2回)。繰り返しを恐れない姿勢で挑んだリミックス。

定価不明(洋盤)、中古で52円。
文字のみの素っ気ないジャケ。スライの顔写真くらいつけてくれると嬉しい。


中央、1991年のアレサ・フランクリンによるカヴァー。

①エブリデイ・ピープル EVERYDAY PEOPLE
(SLY STONE)
90年代サウンドとアレサの声の相性の悪さが出てしまった大味カヴァー。歌える歌手にこんなにエコーかけんでもいいだろうに。打ち込みのハイパーなビートの上でコーラス隊とのコール&レスポンス。終盤に「I Want to Take You Higher」のコーラスを入れている。

②ユー・キャント・テイク・ミー・フォー・グランテッド YOU CAN'T TAKE ME FOR GRANTED
(Aretha Franklin)
カップリングは歌い上げ系。ドラマチックなアレンジが空回りしているように感じるのは、声とのバランスなのか、クリアすぎる音像のせいか。

定価930円、中古で100円。
アレサ49歳。ジャケの貫禄はさすが。


右、ARRESTED DEVELOPMENTのアルバム『3 Years, 5 Months And 2 Days In The Life Of... 』(1992)のデラックス・エディション。1993年リリースされた日本盤のDisc 2が8㎝CDだった。アルバムの邦題は『テネシー(遠い記憶)』。

①レヴォリューション REVOLUTION (From The Movie "MALCOM X") 4:49
スパイク・リー監督の映画「マルコムX」のために書かれた新曲。SPEECHのアジテーションぽい語りから入り、力強いビートとメッセージがぐいぐい迫ってくるヒップホップアンセム。先導する女性ラッパーAerle Tareeの切迫感が素晴らしいし、怒りを秘めつつ前向きなSPEECHのラップも最高!

②テネシー(ドレッド・アンド・ファンク・リミックス) TENNESSEE (Dred and Funk Remix) 4:31 
アレステッド・ディベロップメントのデビューシングル(のリミックス)。「渡辺満里奈 マリナ・イン・モーション」(選曲:荏開津広)で初めて聴いたときの衝撃を鮮明に覚えている。プリンス「サイン・オブ・ザ・タイムズ」(1987)初聴き(TVのプリンスライブ番組のエンディングで流れた)と同じくらい、時代の音キタ!と思った。このリミックスはイントロのコーラスなどはだいぶオリジナルと違うが、基本リズムや歌&ラップ部分はほぼオリジナルどおりなので、全体の印象はそれほど変わらない。

③ピープル・エブリディ(マルーン・ミックス) PEOPLE EVERYDAY (Maroon Mix) 3:39
セカンドシングルのリミックス。タイトルの語順を入れ替えた、カヴァーというより替え歌。前半はオリジナルのラップを展開し、スライのメロディを使用しているのはサビ「♪I AM EVERYDAY PEOPLE」の部分のみ。
内容はヘヴィーでも祝祭的なサウンドでヒットした元曲に対して、このリミックスは内省的なサウンドで切り込み、かなり印象は異なる。

定価3000円、これは発売当時定価で購入した。
久々のボーナスディスクが8㎝のパターン。

「瞳のささやき」 ローラ・フィジィ、秋吉久美子 1992年

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"Don't It Make My Brown Eyes Blue" Laura Fygi 1991

カヴァーと日本語カヴァー。

ローラ・フィジィ盤。1992年4月25日発売。

①瞳のささやき Don't it make my brown eyes blue フジテレビ系ドラマ「さよならをもう一度」テーマソング
(Leigh)
オリジナルはCrystal Gayle、1977年。カントリーヒットをオランダ人女性シンガーがジャジーにアレンジ。シャーデーというより八代亜紀似のハスキーヴォイスで余裕の歌唱を聴かせるローラさん。ラウンジが似合うアダルトミュージックに仕上げた。石田純一と秋吉久美子の大人の恋を描いたドラマに使用され、ちょいヒットしたのかな?日本以外でシングルカットされたのかは不明。

②キャン・イット・ビー・ダン Can it be done
(W. Tee)
①とは対照的にぐいぐい盛り上げていく。クールなギターソロで美しく幕を閉じる、アルバム『Introducing Laura Fygi』(1991)のラストナンバー。

定価930円、中古で200円。
アルバムジャケットと同じ女優然とした写真。


秋吉久美子盤。1992年7月5日発売。

①瞳のささやき Don't It Make My Brown Eyes Blue
作詞・作曲:Richard Leigh、日本語詞:石川あゆ子、編曲:羽毛田丈史
秋吉久美子は70年代にアルバム2枚とシングル1枚を残し、その後は沈黙。2枚目にして14年ぶりのシングルがこれ。ドラマの主演女優がテーマソングを日本語カヴァー。ちょいハスキーなのが唯一の共通点の、同世代の女性シンガー(秋吉がひとつ上)の曲をなりゆきで歌っちゃった雰囲気。アンニュイ女優に歌唱力なぞ誰も期待しない。典型的女優歌唱と言えそうな、微妙な歌が聴ける。アレンジはローラ・フィジィ盤をなぞっていて、テンポも尺もほぼ一緒。石川あゆ子の日本語詞はかなり訳詞に近い内容。「茶色い瞳さえ 蒼く変わりそう」なんて、ちょっとそのまんま過ぎだし、語呂も悪くて歌いづらそう。原曲ではタイトルが3回繰り返されるサビは「どうして行くの どこへ行くの どうしても行くの?」と「Don't」を意識して頭を「ど」で揃えている。最後の最後は「どうでもいいけど…」と文脈的には主人公の未練を感じさせるライン。秋吉久美子が歌うと本当にどうでもいい感じに聴こえるのはさすがと言うべきか。

②ロングタイムを聴きながら Out Of Sight, Out Of Mind
作詞:Colin Scott、作曲:Albert Van Dam、日本語詞:石川あゆ子、編曲:羽毛田丈史
こちらもアルバム『Introducing Laura Fygi』(1991)収録曲の日本語カヴァー。打ち込みサウンドに漂うような歌唱。意外と悪くない。

③①のカラオケ

定価930円、中古で300円。
横型の右半分にソフトフォーカス久美子。コンパクト化したら表には字しか残らない。

秋吉久美子は昨年初コンサートを開催したんだって!

「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」 ダイアナ・ロス 1988年、長山洋子 1990年

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"IF WE HOLD ON TOGETHER" DIANA ROSS 1988

ダイアナ・ロスの日本における代表曲と、その日本語カヴァー。

①イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー IF WE HOLD ON TOGETHER UIP配給ユニバーサル映画「~リトルフットの大冒険~謎の恐竜大陸」主題歌 TBS系TV「想い出にかわるまで」挿入歌
(James Horner/Will Jennings)
ルーカス/スピルバーグ製作のアニメ映画"THE LAND BEFORE TIME"サントラから。どういうわけか2枚ともプロデューサー(ピーター・アッシャー)は記載されているのにソングライタークレジットがない!映画のサントラを手掛けたジェームズ・ホーナー作曲。作詞のウィル・ジェニングスとのコンビは、1997年「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」のヒットを飛ばす。ところで英語版WikiにはBarry Mannの名前も書いてあるのだが、日本語版は上記のふたりの名前しかない。どっちが本当?
ピアノのイントロからじわじわ盛り上げる甘口バラード。ダイアナ・ロスの代表作とか言われると違和感はあるが、ドラマチックな展開は映画の主題歌らしい手堅い仕事。アメリカではAdult Comtenporary Char23位と微妙なチャートアクションだったが、日本では今井美樹主演のドラマ「想い出にかわるまで」タイアップで大ヒット。その後英国でもヒットしたようだが、世界で最もこの曲を受け入れたのは日本なのだ。2015年のIn The Name of Love Tour日本公演でもアンコールでこの曲が演奏された(おそらく日本だけの選曲)。

②イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー(インストゥルメンタル)
単なるカラオケではなく、歌メロをギターで演奏したギターインストってやつ。

左が1990年1月25日発売のWEA MUSIC盤。定価937円、中古で54円。
右は1991年9月21日発売のMCAビクター盤。定価930円、中古で21円。上半分の恐竜映画ポスターは共通で、下半分のデザインがまったく違う。
米国でのシングルは1989年1月リリース。1年後に日本でシングルがリリースされたのはドラマタイアップが決まったから(WEA盤の裏ジャケライナーでドラマに触れている)。MCA盤はアルバム『The Force Behind the Power(邦題:永遠のイフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー)』のリリースに合わせて再発された。こちらもジャケのコピーに「TV『想い出にかわるまで』挿入歌として、大ヒットした永遠のベストセラー。」ドラマが終了して一年以上たつのに、まだ宣伝文句として有効だったようだ。今井美樹の相手役は、またもや石田純一だった。


長山洋子、非演歌時代最後のシングル。1990年8月21日リリース。

①IF WE HOLD ON TOGETHER イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー
James Horner/Will Jennings、日本語詞:さかたかずこ、編曲:矢野立美
アレンジはほぼオリジナルと一緒。サビの「IF WE HOLD ON TOGETHER」は英語のまま。全体に卒なくまとめた印象で、あまり面白みはない。安定感のある歌唱はアイドル的ではないが、当時22歳だからもう普通に脱アイドルの年齢。最大のヒット「ヴィーナス」(1986)も洋楽日本語カヴァーだったので、得意分野で勝負!という意気込みだったかも。しかしセールスは伸び悩み、結果として第一期長山洋子(ポップシンガー期)の最後のシングルとなってしまった。

②終わらないセレナーデ
作詞・作曲:さかたかずこ、編曲:矢野立美
キャッチーでちょっと古臭いサビが初期中島みゆき・谷山浩子~あみんなどのポプコン勢を思い出させる。「あぁ哀しみのナーシサス」なんてフレーズもニューミュージックムードたっぷり!

③④カラオケ

定価1000円、中古で108円。
逆光で髪をまとめる長山さん。この3年後、演歌歌手長山洋子として「蜩 -ひぐらし-」で再デビュー。

「スウィート・ラヴ」ランディ・クロフォード 1986年、「スウィート・ラブ(日本語版) 」 山本実枝 1991年

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"Almaz" Randy Crawford 1986

アメリカ人女性SSW、ランディ・クロフォードの全英4位のヒット曲。

①スウィート・ラヴ ALMAZ フジテレビ系ドラマ「もう誰も愛さない」挿入歌
(Randy Crawford)
リリースから5年後、吉田栄作主演のドラマに使用され、日本で知られるようになった。この8㎝は1991年5月10日リリース。原題「Almaz」は女性の名前。英語版Wikiによるとエリトリア難民のカップルについての歌らしい。ジャケのコピーは「うちふるえるような感動のエモーション、愛いっぱいに輝いたラヴ・バラードの傑作!」。曲は淡々としながらも苦いムード。愛についての歌ではあるが、どこか幸せへの疑念を感じさせる皮肉な調子が潜んでいる。日本タイトル「スウィート・ラヴ」や「愛いっぱいに輝いた」は明らかにミスリード。切々と歌い上げるランディの深みのある高音は、ソウルというよりシャンソン寄り。雰囲気は五輪真弓「恋人よ」(1980)にかなり近い。

②やわらかな雨 TENDER FALLS THE RAIN
(Randy Crawford)
アルバム『Now We May Begin』(1980)収録曲。シングルカットはされていないようだ。控えめな佇まいながら、70年代ソウルの香り漂う名曲。「ALMAZ」の緊張感とは対照的に、慈愛に満ちた歌声を聴かせてくれる。

定価900円、中古で108円。
アルバム『Abstract Emotions』ジャケを再構成したデザイン。


日本語カヴァーも同じドラマタイアップ。

山本実枝のデビューシングル。1991年5月21日発売。

①スウィート・ラブ(日本語版) フジテレビ系ドラマ「もう誰も愛さない」挿入歌
日本語詞:深野義和、編曲:若草恵
アレンジはオリジナルを踏襲。冒頭オリジナルが「She only smiles」と歌うところを「しあわせの」と乗せてみた。山本実枝の歌唱は、情感過多でくどい。のど自慢荒らしレベルだな、残念ながら。当時16歳。「愛欲と哀しみで 満たされたこの部屋」なんて歌わされてるし。高校生にしてはよくがんばったと言うべきか。淡々とした歌唱で愛の苦さを表現したランディとはレベルが違いすぎてお話にならない。

②ひとりぼっちのヒーローとさみしがりやのヒロイン
作詞:Heart Box、作曲:Keith Brown、編曲:大村憲司
オリジナルは伊藤さやか。アルバム『ヨロシク されたい!アクセル・オンSAYAKA』(1982)収録曲をカヴァーって渋いチョイスだな。ちなみにオリジナルのアレンジも大村憲司。Keith Brown=鈴木キサブローによる、中村あゆみあたりが歌ったらハマりそうなやさぐれロック歌謡。「汚れた皮ジャン」「ガラスのハイヒール」なんて小道具でストリートのキッズたちの孤独を描き出しているぜ。①よりは自然体で歌えている。

③④カラオケ

定価1000円、中古で100円。
好きな音楽はヘビメタ。だからこんな髪にされちゃったのか。

「山本実枝」としては4枚のシングルと3枚のアルバムを残し活動終了。
1995年から「Mink」と改名し、ショートカットで分かりやすくイメチェン。


「無造作紳士 (L'aquoiboniste)」 ジェーン・バーキン 1978年、岡崎律子 1999年

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"L'aquoiboniste" Jane Birkin 1978

ジェーン・バーキンのおそらく日本のみのシングルと、その日本語カヴァー。


1999年10月27日発売のジェーン・バーキン盤は以前に紹介したがもう一度。

①無造作紳士(L'aquoiboniste) TBS系ドラマ「美しい人」テーマ曲
(Serge Gainsbourg)
1978年のアルバム『Ex fan des sixties』収録曲で、日本以外ではシングルカットされていないはず。シンプルなユニットが6回繰り返されるだけのミニマルな構成。サビもブリッジもない(あるいはサビしかない?)2分23秒の小品。

②無造作紳士 L'aquoiboniste(LIVE)
Enregistrement integral au Casio de Paris
アカペラで始まり、後半にアコーディオンの薄い伴奏が入る。2分17秒。

③ジョニー・ジェーンのバラード
Ballade de Johnny-Jane (Serge Gainsbourg)
「ヘイ、ジョニー・ジェーン 君は覚えてる? ゲンズブールの映画の『ジュテーム・モワ・ノン・プリュ』って素敵なテーマ曲を」で始まる曲を映画「ジュテーム・モワ・ノン・プリュ」で使用。入れ子構造、あるいは自己言及モノ好きにはたまらんな。

定価1020円、中古で600円。
「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」日本盤7インチと同じ写真の鏡面像。どっちかが裏焼き。


岡崎律子の7thシングルは1999年12月8日発売。

①L'aquoiboniste(無造作紳士)~日本語カヴァー~
作詞・作曲:Serge Gainsbourg、訳詞:かの香織、編曲:門倉聡
原曲よりややスローテンポだが、ほぼ忠実なアレンジ。岡崎さんの儚げな声は、ウィスパーではなけど和製ジェーン・バーキンと言って差し支えない。かの香織は一部仏語を残しつつ「『何もならない』、は あなたの口癖」とわりと直球な日本語化を試みた。4コーラスと5コーラスの間にたっぷりした間奏が入って3分41秒。

②Moonshadow
作詞:岡崎律子、作曲:村山達哉、編曲:村山達哉・磯江俊道・加藤敏樹・加藤道明
打ち込みのゆったりしたリズムにつぶやくように歌う律子さん。声の線は細いがしっかり主張してくる歌声。抑えた感情をじっくりと時間をかけてクレッシェンドしていく。暗い空に光が差して、だんだん空気が温まってくるような6分33秒。

③①のカラオケ

定価1020円、中古で54円。
これをハードオフで見つけたのは昨年のハイライトだった。


後ろのアナログLPはJane Birkin『Ex fan des sixties』。安田成美「思い出のロックンロール」の回でも下に敷いた。

「渡良瀬橋」 森高千里、城之内早苗 1993年

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森高千里の17thシングルと、城之内早苗によるカヴァー。

1993年1月25日発売の森高千里盤は12年前に紹介したが、もう一度。

①渡良瀬橋 テレビ東京系「いい旅・夢気分」エンディングテーマ
作詞:森高千里、作曲・編曲:斎藤英夫
大ヒットし、代表作となった「私がオバさんになっても」から半年。こちらも名曲で「私がオバさんになっても」「雨」と並んでカヴァーの多い人気作。郷愁を誘う美しいメロディに、「渡良瀬川」「八雲神社」と固有名詞を織り交ぜつつ過ぎた恋をふり返る歌詞。「北風がとても冷たくて 風邪をひいちゃいました」なんて回想モードからひゅっと現実に戻る描写も効いている。ドラムとピアノは森高。間奏は森高自身によるスリリングなリコーダーソロ。

②ライター志望 テレビ朝日系「クイズ!純粋男女交遊」ニュー・エンディングテーマ
作詞:森高千里、作曲・編曲:斎藤英夫
自分の才能を分かってくれない男に苛立つ女性を第三者視点から描いている。「もしかしたらこんな娘が とてつもないこと あっけらかんと突然 やらかすかもしれない」Jポップ標準の人生応援歌になりそうな内容だけど、そうしない。かなり主人公に近いはずなのに、妙に客観的なのが森高らしい。

定価900円、中古で52円。
めちゃ寒そうな森高。


同年8月25日発売、城之内早苗の8thシングル。

①酔わせてよ今夜だけ
作詞・作曲:森高千里、編曲:斎藤英夫
オリジナルは森高千里のアルバム『ROCK ALIVE』(1992)に収録。作詞家として才能を発揮していた森高が、作曲にも本格的に取り組み始めていきなり演歌。もちろんオリジナルのアレンジも斎藤英夫。森高が歌えば演歌のパロディになるところを、元おニャン子の演歌歌手が歌うと普通の演歌。いや「ニューアダルトミュージック」のキャッチで売り出そうとしてたんだった。

②渡良瀬橋
作詞:森高千里、作曲・編曲:斎藤英夫
情感たっぷりに歌う渡良瀬橋。カヴァーの多い名曲の、最初のカヴァーヴァージョンかな。プラスチックな森高の声のほうが切なさが際立つのだが、これはこれで説得力のある歌唱。最後のフレーズ「夕日がきれいな街」の「い」でためて「な街」というやや不自然な譜割りを森高のオリジナルどおりに歌っている。

③④カラオケ

定価1000円、中古で105円。
森高よりひとつお姉さん。現在も現役歌手として活躍。公式ブログもコンスタントに更新中!

「イロトリドリ ノ セカイ」 ROBOTS、JUDY AND MARY 1998年

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同日発売の同タイトル。

規格品番ESDB-3858、ROBOTSの6thシングルから。

①イロトリドリ ノ セカイ 6:32
作詞・作曲・編曲:TAKUYA
ジュディマリのギタリストTAKUYAのソロユニット、ROBOTS。バンドのギタリストが歌う。本職でないヴォーカル好きにはたまらないであろう、武骨で説得力のある低音。2番でダブルヴォーカルにしたりオクターブユニゾンにしたりと、歌唱力不足を補う工夫が施されている。アレンジもギタリストらしくストレートなロックサウンド。具体的なストーリーは語られないが「さよならは初秋の風に流れて」など別離(死別?)のイメージがあふれている。壮大なメロディで歌われるサビの最後は「神のお気に召されるように」。唐突に現れる神、ギターの轟音による浄化。大きな波に飲み込まれていくような無力感に襲われる。

②カラオケ

定価611円、レンタル落ち54円。


規格品番ESDB-3859、JUDY AND MARYの16thシングル。

①イロトリドリ ノ セカイ 5:54
作詞・作曲:TAKUYA、編曲:JUDY AND MARY
リードヴォーカルYUKIが歌う。あたり前だが、どう聴いてもこちらのほうがプロの仕事。ライブハウスよりスタジアムが似合いそうなゴージャスサウンド。バンドとしては初期の勢いで突っ走っていた時期は過ぎ、緩やかに解散への軌道を描き始めていた成熟期。最後のフレーズ「ウタオウ ナガレルママニ ウタオウ」(この部分はYUKI作詞らしい)の無常観が痛い。バンドの終わりへ向かって崩れていくピークを見事に切り取った作品に思えてきた。

②カラオケ

定価611円、中古で200円。

裏ジャケ。



ROBOTSは立体メガネのおじいさんジャケで、裏が赤ちゃん。ジュディマリはその逆。この2枚が表裏の関係であることを分かりやすくビジュアルで表現。

「ジェラシー」 井上陽水 1981年、たかはしまりこ 1989年

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サングラスジャケ2枚。

井上陽水、1981年の16thシングルを1988年に8㎝再発。

①ジェラシー
作詞・作曲:井上陽水、編曲:星勝
スパニッシュぽいギターと陽水の歌のみで「ジェラシー 愛の言葉は 愛の裏側」と謎めいた導入。ラテンテイストのリズムとメランコリックなメロディでウェットになりそうなところ、陽水のカラッとした声と意味不明の歌詞によって煙に巻かれてしまう。前後の脈絡がない断片的なイメージで不安定な気分になる中、「ハンドバッグのとめがねが はずれて化粧が散らばる 波がそれを海の底に引き込む」の部分が鮮やかに映像的でハッとさせられる。「むなさわわぎで 夏が来るのが恐い」そんな嵐の予感を描くのに、陽水の張りつめた高音ほど適した声はないだろう。

②夏星屑
作詞・作曲:井上陽水、編曲:星勝
ちょっと「ジェラシー」に似すぎ?明るい変奏曲といった趣き。

定価937円、中古で210円。
オリジナル7インチのジャケをそのまま上半分に使用。


高橋真梨子の15thシングル。

①十六夜 シティーハンター劇場版"愛と宿命のマグナム"エンディング・テーマ
作詞・作曲:飛鳥涼、編曲:近藤敬三
こちらは高橋真梨子名義。本人コーラス&ハモりがやや過剰な印象だが、ASUKAテイストバリバリのサビはさすがのキャッチーさ。ちなみに「十六夜」は「いざよい」ではなく「じゅうろくや」と歌われているのでタイトルも「じゅうろくや」(CD盤面にだけふりがながふってあった)。

②ジェラシー
作詞・作曲:井上陽水、編曲:森村献
こちらはひらがなで「たかはしまりこ」名義。陽水よりスローな導入。「窓辺に~」のパートでもリズムレスで、ヴォーカルをたっぷり聴かせるアレンジ。「君に寄せる愛はジェラシー」のサビでアルゼンチンタンゴのリズムが入る。2番は舞い上がるストリングスが不穏な空気を演出。陽水は別ベクトルの妖しい声の持ち主、真梨子さん。堂々の歌唱でこの曖昧な世界を描ききった。

定価937円、中古で100円。
眩しい太陽が反射するサングラスの女性イラストは「十六夜」とも「ジェラシー」ともそぐわないような。

サングラスジャケx12

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2か月ぶりの12周年企画その4。

今回はサングラスジャケ。女性6枚&男性6枚で12枚並べた。

上段、女性編から。

女性シンガーでサングラスといえば森田童子がいるけど、8㎝2枚はいずれもイラストジャケなので今回登場なし。

「トラブル・メーカー」 南野陽子 1989
顔を売りたいアイドルにとって、アピールポイントを隠すサングラスは通常避けるべきアイテム。ナンノは赤フレームサングラス&ダブルピースで顔の輪郭も隠す。しかし三木のり平スタイルで目を隠すことは回避。

「ロマンティック」 中山忍 1990
中山忍のラストシングル。アイドルなのにしっかりサングラス。花柄ドレスと市松模様フレームのサングラスでデコラティブにきめた。

「Lookin' for the Promise Land」 panache 1996
西田ひかるが変名でリリースした英語曲。金髪ウィグとサングラスでグラマラスな別人格に変身!

「感情」 辺見えみり 1997
辺見えみりソロとしてのラストシングル。暗闇に浮かび上がるクラブ系サングラス。

「告白」 松任谷由実 1997
ユーミン、黒眼鏡で笑顔。粒子の荒いボンヤリジャケ。

「トーキョー迷子」 中島みゆき 1991
みゆきさんは無表情の横顔でクールにきめる。髪は巻き巻きのアップ。


下段、サングラスがトレードマークの男性アーティストが並ぶ。

ありがとう」井上陽水奥田民生 1997
井上陽水と言えばサングラス。民生はサングラスのイメージはないが、ここは先輩にお付き合い。ダブルサングラスジャケ。

INTERNET KISS」 SHEENA & THE ROKKETS 1997
鮎川誠と言えばサングラス。緑のフレームがオシャレ。裏は同じサングラスをかけたシーナ。

「ひどく暑かった日のラヴソング」 爆風スランプ 1988
サンプラザ中野と言えばスキンヘッド&サングラス。アップのジャケがなかったのでちょっと小さい。

渋谷で5時」 鈴木雅之 1994
マーチンと言えばヒゲ&サングラス。ジャケに菊池桃子がいないのが残念。鈴木雅之ジャケはほぼ全部無表情(たぶん笑顔NG)。

「ふたりだけの夜」 BE∀T BOYS 1990
桜井賢(アルフィー)と言えばヒゲ&オールバック&サングラス。変名バンドBE∀T BOYSではリーダーってことで、ソロシングルみたいなジャケに。一応覆面のつもりか、帽子でオールバックだけは隠した。

イメージの詩」 浜田省吾 1997
サングラスと言えば浜省。この人もジャケは笑顔NGのイメージ。


まだまだあるのでこの件、次回につづく。
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