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「ニート・ガール・エイジ」 石井ゆき in LUV 2 SHY 1997年

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石井ゆきのデビューシングル「ニート・ガール・エイジ」Produced by 富樫明生

人気オーディション番組、ASAYAN出身のアイドルシンガー。約2年の活動期間にシングル(すべて8㎝)8枚とアルバム1枚を残した。

LUV 2 SHYは同じく富樫明生プロデュースのソング&ダンスユニット。二人組かと思っていたが、ジャケ下に見えるシルエットは4人。

①Neat Girl Age
作詞:富樫明生、作曲:馬場一嘉・富樫明生、編曲:富樫明生
石井ゆきの子どもソウル声をいかに聴かせるか。それはソウルしかないだろう。ニートニート!と高音を張り上げるサビの切なさはどうだ。どんなしょーもない歌詞でもこの声にかかれば胸キュンのソウル歌謡に!「デンワしてダーリン」も好きだけど、石井ゆきの活かし方という点でm.c.A・Tのほうが正解を出しているように思う。

②uki uki baby
作詞:富樫明生、作曲:高野寛・富樫明生、編曲:富樫明生
よりマイケル度アップ。ジャクソンファイブ加入を許可する。「ちなみに私は14でっすっ!」と歌う14歳。のちにシングル「ラベンダー・ドリーム」(1998)をプロデュースする高野寛はデビューから関わってたんだ。

③④カラオケ

定価1020円、中古で100円。
上の円に石井ゆき、下にLUV 2 SHY(シルエット)。円の右下に影をつけて、8cmCDサイズの円形の穴から覗いているように見せている。

中山忍10

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中山忍のコンプリート8㎝コレクション。

ソロシングル8枚+いつもの2枚(3回目)。

上段左から。

小さな決心」1988.11.2

「涙、止まれ!」1989.2.1

「負けないで、勇気」1989.5.1

「夏に恋するAWATENBO」1989.8.10

駈けてきた処女」1989.11.1


下段。

「天使たちのシンフォニー」1989.12.17
河田純子、田山真美子との3人ユニット、楽天使のシングル。

「光のオペラ」1990.3.1

「箱入り娘の嘆き」1990.7.1

リボン結びのWAKU WAKU」1990.11.2
楽天使+宍戸留美+Lip'sによる7人ユニット、七つ星のシングル。

「ロマンティック」1990.12.21


はい、中山忍。デビュー作から4枚目までは後藤次利。「夏に恋するAWATENBO」なんてタイトルは面白げだけど、曲は極めてオーソドックスなアイドルポップス。5枚目で三田寛子カヴァー(阿木燿子x井上陽水)という奇策に出たチーム忍。楽天使を経ての6th「光のオペラ」は作詞:巻上公一、作曲:奥田民生ってかなり気合を感じる布陣。さらに「箱入り娘の嘆き」はYou+戸田誠司のFAIRCHILD組、カップリングは森若香織。七つ星をはさんでのラストシングル「ロマンティック」は作曲:高浪慶太郎、編曲:小西康陽のピチカートプロダクション。

ベストトラックは「光のオペラ」。トリップ感半端ない。これはいずれちゃんとレビューする。

「天使たちのシンフォニー」 楽天使 1989年+ソロ+七つ星=24

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楽天使 are; 中山忍、河田純子、田山真美子

1989年の年末あたりに活動した期間限定ユニット。




左がユニット唯一のシングル。

①天使たちの序曲
作曲・編曲:井上ヨシマサ
3人による前説「本日は楽天使スペシャルコンサートにご来場いただきましてまことにありがとうございます!」からリズムが入り、「まもなく開演です」とナレーション。あとは「ラララ~」とか笑い声とか、おそらく3人以外のコーラス隊による英語歌詞も聴こえるので「ナレーション入りインストルメンタル」の表記はやや違和感あり。「天使たちのシンフォニー」とは別曲だが、かなり近いムード。4分24秒。

②天使たちのシンフォニー
作詞:原真弓、作曲:井上ヨシマサ、編曲:鷺巣詩郎
タイトルやジャケからはなんとなくホーリーなムードを想像していたが、意外と元気なアイドルポップス。「真赤なバイク 二人飛ばした 夏の海辺も眠ってる」なんて全然クリスマスでもないし、天使でもない。ユニゾンで歌唱を引っ張るのはどうしたって河田純子。ソロパートでは中山忍のインパクトが群を抜いている。4分42秒。

定価800円、中古で135円。
左から、天使に扮した田山、河田、中山。

右は唯一のアルバム『楽天使』1990年元旦発売。ダブルジャケットで上のは立体写真つき。

1曲目「天使たちのシンフォニー (WAI WAI VERSION) 」は親衛隊のコール入りでうるさい。3人で歌っているのはこの曲だけで、あとは天地真理を中山忍が、麻丘めぐみを河田純子が、南沙織を田山真美子がそれぞれ2曲ずつカヴァーしている。ユニットはクリスマスを意識してたのだろうが、アルバム発売が年明けになってしまったのでコンセプトがぐだぐだに。2曲目いきなり「恋する夏の日」で季節感ゼロ!そんなんでいいなら、3人で歌ってた「ジングルベル・ロック」(ビデオに収録)も入れてくれればよかったのに。


トップ写真は、3回にわたって紹介した中山忍河田純子田山真美子のコンプリート8㎝CDコレクションをまとめて発売順に並べてみた。

アイドル冬の時代にひっそりリリースされた24枚。ヒット曲はひとつもないし、特にレア盤もない。そこがいい。

いつか宍戸留美とLip'sの8㎝が揃ったら「七つ星+ソロ」で並べてみたい。

「ベイビー・ベイブリッジ」 山根栄子 VS GIRL GIRL GIRL 1991年

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Girl Girl Girl are; 桜井鉄太郎、窪田晴男、小西康陽

FM横浜の番組「ガール・ガール・ガール」から生まれた8㎝。

3人が毎週新曲を作ってきてオンエアするという修行のような番組だったらしい。

桜井鉄太郎が作った曲を3人それぞれがアレンジ。

①ベイビー・ベイブリッジ  4'28"
②ベイビー・ベイブリッジ 4'43"
③ベイビー・ベイブリッジ 5'15"
作詞・作曲:桜井鉄太郎
元UGUISSの山根栄子をヴォーカルに迎え、横浜ベイブリッジ(1989年に完成)を題材に作られたドライブミュージック。オリジナル桜井ヴァージョンは打ち込みのリズムにゆったりしたシンセが重ねられるイントロ。夕景のベイブリッジを滑るように渡っていく車のイメージ。全体としては過剰に盛り上げない淡々とした展開だが、はっきりしない男の態度をなじるような山根さんの声がぐっとエモーショナルになる部分があって、いいアクセントになっている。

窪田ヴァージョンはなぜか救急車のサイレンから始まる。砂利を踏むような音でリズムを作っていて、いつか派手な展開になるかと思いきや最後まで薄いアレンジ。意外なことにまったくギターが入らない。山根さんのヴォーカルが最も親密なムードに聴こえる。

小西ヴァージョンはテンポを落として実際のドライブというより、夢見心地の回想シーンのような趣き。

④ベイビー・ベイブリッジ <English Version> 4'27"
作詞:山根栄子、作曲・編曲:桜井鉄太郎
桜井ヴァージョンに英語詞を乗せたヴァージョン。山根さんの英語は滑らかで、ひょっとして日本語より歌いやすいのでは?と思うほど。

山根栄子名義のミニアルバム『ひとりきりのサイレントダンス』(1992)にオリジナルの①と「ベイビー・ベイブリッジ(イングリッシュ・エクステンディッド・リミックス)」が収録されている。

定価930円、中古で100円。

残念なことに、山根栄子は2012年に亡くなっている。

「新・春香伝 行人 KOUJIN」 山根栄子 1994年

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CLAMPの漫画を原作としたドラマCDの主題歌。アニメじゃないのだ。もとがドラマCDで、さらに主題歌をシングルカットするって、なかなかやるな。

①行人 KOUJIN
作詞:大川七瀬、作曲・編曲:外山和彦、歌:山根栄子
CLAMPは、女性4人組の漫画家ユニット。ストーリー担当の大川七瀬が詞を書いてる。物語は李氏朝鮮時代の小説「春香伝」をもとにしているらしい。そんなわけで、サウンドは半島あたりのアジアテイストを散りばめている。たっぷりしたイントロは、空撮で雲を抜けて地上にズームしていくようなムード。靄の向こうから少しずつ姿を現すような山根栄子の歌声は、抽象的な歌詞世界を丁寧に表現し、物語を知らない私にも何やらスケールの大きさを感じさせてくれる。二胡に似た弦の音がする。朝鮮だとヘグム?朗々としたサビ、ドラマチックなエンディングは大河ドラマ主題歌の風格。大御所書家による達筆すぎて読めない題字が目に浮かんでくる。

②カラオケ

定価1000円、中古で59円。
ジャケはもちろん、CLAMPによる。巨大な刀と巨大な眼球を持つ少女。
背表紙には山根栄子の名前はなく、ジャケットの左隅に小さく「歌 山根栄子」と記載されているのみ。

次回、グループ活動。

「オン・ザ・ユニヴァーシティ・ストリート」 21 1992年

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21 (TWENTY-ONE) are; 斎藤誠、村田和人、山根栄子、重実徹

初期には山根栄子の姉、山根麻衣も参加していたようだが、このシングルのクレジットは上記4名。

1stアルバム『Blue Coast Inn』(1990)
2ndアルバム『グリーティング』(1991)
2枚目にして最後のアルバムのあと、ひっそりリリースされた唯一の8㎝シングル。2曲ともアルバム未収録。

①ON THE UNIVERSITY STREET オン・ザ・ユニヴァーシティ・ストリート
作詞・作曲:竹内まりや、編曲:斎藤誠
オリジナルは竹内まりやの2ndアルバム『UNIVERSITY STREET』(1979)の一曲目。リアルJDだったまりやさんがキャンパスライフを歌った作品。
1番はすべて山根栄子が歌う。2番のAメロを斎藤誠、3番を村田和人が歌っているが、サビはすべて山根さんがリードで斎藤、村田がハモり。まりやさんに比べれば軽くクリアな歌声の山根さん、ちょっとサラッとしすぎ。グループとして山根さんをメインに押し出しいこうとしたシングルなのかな。それにしてはあまり売ったろうという迫力が感じられず、趣味性の高いカヴァーに思える。セカンドアルバムには「NO NO BOY」「MOON LIGHT SURFER」「幸せにさよなら」などのカヴァーが収録されていたから、その流れなのだろう。

②I LOVE TOKYO
作詞・作曲:つのだひろ、編曲:斎藤誠
オリジナルはJAP'S GAP'S、1980年。ジャップス・ギャップスはつのだ☆ひろのバンド。1番は斎藤誠がリード、山根さんはハーモニー。2番は村田和人メイン。アレンジが軽快なのもあるけど、つのだひろの重量感と比べると、必要以上に軽やかに聴こえる。こちらも渋めの選曲。

定価930円、中古で100円。
ゼリービーンズと思われるピンボケ写真。2枚のアルバムも、やる気が感じられないデザイン。

「君の自由」 村田和人 1993年

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村田和人の13thシングル。

①君の自由
作詞:庄司明弘、作曲・編曲:村田和人
遠い潮騒を思わせる30秒の導入に続いて、砕ける波のように入ってくる怒涛のイントロで勝負あり。分厚いコーラスとともに高らかに歌うサビ始まり。「夏」「海」と、村田和人を語るうえで外せないキーワードふたつが埋め込まれている。Bメロで「きっと」「それは」と入ってくるコーラスが達郎っぽいと思ったら達郎だった。

②もう一度
作詞:庄司明弘、作曲・編曲:村田和人
イントロのエレクトリックシタールがフィリーソウルな雰囲気を醸し出す、まったりバラード。全体の印象はスローでも爽やかではあるが、サビに達郎の影響を感じる粘り気あり。

③④カラオケ

定価1000円、レンタル落ち100円。
どことなくオペラ歌手ぽい佇まい。

2月22日に62歳で亡くなった村田和人さん、ご冥福をお祈りします。サンソンで「一本の音楽」を久々に聴いてマクセルのカセットCMを懐かしく思い出した。

「Beginner」 詩子 1992年

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詩子の8thにして最後のシングル。

①Beginner 日本ビジネス専門学校/日本ビジネススクールCMソング
作詞:田口俊、作曲:村田和人、編曲:冨田恵一
ビジネススクールのタイアップにふさわしい、新社会人になる女性たちへの応援歌。不安もあるけどビギナーなんだからいろいろ分からなくてもいい。そんなメッセージをひたすらポジティブに歌い上げる。サビで高音を張るところがちょいNOKKO似。歌上手いけどクセがなさすぎ?残念ながらヒットに恵まれずこれが最後の作品になった。冨田恵一はまだキリンジに出会う前。「打ち込みとは思えないドラムサウンド」がのちの冨田ラボの売りになるわけだが、これは生ドラムかな。

②時空(とき)の川
作詞:作曲:詩子、編曲:冨田恵一
シンプルなキーボード中心(+薄くリズムが入る)のトラックに詩子が切々と歌う自作曲。どうでもいいことを書くと、iTunesに8㎝CDを読み込ませたらこの曲のタイトルが「時空の皮」と表示されてズッコケた。

定価930円、中古で100円。
絵具で描かれた植物のイラストの前に座るWOTAKO。

「GET ON」 GWINKO 1988年

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沖縄アクターズスクール一期生、GWINKOの初8㎝シングル。

①GET ON パナソニック・カー・オーディオ「BR1」イメージソング
作詞:岩室先子、作曲・編曲:西村麻聡、コーラス・アレンジ:CINDY
プリンスでいえば『ダーティーマインド』(1980)のテイストを狙ったと思われる薄い音のファンク。ホーンやコーラスの入れ方は、佐野元春が『VISITORS』(1984)で行った実験の延長線上にある(ラップは元春よりこなれている)。ファンクマナーに従った極めて変化に乏しい展開で、歌謡曲としての成功は最初から狙っていない。溌剌としたGWINKOの歌声は、初期アムロにも通じる沖縄ASスタイル。ぐいぐい攻めていく勢いを感じる、ジャパニーズファンクの傑作。

②帰れない夜  
作詞:月の瀬茜、作曲:大沢誉志幸、編曲:小島良喜、コーラス・アレンジ:CINDY
大沢色バリバリのバラード。「君の住む街角」に近い雰囲気あり。こちらは大人びた表情を見せる恐るべき中学生。

定価1000円、中古で100円。
踊るGWINKO、14歳。

関連吟子
Dance To Christmas
大沢誉志幸を中心としたクリスマススペシャルユニットにGWINKOも参加

「KISS3」 chieco 1997年

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声優・樋口智恵子がchieco名義でリリースした2ndシングル。

アニメ「ケロケロちゃいむ」のエンディング&オープニングテーマ。

①KISS3
作詞・作曲:MOKA、編曲:窪田晴男
タイトルの正確な表記は3が上付き。KISSの3乗で「KISS KISS KISS」と読ませたいようだ(サビにこのフレーズが登場する)。いかにも声優さんらしい作ったヘン声は通常私の苦手分野なのだが、この曲に関しては問題なし。「君のためなら何でもする 君がたのめば何とかする」上下運動が激しいサビ始まり。「する」が一音節ぽく「Through」寄りに発音されている。窪田晴男による弾むダンスビートはコモリタミノルを思わせるノリのよさ。言葉遊び的な歌詞の中、急に「愛されたい」などと素直な告白が入ってきたりするが、声がウソっぽいのでそんなに生々しくならない。昨年たまたま動画サイトで聴いて、即通販で買ったお気に入りの曲。

②LOVE&PEACE
作詞:月海猫、作曲・編曲:平間あきひこ
ガシガシ刻むビートに乗せ、のびのび歌うヘン声。樋口智恵子はアニメの主役ミモリ(カエル族の姫)の声も担当した。

③④カラオケ

定価1020円、中古で498円。
ちょっと前回のGWINKO似の赤いワンピースを着た智恵子、16歳。

「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」 SHIHO 1993年

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セクシーアイドル、SHIHOの8㎝。

Sound Produced by Teddy & Melvin, Rapped by Grandmaster Keysterとわざわざ表ジャケに記載されている。

①SHAKE YOUR BODY [ENGLISH VERSION] ビデオ映画「裏通り雷人」イメージソング
作詞:S. D. Psyche、作曲:TSUKASA、編曲:Teddy & Melvin
タイトルから想像されるとおりのアゲアゲなダンスミュージック。SHIHOの歌唱力はセクシーアイドルの中ではかなり上位に入るが、この曲はちょっと単調でビジュアルなしで聴くのはつらい。編曲者Teddy & Melvinの正体はTSUKASAらしい。ペンネームに反して、全然フィリーな感じはない。

②港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ
作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、編曲:Teddy & Melvin
オリジナルはダウン・タウン・ブギウギ・バンド、1975年の大ヒット曲。こちらもTeddy & MelvinことTSUKASAによるハウスアレンジで。曲紹介のように現れる男性ラッパーが前奏で盛り上げる。オリジナルでは宇崎竜童がぶっきらぼうな語りを聴かせていたパート(それが曲の大部分なわけだが)は、微妙にリズムに乗せてくるセクシーラップ調。怪作「港祭の夜は更けて」での坂本冬美のラップを思い出す。男言葉で「チト判らねェなあ」なんてため息まじりに囁かれると妙に色気がある。キラーフレーズ「アンタ あの娘のなんなのさ!」は可愛いらしく小悪魔風に。サビの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ~」はオリジナルどおり歌い上げる。もともと飛び道具的な曲を大胆にアレンジしつつ、SHIHOの魅力も引き出したナイスカヴァー。

③SHAKE YOUR BODY [JAPANESE VERSION]
作詞:彩本沓
①の日本語ヴァージョン。サビは「SHAKE YOUR BODY INSIDE OUT 快感の海に沈めて」みたいに、J-POP標準くらいには英語詞を残している。

定価1000円、中古で298円。
お手本のようなセクシーポーズできめたSHIHO姐さん。


裏ジャケの美尻に歌詞もいかす!



今日、3月17日がお誕生日。SHIHOさんおめでとうございます!

「なぜ」 Romi 1997年

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成田路実改めRomiの8㎝。Romiとしては3枚目のシングル。

Romiといえば「ひろみ」の愛称と相場が決まっている、と思いきや本名「路実」だった!

①なぜ
作詞:青柳美奈子、作曲:MAYUMI、編曲:葦澤伸太郎
ふわっとしたイントロからゆったりめのビートが入る。内省的なサウンドに寂しげなRomiのヴォーカル。サビ「なぜ恋したの? なぜ見つめたの?」あたりは完全に失恋ソングのムード。しかし結論は「ここからもっと信じあえればいいだけ」と意外にも現在進行形の(順調ではない)恋バナだった。間奏はビブラフォンソロ。いろいろ不安に揺れ動く乙女心を抑えた調子で歌うRomi。何か気になるリアリティがあるのだ。

②Dreamer
作詞:松本理恵、作曲:佐木伸誘、編曲:鈴木豪
こっちはポジティブな曲調。ふっと陰りを見せるRomiの声がポイント。サビにコムロ臭。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
元水着キャンギャルで、写真集2冊を出した経歴もあるが、シンガーRomiはそのへん封印。

RomiのCDはだいたいAmazon中古価格1円なのに。この8㎝だけ異常高値がついているのはどうしてか。2曲ともアルバムに入ってるので謎。

「しあわせ」 CHICO 1992年

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CHICOのおそらく唯一のシングル。

ヴォーカリストの個人名なのかユニット名なのかもわからない。たぶんジャケ中央の短髪の女性がチコさんで、両側で完全に影になっている男ふたりとの3人ユニット名もCHICOなのではないかと予測(シャーデーのパターン)。

①しあわせ
作詞:サエキけんぞう、作曲:新田一郎、編曲:工藤隆・勝又隆一
トレヴァー・ホーンがプロデュースしたグレイス・ジョーンズ『Slave To The Rhythm』(1985)を90年代ハウスサウンドで再び、みたいなコンセプトだろう。ジャケの雰囲気も80年代グレイス・ジョーンズを意識していると思われる(とくに髪型)。サンプリングを多用した攻撃的なサウンドが懐かしい雰囲気。イントロで「バケラッタ」って言ってるよね?主に歌っているのは男性コーラス(ジャケのふたりか?)で、チコは語りメイン。ハッタリかましてナンボのトレヴァー・ホーン精神が継承されている。

②Water Children
作詞:尾上文、作曲・編曲:福冨幸広
こちらもハウスで、よりメロディアス。チコさんの漂うようなヴォーカルも現れるが、どっちかというと男性コーラスの比重が大きい。「地球に帰ろう この星の子供たち」なんてラブロック的な歌詞をよく読むと、じつは水子の話なのか!?

2曲ともアルバム『CHICO』(1992)収録曲。

翌年の2ndアルバム『SPUNKY』では女性がふたり増えて5人組になっていた。

定価900円、中古で100円。
裏ジャケはヴォ―ギングきめてる。



こっちのがインパクトあってよかったんじゃない?

「目覚めの三月/ドゥリフター」 高野寛 1991年

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高野寛の6thシングル。

Produced, Engineered & Mixed by Todd Rundgren

Drums: Jerry Marotta
Bass: Tony Levin

①目覚めの三月(マーチ) Awakening March
作詞・作曲:高野寛
ピーター・ガブリエル・バンドのリズム隊!アルバム『AWAKENING』のタイトルソングにして、2曲目だけど実質的なオープニングナンバー。新しい扉を開く期待と不安を描いた「変革」の歌。

②ドゥリフター The Drifter
作詞・作曲:R. NICHOLS, P. WILLIAMS、日本語詞:高野寛
のちにカーペンターズのヒット曲で大メジャーになるロジャー・ニコルズ&ポール・ウィリアムズのコンビによる作品。日本ではソフトロックといえばロジャニコというくらいの人気ソングライターの、代表作。ロジャー・ニコルズ・アンド・スモール・サークル・オブ・フレンズのシングル(オリジナル)と、ハーパース・ビザールのアルバム『シークレット・ライフ』に収められた傑作カヴァーはいずれも1968年。
そんな渋谷系アンセムともいうべき人気曲を日本語カヴァー。線の細い高野寛の声は、こんなソフト&ドリーミーな曲にハマりすぎ。「今まで君が見てた僕の笑顔は 半分かそれ以上つくり笑いだ」なんて苦めの歌詞もソフトに聴かせる。サビでは「もうきっとそこにいない ちょっと先に行くさ」と促音でリズムを作っていく。アレンジはほぼロジャニコのオリジナルどおり。ハーパース・ビサールのヴァージョンではカットされていたBメロもちゃんと歌われている。

定価930円、中古で100円。
珍しく信藤三男の名前がちゃんと記載されていた。やや作りこみすぎのコラージュジャケ。

「四月わたしに花が咲く」 高橋ひとみ 1991年

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高橋ひとみの2ndシングル。

女優の副業として1990-91年に2枚のシングルと1枚のアルバムを残した。

①四月わたしに花が咲く
作詞;松井五郎、作曲:川上進一郎、編曲:松本晃彦
化粧品タイアップがついてないのが不思議なくらい、春らしいウキウキしたムードにあふれた作品。弾むビート、キラキラしたシンセ、サビの「四月わたしに 花が咲く きっと明るい 春がくる 胸いっぱいに ほら 恋模様」なんて80'sCMソングを思わせるキャッチ―さ。難があるとすれば安定はしているものの、やや一本調子なヴォーカルか。ひとみさんの落ち着いたムードが、ハイテンションな曲に追い付いていない。

②指紋
作詞;松井五郎、作曲:辻畑鉄也、編曲:鳥山雄司
こちらは影のある歌唱で聴かせる不倫モノ。最後の夜に彼の部屋で「そっとふれる 鏡 残してく 指紋」。「真珠のピアス」に似たシチュエーションだけどユーミンの描く主人公よりだいぶ控えめ。①よりはフィットしている。しかし、女優・高橋ひとみならもっといけるのでは、と思ってしまう。声が明朗すぎてイヤラシさが足りない。小林麻美や佐伯伽耶が歌ったらもっとこってりして名作になったかも。

③④カラオケ

定価1000円、中古で180円。
カッチリした笑顔を見せるひとみさん。女優ライト当てすぎでハレーション気味。赤バックのデザインはどちらかというとチープ系。

「想い出が雨に濡れないように」 高橋則子 1994年

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高橋則子は、1993年から1999年にかけてキングとポリドールから各2枚ずつの8㎝をリリースした。

7年で4枚のシングルってなかなかのスローペース。フルアルバムはないが、デビューシングル「いつか好きだと言って」が同名TVドラマ主題歌だったのでサントラアルバムが存在する(が、たぶん高橋則子さんの曲は「いつか好きだと言って」1曲のみ)。そういうわけで厳密には違うけど、ほぼピュア8cmシンガー。

高橋則子の2ndシングル。2枚目以降はすべてアルバム化されていない。

①想い出が雨に濡れないように TBS系テレビ「スーパーワイド」エンディングテーマ
作詞:三浦徳子、作曲:岸正之、編曲:本間昭光
王道失恋バラード。則子さんの歌唱は私の趣味からするとちょっと情緒過剰なのだが、あまりにも直球ど真ん中なので参りましたとしか言えない。こんなにこってりした曲にはこれくらいのウェットな歌唱で立ち向かうしかない、と納得してしまう。上手だけど一流になるには何かが足りない。それどころかアルバムまでたどり着けなかったのは実力以外の要素もあったのだろうさ。そんな8㎝でしか聴けない知られざる名バラードは、現在Amazon中古価格150円から。

②27才
作詞:三浦徳子、作曲:高橋一路、編曲:本間昭光
ザ・シャムロックの高橋一路によるレゲエ歌謡。こちらもいい。「秋には結婚する」と小さな嘘をついてみたGoroとの微妙な駆け引き。「こんな私でも 好きと言ってくる人 どこにもね いないかも」とえらく弱気になるサビメロが切ないのだ。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
ロングヘアをかきあげる則子さん。いい感じのソフトフォーカスかけてみた。

「今までどんな恋をしてきたんだろう」 高橋由美子 1997年

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高橋由美子の21stシングル。

1990年~1999年に24枚のシングルをリリースした高橋由美子。すべてが8㎝短冊なのが素敵。


①今までどんな恋をしてきたんだろう
作詞:村田恵里、作曲:山田直毅、編曲:亀田誠治
ゆったりしたバンドサウンドをバックに歌われるバラード。高橋さんのカッチリした歌唱はサラッと聴けてしまうのだけど、情緒の押し売りがない分じわじわ切ない。「冷たい春の風 心をすりぬける」あ、今の季節の歌だった。

②どーにかして!!
作詞:青柳美奈子、作曲:高浪敬太郎、編曲:亀田誠治
カップリングは元ピチカート・ファイヴ、高浪敬太郎作品。こちらは打ち込みの軽快なサウンドに乗せ、喧嘩しても自分から謝れない女子の葛藤を描く。サビの頭でひっそり現れる男性ヴォーカルは高浪さんだろうか。ラスト「早く会わなくちゃ死んじゃう!」のキュートにやられる。改めて、完成度高すぎたアイドル。オリジナルアルバム未収録。2010年のボックスセット『Complete Single Collection “The STEPS”』が出るまではこの8㎝でしか聴けなかった。

③④カラオケ

定価1000円、中古で100円。
ずいぶん大人になった感あるが、まだ23歳。


関連高橋由美子
だいすき
WILL YOU MARRY ME?

「君と僕と毎日と」 高浪敬太郎 1995年

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高浪敬太郎唯一のシングル。

3rdソロアルバム『life-size rock』(1995)からの先行シングル。

①君と僕と毎日と
作詞:芹沢類、作曲・編曲:高浪敬太郎
チューリップ的な抒情性をもつ、やっぱりマッカートニーの影がちらつくポップソング。「一緒にいこうよ」と告白のようにプロポーズのように甘く歌っわれる。

②self seeking man
作詞・作曲:高浪敬太郎、編曲:鈴木智文
こちらはゴリゴリのロックナンバー。意外なくらいうなりまくるギターソロが聴ける。自作の詞は、「君」を部屋に残して失踪する男の話。「部屋じゅう山のように積まれた たくさんのレコードや本が 突然崩れ落ちてきたら」の導入に、閉塞感とともにそれまでのキャリア(大雑把に言って「渋谷系」)との決別を意図しているように感じる。

1曲目で「一緒にいこうよ」と人生の伴侶と一緒に歩み始めたと思ったら、2曲目で「僕は疲れているみたい」「僕は行くよ」とひとり彷徨う流れ。続けて聴くとかなり切ないな。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
芝生に置かれたバスタブに、着衣&靴をはいたまま横たわる高浪さん。くわえタバコで広げている新聞には漢字が並んでいる。よく見るとバスタブには湯がはってあり、新聞の下半分は浸水しているのだ。ヌーベルバーグのポスターの雰囲気もある、縦長を活かした短冊ならではの名作ジャケ。

「真夜中のサブリナ」 高岡早紀 1988年

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高岡早紀のデビューシングル。

①真夜中のサブリナ
作詞:真名杏樹、作曲・編曲:加藤和彦
ヨーロピアンな憂鬱を15歳の美少女に歌わせる。加藤和彦の本領発揮。ひんやりデカダンな世界観、とくに起伏の乏しいAメロの美しさは陽水「リバーサイド・ホテル」(1982)と兄妹曲と言えそう。高岡さんの歌唱はたどたどしさが武器。完璧な小悪魔を演じている。

②NON! NON! NON!
作詞:真名杏樹、作曲・編曲:加藤和彦
イントロと間奏に男性による仏語の語り。音質は映画からの引用っぽい。ヴァーナ・リント「アテンション・ストックホルム」(1981)に通じるサスペンスタッチのアレンジがスリリングなイエイエ曲。加藤和彦がこの後展開する高岡ワークスにおける立ち位置(ゲンスブール役)を高らかに宣言しているのだ。リズムに乗りきれない歌唱も60'sフレンチロリータたちをトレースしている。

定価1000円、中古で100円。
絵に描いたようなロリ巨乳。そして、鎖骨の美しさ!

2曲とも1stアルバム『サブリナ』には未収録ってなにやら贅沢な雰囲気。2013年の再発盤『サブリナ+8』にはこのシングルの2曲はもちろん、シングルには入っていなかったカラオケも追加収録。


関連高岡早紀
悲しみよこんにちは
フリフリ天国

高岡早紀7

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高岡早紀は1988年~1991年に7枚のシングルと3枚のオリジナルアルバムを残し歌手活動を終了。長らく女優業に専念してきたが、2014年まさかのニューアルバム『Sings-Bedtime stories』をリリース。


そんな早紀さんの15歳から18歳の姿が拝める傑作シングル集。

上段左から

真夜中のサブリナ」 1988

「眠れぬ森の美女」 1988

悲しみよこんにちは」 1989

「薔薇と毒薬」 1989


下段

フリフリ天国」 1990

「セザンヌ美術館」 1990

「Ni-ya-oo」 1991

7枚目以外は加藤和彦作品。どれもレベル高い!あえてベストを選ぶならやっぱり「フリフリ天国」かなあ。

ラストシングル「Ni-ya-oo」は高橋鮎生作曲で、矢野誠によるビッグバンドジャズアレンジ。23年後のジャズシンガーとしての復活を予告しているかのよう。

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