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Channel: 失われたメディア-8cmCDシングルの世界-
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プラスチックトレー基本編5

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8㎝CDシングルの世界。

一番大事なのは、もちろんCD。というかその中に記録されている音楽のはなしを中心に書いている。

その次はジャケット=紙部分。ほぼ毎回ジャケットについて触れているし、歌詞やクレジットが印刷されているので重要な情報源だ。

ジャケットに糊付けされたパーツ、CDの中央に空いている穴に対応する凸部でCDを固定する役割を担う、プラスチックトレーが今回の主役。


では、基本編5枚を左から紹介。


基本中の基本、白トレー。

かっこイイ ダーリン」 GO-BANG'S 1988年

白は疑いなく、最も多い基本形。私の感触では80%近くはこの白。皆さんの家にあるのもこれが最も多いはず。


となりは、灰色。

東京ぬけ道ガール」 岡田徹 presents LIFE GOES ON 1995年

多くはないけど、珍しくはない。白よりちょっと落ち着いた雰囲気。細かいホコリのようなものが混じったリサイクル系?単に漂白前?


中央は透明。

「ヴィーナス」 REI 1998年

透明は2番目に多いかな。透明プラスチックは、あたり前だが下地の色が見えるので、紙に色をつけたくなるのが人情。そのほうが綺麗だし。これはあえて白地で勝負したちょっと珍しいパターン。じゃあ白でいいじゃん、という。


そのとなり、漆黒。

「ひがらがさ」 おおたか静流 1997年

真っ黒。単色の黒。じつはそんなに多くない。が、珍しいというほどではない。


一番右、霜降り黒。

「Be proud」 知念里奈 1999年

漆黒に比べ、くすんだ感じ。細かい白い点が霜降りのようにまぶされている。これも多い。透明とどっちが多いか?というレベル。写真では違いが判りにくいかと思ったが、撮ってみたら実物よりはっきり区別できた。


「白-灰色」の関係と、「漆黒-霜降り黒」の関係が対応している。


以上、プラスチックトレーの基本編5枚を紹介した。


一応、表ジャケットもお見せしておく。



10x10その8 プラスチックトレー応用編 カラートレー10

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さあ、応用編。色付きプラスチックトレーの世界。

短冊棚を横から眺めてピックアップした10色。赤系は微妙なのもあるけど、よく見ればはっきり違うから!


上段左から。年代順。

淋しい熱帯魚」 WINK 1989年
私の棚にあった中で最古のカラートレーはピンク。80年代から存在したんだ。4x4の格子の向こうには「さらにコンパクトに」。

ホールド・オン」 ウィルソン・フィリップス 1990年
レッド。朱色ぽい明るい赤。この色は今回紹介した10色中、最もレア度が低い。うちの棚の中に10枚以上あった。洋盤のカラートレーはこの赤しか発見できなかった。

好きだったのに」 寺尾友美 1992年
ワインレッド。ジャケットのブドウアクセサリーに対応したカラーリング。ここまでの3枚は格子の向こうが白。

「COMPLEX BLUE-愛だけ哀しすぎて―」 THE ALFEE 1994年
ダークブルー。ジャケも盤も真っ青。統一感のある一品。

「LOVE LOVE SHOW」 THE YELLOW MONKEY 1997年
スケルトンイエロー。透明トレーを黄色地に乗せればほぼ同じ効果が得られるのに、あえて蛍光イエローを透明プラスチックに溶かし込んだ。バンド名に恥じないレアカラー。


下段左から。

「Sunny day Holiday」 松任谷由実 1997年
オレンジ。4x4の格子を額縁として利用したユーミン16態がいかにも信藤デザイン。

豹柄とPink」 アン・ルイス 1998年
スケルトンピンク。これも蛍光色。下地にはもちろん豹柄。T-BOLAN「SHAKE IT」(1995)が同じ色だった。

ヘロン」 山下達郎 1998年
スカイブルーのトレー。歌詞では「飛び立てヘロン 金色の空へ」と朝焼けの風景が描かれているけれど。

緑の季節」 山本潤子 1998年
名曲のコンセプトに合わせた、必然性のあるグリーン。ポケット ビスケッツ「GREEN MAN」(1997)もまったく同じグリーントレーだった。いずれも東芝EMI盤。

「いつか晴れた日に」 山下達郎 1998年
最後はまた達郎。ダークレッド。曲の内容からするとこっちのがスカイブルーにふさわしいように思う。


2枚目の赤とスケルトンピンク、グリーン以外は1枚ずつしか発見できなかったレアカラー。

他にもきっとあるはず。求む、色トレー情報。

では、最後にジャケットを。






「Sunny Day Holiday」 松任谷由実 1997年

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松任谷由実の31stシングル。

①Sunny Day Holiday
作詞・作曲:松任谷由実、編曲:松任谷正隆
イントロはほぼ「恋するカレン」。ユーミンは「♪キャーンドールーを~」とは歌いださなかったけど、正隆さんのアレンジはナイアガラオマージュともいうべき音壁系。切羽詰まった歌いっぷりがグッとくる、ドラマチックなAメロが最高。「わき役でいいから」に似てるな。

②夢の中で〜We are not alone, forever(映画ヴァージョン)
作詞・作曲:松任谷由実、編曲:松任谷正隆
中本奈奈主演、角川春樹監督の映画「時をかける少女」(1997)主題歌。忘れ去られたマイナー作品だが、ナレーションは原田知世、主題歌がユーミンという豪華布陣だった。ミドルテンポで淡々と歌うユーミン。「もしも夢の中で あなたがちがう人になっても探しだせる」なんてフレーズで映画を思い出して切なくなる。あ、もちろん知世主演、大林監督の1983年版のほうね。ちなみに春樹版の主題歌はもう一曲あって、「時をかける少女」(1983)の歌詞に、ユーミンが新たに別のメロディをつけた「時のカンツォーネ」。

③④カラオケ

定価1020円、レンタル落ち50円。左は10円の値札がついているが、いただきもので0円。
なぜ2枚ならべてみたか。中央に太めのユーミンを作りたかったわけではなく、中を見せたかったから。




トレーの色違い。見てのとおり、左がオレンジで右が白のトレー。

今回カラートレーを探していて、この色違いに気づいた。ジャケ内側がオレンジ色なので当然オレンジトレーがオリジナル(初回盤)でセカンドプレスから白トレーになったのだろうと思っていた。前の記事のコメントでNANOHANAさんが指摘しているように「真夏の夜の夢」(1993)の初回盤は赤トレー、それ以降は白なので、この盤もそのパターンの可能性はある。しかしこのシングルは「真夏の夜の夢」ほどはヒットしてないしなあ。

二つ前の記事で中古CDを扱っていた経験のある祥さんがコメントしてくれた。

「トレー半分がポキンと折れている場合、同じ色のトレーの在庫があればそれと同じ色に交換、なければ白のトレーにのりを塗り台紙に貼る。」

なるほど。オレンジトレーはこの盤でしか見たことないレアカラー。同色在庫があるわけないので白トレーに交換されたのかも。そう疑ってじっくり糊付け部分を見たりしたけど結論が出るはずもない。ちなみにこの2枚、トレー以外にはジャケ、盤ともにまったく違いはない。ご丁寧に緑のレンタルシールも一緒。

白トレーを新品で買った、という人がいるのかってことだな。情報求む!

東芝EMIの赤トレー10

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またトレーの話。

棚を眺めていて、赤トレーは比較的よく見かける。拾ってみると東芝EMIだけで11枚あった。前々回紹介した「ホールド・オン」以外の10枚を並べてみた。

ちなみにウィルソン・フィリップス「ホールド・オン」(1990)の規格品番は「TODP-2160」。


上段左から。

ビコーズ・アイ・ラブ・ユー」 スティービーB (1991) TODP-2228

「ロマンスBU・SO・KU」 奥山佳恵&フィフティーン・キャンプ (1992) TODT-2739

「アイランド・オブ・ライフ」 ジョン・アンダーソン (1992) TODT-2801

「世間知らず」 忌野清志郎 (1992) TODT-2795

「春をとめないで」 長澤義塾 (1992) TODT-2811


下段。

「私」 鈴木ユカリ (1992) TODT-2815

「泡の魔術」 高野寛 (1992) TODT-2827

東京ウキウキ天国ヴギ」 木の実ナナ (1992) TODT-2638

「GLASS ROOTS」 GREAT 3 (1996) TODT-3855

「レッド エンジェル」 ポケット ビスケッツ (1997) TODT-3909


全部赤いのでひとつひとつ解説はしない。奥山佳恵から木の実ナナまでの7枚は1992年リリース。1992年のEMIは赤トレーブームが吹き荒れたようだ。きっと他にもあるはず。

ではジャケも。





各社の赤トレーを比べてみよう。

今回は先にジャケを。



東芝EMIはウィルソン・フィリップス「ホールド・オン」(1990)

ポニーキャニオン代表、オリジナル・ラヴ「宝島」(1998)

ワーナーは山下達郎「いつか晴れた日に」(1998)

パイオニアから、KATSUMI「情熱」(1994)

テイチクの寺尾友美「好きだったのに」(1992)

ジャケを開く。



写真でどれくらい伝わるだろうか。東芝とポニキャンはほとんど変わらない。パイオニアとテイチクも紫がかった赤で似ている。でも一番左の東芝の赤と、一番右のテイチクの赤(ワインレッド)は明らかに違う。こうして5枚並べると、微妙な違いのグラデーションになっている。




「ロマンスBU・SO・KU」 奥山佳恵、 「アイランド・オブ・ライフ」 ジョン・アンダーソン 1992年

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EMI赤トレーから2枚。

1992年の映画「十五少女漂流記」イメージソング&主題歌。

Wikiのタイトルは「喜多郎の十五少女漂流記」になっている。しかし、この8㎝2枚のどこにも「喜多郎の」が付いた表記は出てこない。映画は喜多郎の企画で、もちろん音楽担当は喜多郎本人。2枚の8㎝に収録された4曲すべての作曲は喜多郎。


では、左、2月26日発売のイメージソング。

「ロマンスBU・SO・KU」 奥山佳恵&フィフティーン・キャンプ(タイトルは文字数制限で「&フィフティーン・キャンプ」が入らなかった)

奥山佳恵のデビューシングル。このあと同年に2枚のソロ名義のシングルをリリースしたのみでアルバムはない、ピュア8㎝シンガー!

①ロマンスBU・SO・KU
作詞:三浦徳子、作曲:喜多郎、編曲:中村哲
映画の主演女優だった奥山佳恵をメインヴォーカルに、十五少女からの選抜メンバーふたりからなる「フィフティーン・キャンプ」をコーラスに従えたガールグループ。喜多郎ってこんな昭和テイスト全開なアイドルポップスも書けるんだ、と軽く驚く。世代的には「シルクロード」と「1000年女王」のスケール感のあるシンセサウンドのイメージしかないから。サビの「Why, Why, Why, ロマンス不足で 死にそうなのに Dream, Dream, Dream, 純情可憐なだけの Lonely Day」音の動きの幅が極端に少ないのにこの切なさはお見事。「Dream, Dream, Dream」に重なるビーチボーイズ風コーラスで切なさ倍増。内容は「漂流記」とはまるで関係ない。

②ぼくたちの勇気
作詞:三浦徳子、作曲:喜多郎、編曲:中村哲
「Teenage blue 若すぎるね ぼくたち」と十代らしく悩むアンニュイ系。①に比べ元気のない歌唱が、妙に古臭い印象を与える。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
まん中に主演の奥山佳恵(17)。左に山本未來(17)、右に小牧芽美(18)。
どうでもいいけど、Amazonにはこのシングルを様々な角度から撮影した写真がなんと7種も掲載されいる。なぜかすべてビニール袋に入っている状態で、斜め下からとか斜め横とか謎アングルが多い。赤トレーがはっきり確認できる。


右、主題歌。

「アイランド・オブ・ライフ」 ジョン・アンダーソン

①アイランド・オブ・ライフ ISLAND OF LIFE
作詞:JON ANDERSON、作曲:喜多郎
喜多郎のイメージを裏切らない、壮大としか言いようのないバラード。大した展開もないのに8分29秒は長すぎる。もっとこう、変拍子とか意外なアレンジとか入れてこないとこのヴォーカルが活きないのではないか。

②レディ・オブ・ドリームス LADY OF DREAMS
作詞:JON ANDERSON、作曲:喜多郎
こっちも壮大系バラード。①との変化がなさすぎで飽きる。7分28秒。

定価930円、中古で50円。
神々しいぜ、ジョンさま!


裏ジャケは2枚とも横型で、映画のワンシーン。



「ロマンスBU・SO・KU」は十五少女の約半分が写っていて、ツートップは奥山佳恵(左)&山本未來(右)。

「アイランド・オブ・ライフ」はがんばって15人全員を収めた。無人島サバイバルを分かりやすく表現している。

「Joseph! Joseph!」 EVE 1990年

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EVE are; LEONA(新里玲乙奈), CLARA(新里久良良), LILIKA(新里梨里佳)

沖縄出身の三姉妹。1976年デビューのベテランコーラス職人による洋楽日本語カヴァー。


①Joseph! Joseph! フジテレビ系ドラマ「男と女・ニューヨーク恋物語Ⅱ」主題歌
作詞・作曲:Nellie Casman, Samuel Steinberg、編曲:鷺巣史詩郎、日本語詞:及川眠子
オリジナルは1923年に書かれたジューイッシュソング「Yossel Yossel」。1938年にリリースされた米国の三姉妹The Andrews Sistersによる英語ヴァージョンが第二次世界大戦中にヒットした。EVEはこのアンドリューズ・シスターズのヴァージョンを下敷きに日本語化。ビッグバンドスタイルのスイングする演奏をバックに、夜のムードを振りまきながら色気たっぶりに歌う実力派三姉妹。ドラマは見たことないけど、田村正和と篠ひろ子が繰り広げる大人の恋路を盛り上げていたのだろう。4分17秒。

②Joseph! Joseph!(English version)
英語詞はSammy Cahnにより書かれたとの情報がネット上で確認できたが、このCDには記載がなかった。4分15秒と日本語ヴァージョンとサイズはほとんど変わらないものの、まったく別アレンジ。90年代的な打ち込みビートで①より攻撃的に迫る。EVEの歌唱も日本語よりパンチが効いた仕上がりに。

YouTubeで聴けるこの曲の日本語ヴァージョンはこちらのアレンジに日本語が乗っている。アルバムに入っているのかな?そうなると①はシングルのみのアレンジなのかも。

定価800円、中古で100円。
トレンディなのだろう、マンハッタンの夜景。今は亡きツインタワーが中央にそびえる。
裏はEVE三姉妹をイメージしたモンロー風のイラスト。

レンタルシールの世界 邦楽編

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これは10周年でやらねばなるまい。

CD本体、ジャケット、プラスチックトレーときたら、次は何だ。ビニール袋に貼ってある販促シール?うん、それもあるけど…

今回はレンタルシール!

レンタル落ちは嫌いじゃない。切手集めてた頃も使用済み(消印が押してあるやつ)が好きだった。

私のコレクションのほとんどは中古屋で買ったもの=誰かの手を渡ってきた短冊たち。その刻印が分かりやすく表示されているのがレンタルシールだ。未使用の美しさを求める向きからは忌み嫌われ、上手な剥がし方をYouTubeで教えてもらえたりしちゃう。邪魔者として上から塗りつぶされてるものもある。そんな嫌われモノの歴史を紐解いてみよう。




最も古いのはの楕円JPRAシール(長径22mm、短径13mm)。中央に「JPRA」のロゴ、上に「RENTAL CD用©」、下に「社団法人日本レコード協会」。1988年から1991年頃まで使用された。

ところでJPRAって?現在の日本レコード協会の英語名はRecording Industry Association of JapanでRIAJ(リアJ?)と略される。当時はJAPAN Record Associationだったのだろうか。

左から、青、紺、赤。

青、「マロニエ通り」 吉沢秋絵 1998年

紺、「ラヴァーズ・ロック」 ピチカート・ファイヴ 1990年

赤、「アンバランス・ゾーン」 荒井尚子 1990年

赤はレアカラーだと思う。



その次は銀色に輝く円形シール(直径22㎜)。CD盤をモチーフにしたと思われ、光の加減で回転しているように見える。3重の同心円の外周に「RENTAL CD」「社団法人日本レコード協会」の文字が入る。青い矢頭にカラーバリエーションがないかと探してみたが見つからず。1991年から1992年にかけてのレンタル落ちCDで確認できた。

レッツ オンド アゲイン」 細川たかし 1992年




おなじみ「8」が目立つ、8㎝CDでもっともよく見かけるレンタルシール(直径20㎜)。中央に「8」、その外側に「RIAJ」、さらに最外周に「RENTAL CD」「社団法人日本レコード協会」。時代順に黄(1992-94)、赤(1994-97)、緑(1996-)と色を変えていった。

黄、「ジャングル・スウィング」 山下達郎 1993年

赤、「サマージャム'95」 スチャダラパー 1995年

緑、「春にして君を想う」 小沢健二 1998年

青緑、「BODY SYNDICATE」 dps 1999年
これは微妙な色違い?単なる退色?明るい光の下で見ると結構違って見えるので「青緑」にしてみる。しかしこの色これしか見つからない。やっぱり色あせなんだろうか。


例によって、こんなシールもあるよ情報随時募集中。と言ってもこれはタイトルを挙げるものではないので、難しいな。Twitterかなんかで画像送ってもらえると嬉しい。


レンタルシールの世界 洋楽編

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洋楽編は5枚。

邦楽とは異なるシールが貼られていることが多い、洋楽短冊のレンタルシールを並べてみる。今回は再発モノばかり。



左から。この3種は紙タイプ。前回の邦楽編はすべてメタリックなコーティングが施されたシールだった。

恋のカーニバル」 セルジオ・メンデス 1983年
1991年に8㎝化。22x14㎜の楕円形。前回紹介した「JPRA」の楕円シールより短径がわずかに長い。中央に「P」、上部に「RENTAL CD用 8」、下部に「社団法人日本レコード協会」。

ワイルドでいこう」 ステッペンウルフ 1968年
1993年の短冊CD。大型楕円形25x17㎜。中央の三角形の中に「P」。長軸に沿って、左に「JP」、右に「RA」。上部に「RENTAL CD」下部は「社団法人日本レコード協会」。上と同じ紺色。

雨にぬれても」 B. J. トーマス 1969年
1995年の缶ビールタイアップ。大型楕円の桃色タイプ。下の文字が透けて見える。





直径20㎜のメタリックシール。邦楽編の「8」シールと同サイズ。中央に「Y」、その外側下部に「RIAJ」、最外周に「RENTAL CD」「社団法人日本レコード協会(洋盤)」。


ホテル・カリフォルニア」 イーグルス 1976年
1996年リリース。緑地に橙色の「Y」。

悲しみのアンジー」 ザ・ローリング・ストーンズ 1973年
1997年にドラマタイアップで短冊化。紫地に水色の「Y」。


うちの洋盤8㎝短冊で見つけたのは以上5種類。追加あったら教えて。


あと「8」のシールが貼られたのもあった。



10㏄「長い家路 Ready To Go Home」 1995年
邦楽編で紹介した、赤い8シール。洋盤に貼ってもよかったのか、間違って貼ったのかは不明。




「ナンダカンダ」 藤井隆 2000年

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藤井隆のデビューシングル。

ジャケットはマキシサイズで、盤は8㎝。

①ナンダカンダ
作詞:GAKU-MC、作曲・編曲:浅倉大介
TMRのプロデューサーとして勢いに乗っていた浅倉大介が吉本芸人をプロデュース。もちろんTMR路線のアッパーできらびやかなダンスサウンドが展開される。キャッチーなサビは確かに「Too Many Broken Hearts」にそっくりだな。西川貴教ほど押しの強くないヴォーカリストでも余裕で大ヒット。この曲で紅白出場も果たした。藤井隆はその後松本隆、筒美京平、堀込高樹などの豪華作家陣から楽曲提供を受けた。最近ではtofubeatsが「ディスコの神様」(2014)で藤井隆をフィーチャー。今年リリースされた11年ぶりのオリジナルアルバム『COFFEE BAR COWBOY』は西寺郷太・冨田謙・藤井隆共同プロデュース。デビューヒットが華々しすぎたのでその後はチャート的には地味な印象だが、お笑い芸人の余技のレベルを超えた充実した音楽活動を続けている。

②ナンダカンダ「あんたなんだ次の番は。」
つまりカラオケ。サビの歌詞「あんたなんだ次の番は」にかけたタイトル。

定価816円、レンタル落ち50円。
帯のコピーを転記。「疲れている方、悩んでいる方、落ち込んでいる方、決断力のない方にこの一曲。ぜひお試しください。非常によく効きます。」

黄文字に挟まれ、寝ながらジャンプしているような藤井隆。プラスチックケースに貼ってあるのは緑色の「8」レンタルシール。中身が8㎝だからちゃんと「8」シール。マキシジャケに8㎝CDのパターンは90年代末期に現れ、2000年にほぼ絶滅する。それは演歌以外で短冊8㎝が消えていったから。

12cmCDレンタルシール 邦楽編

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8cmCDのレンタルシールについて語ったが、12㎝CD(マキシシングルとアルバム)についても調べてみた。

今回は邦楽編。

12㎝CDの歴史は1982年から始まる。8㎝CDは1988年から。2000年を境にシングルはマキシサイズが主流となった。

左、『PEARL PIERCE』 松任谷由実 1982年 これは1985年の再発盤。
プラスチックケースに貼られた楕円シール(31x20mm)は中央に「JPRA」、上に「RENTAL CD用 A(〇の中にA)」、下に「社団法人日本レコード協会許諾証」。
12㎝は盤にもシールが貼ってあることが多い。径17mmの円形シールに「レンタル用コンパクト・ディスク RENTAL D(〇の中にD) 社団法人日本レコード協会」。

右、『ファイナル・ミックス』 PINK 1988年
同サイズの楕円シール。ユーミン盤では〇の中にAだったが、こちらは「M」。それだけの違い。どういう意味なのかは知らない。盤のほうはユーミンと同じく「D」だった。




銀色シール(直径22㎜)の矢頭カラーバリエーション。

左から、

『ローズ・セ・ラ・ヴィ』 野田幹子 1991年 8㎝邦楽編「レッツ オンド アゲイン」と同じ青。

『SOUL KISS』 チャラ 1992年 黄色。

『大瀧詠一』 大瀧詠一 1972年 1995年の再発盤は赤。

『Vague』 中谷美紀 1997年 これは矢頭なし。

8㎝では短期間しか確認できなかった銀色シールだが、12㎝では結構長く使用されていた。

CD盤面のシールを並べてみる。



それぞれ矢頭の色に対応した径17㎜のシール。矢頭なしの中谷美紀盤に貼ってあったのは、緑シール。黄、赤、緑は8㎝での「8」シールの色の変化と一致しているようだ。青時代は8㎝も銀色で共通だったということ。


その次は径22㎜の「RIAJ」シールの時代。



この4枚はすべてマキシシングル。左から。

「サニーデイ」 櫛引彩香 2001年 緑。

「センチメンタルジャーニー」 YUKI 2003年 橙。

「タイガー&ドラゴン」 クレイジーケンバンド 2005年 黄。

「ジュゴンの見える丘」 Cocco 2007年 黒。

それぞれのCD盤面には銀色シール時代と同じデザインの径17㎜のシールが貼られていた。もちろん、ケースのシールの色に対応している。


さらに最近のもの。サイズは同じ22㎜。



左、「染まるよ」 チャットモンチー 2008年 赤地に銀文字で「RIAJ RENTAL  社団法人日本レコード協会」。
盤面のシールは中央に「邦」の文字。

右、「噛むとフニャン」 佐々木希 2010年 青地に「RIAJ RENTAL  一般社団法人日本レコード協会」。「一般」が増えた!
盤面のシールにももちろん「一般」が追加されている。


見慣れないやつ。



「ESCAPE」 在日ファンクとROY(THE BAWDIES) 2010年
径21㎜の銀色シールには「MY-JOR MUSIC許諾証 日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合」の文字。RIAJとは別の組織のようだ。

長くなった。洋楽編につづく。

12cmCDレンタルシール 洋楽編

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12㎝CDの洋楽編。

左、『ブリリアント・ドリームス』 エイス・ワンダー 1997年
紙製楕円シール(30x19mm)。上に「RENTAL C.D」中央の三角形の中に「P」その下に「レンタルコンパクト・ディスク」、さらに下に「社団法人日本レコード協会」。

右、『ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ』 デヴィッド・ボウイ 1993年
これは8㎝洋楽編で紹介した、ステッペンウルフの短冊に貼ってあったのと同じ楕円シール。


「Y」シール4種。
直径20㎜の中央に「Y」、その外側下部に「RIAJ」、最外周に「RENTAL CD」「社団法人日本レコード協会(洋盤)」。



左から。

『ソウル・トレイン Vol.2』 1996年のオムニバス盤。緑地に橙色のY。

『THE BEST OF HERBIE HANCOCK』ハービー・ハンコック 1997年のコンピ。青地に橙色のY。

『ジョイア』 カエターノ・ヴェローゾ 1975年 1998年の再発盤。紫地に水色のY。

『ブラームス:4つのバラード 2つのラプソディ』 グレン・グールド 1983年 2007年の紙ジャケ再発盤。赤地に黒のY。

緑と紫は8㎝洋楽編で紹介したものと同じ。

CDリリース順に並べてみたが、レンタルシールの年代順では紫のあとに青がくるようだ。ハービー・ハンコック盤はリリース後かなり時間がたってからレンタル店に並べられたものと思われる。




盤に貼ってあるのは径17㎜の「Y」シール。ケースのシールの簡素版で、「Y」の色がない。

「ゲゲゲの鬼太郎」 憂歌団 1996年

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憂歌団の8㎝シングル。

フジテレビ系アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」(アニメ第4シリーズ)オープニング&エンディングテーマを収録。

①ゲゲゲの鬼太郎
作詞:水木しげる、作曲:いずみたく、編曲:憂歌団
オリジナルは熊倉一雄、1968年。鬼太郎といえば「ゲ ゲ ゲゲゲのゲ」。60年代の第1シリーズと70年代の第2シリーズは熊倉一雄が歌い、80年代の第3シリーズでは吉幾三が歌ったこの曲を、90年代は憂歌団がカヴァー。40年で5シリーズ作られたのも大したもんだが、一貫して同じ主題歌が使用されてるのも凄すぎる。水木しげるによる全方位(学生、サラリーマン、老人)へ向けた普遍性のあるメッセージ、いずみたくのシンプル&キャッチーとしか言いようのないメロディ。小学生が一度聴いただけですぐ歌えてしまう、恐るべき名作。
憂歌団はこのスタンダードナンバーをほぼオリジナルに忠実にカヴァー。木村充揮はとくにひねらずいつも通りに歌うだけで、申し分のない妖怪ムードだし。サウンドは紛れもなく憂歌団なのだが、あまりにも違和感がなさ過ぎて、逆に新しく作らなくてもよかったんじゃね?レベル(もちろん、いい意味で)。主題歌を憂歌団にオファーしたスタッフの勝利だな。

2007年からの第5シリーズでは泉谷しげる、ザ50回転ズがこの曲を担当。その後はまだ作られていない。次に頼むとしたら、妖怪度で知久寿焼+石川浩司かな。あるいは玉置浩二ってのもありかもしれん。

②カランコロンの歌
作詞:水木しげる、作曲:いずみたく、編曲:憂歌団
オリジナルは加藤みどり・コロムビアゆりかご会、1968年。女性ヴォーカル+子供コーラスが歌った曲を、木村充揮がこちらもとくに違和感なく歌う。鬼太郎ワールドと憂歌団との見事なまでのマッチングに、ただただ感心するばかり。エンディングにふさわしいメランコリー漂う名曲の名カヴァー。しかしこの2番の歌詞は、水木先生がウンウンうなってひねり出した感があってほほえましい。

③④カラオケ。

定価1000円、中古で289円。
必殺技を繰り出しそうな鬼太郎。


右は、水木しげる書き下ろしジャケのマキシシングル、遠藤賢司「エンヤートット」(2000)。タイトル曲は16分超の大曲で、カップリングは4分58秒の「エンヤートットリズムカラオケ」。中央でギターをかき鳴らしながら飛び上がるエンケンの下では、鬼太郎がキーボードを弾いている!

杏里22

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安室奈美恵と同じく22枚。

1978年シングル「オリビアを聴きながら」でデビュー。大ヒットした「CAT'S EYE」が1983年。
8㎝時代(1988~1999年)には20枚のシングルをコンスタントにリリースした。再発の2枚を加え、8㎝は22枚でコンプリートっぽい。


では上段左から。

オリビアを聴きながら」1987年のリメイクヴァージョンを1988年に8㎝としてリリース。Wikiにはカウントされてないけど、1987年のアルバム『meditation』からのシングルカット(先行するアナログシングルリリースなし)なので、22枚目のオリジナルシングルとして扱うべきだろう。

悲しみがとまらない」1983年のヒットシングルの再発盤。カップリングのキャッツ・アイは角松アレンジヴァージョンを収録。

HAPPYENDでふられたい/SURF & TEARS」1987年の20th & 21stシングルのA面曲カップリングで8㎝化。

以上3枚は規格品番が、10KD-20、21、22と連番。3枚とも1988年5月21日にリリースされた。

ちなみに10KD-19は吉田拓郎「唇をかみしめて」、10KD-23は今井美樹「黄昏のモノローグ」なので、杏里の再発盤はこの2枚だけの可能性が高い。

4枚目から
「SUMMER CANDLES」1988
「スノーフレイクの街角」1988
「Sweet Emotion」1991
「Back to the BASIC」1991


中段。
「嘘ならやさしく」1991
ラスト ラブ」1991
「LANI -Heavenly Garden-」1992
「ドルフィン・リング」1993
「ALL OF YOU」1994
「SHARE 瞳の中のヒーロー」1994
「Legend of Love」1995
「あの夏に戻りたい」1996


下段。
「もうひとつのBirthday」1996
CAT'S EYE -2000-」1997
「Future For You」1997
「SHARE 瞳の中のヒーロー」1998
「Eternity」1998
「夏の月」1998
「逢えないせつなさと」1999


最後の一枚「あの夏に戻りたい」を200円で購入したのが最高額で、ほかは10円~100円が多かった。8㎝時代以前から大メジャーだったので、レア盤はひとつもない。

次回、そっくりジャケット2枚について。お楽しみに~

「SHARE 瞳の中のヒーロー」 杏里 1994年、1998年

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杏里の似たようで違うシングル。

長野冬季オリンピック公式イメージソングとして作られた曲。ヴァージョン違いの2枚を並べて。


左、オリンピック開催の4年前にリリースされた1994年盤。

①SHARE 瞳の中のヒーロー 5:22
作詞・作曲:ANRI、編曲:Robbie Buchanan、弦編曲:Jeremy Lubbock
国際的ビッグイベントを盛り上げるべく、杏里が力を入れて書いたと思われるドラマチックなバラード。「世界中の瞳に見守られている」「永遠のヒーローが 生まれて行く」など、オリンピックを意識した内容。公式イメージソングってのは、どうしてもこういうあんまり面白くない方向に行かざるを得ないんだろう。そういう意味の正解を出しているプロの仕事。

②Dreaming 5:47
作詞:吉元由美、作曲:ANRI、編曲:小倉泰治
こっちもバラード。子どもコーラスから入る。歌詞は9割がた英語で、日本語部分は「信じればいつの日か どんな夢もかなうから」みたいな、オリンピック公式のカップリングにふさわしいポジティブな歌詞が並ぶ。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で50円。


右、オリンピック開催直前にリリースされたニューヴァージョン。

①SHARE 瞳の中のヒーロー [New Version] 5:14
作詞・作曲:ANRI、編曲:Masaru Nishiyama & Tom Keane
ニューヴァージョン。リズムが強調され、躍動感が増している。中盤からゴスペルチックなコーラスが加わり、感動の名場面にフィットしそう。

②SHARE [English Version] 5:42
英語詞:Morry Stearns、編曲:Masaru Nishiyama & Tom Keane
日本語ヴァージョンにはなかったストリングイントロがついてサイズが少し長くなっている。ゴスペル風コーラスがイントロから登場。海外からのお客様向けか、こってりしたアレンジで。

③①のカラオケ

定価816円、中古で108円。
こちらはわりと最近ブックオフで購入。

見てのとおりのそっくりジャケ。ふつう違うものだとは気づかないレベル。

最上部に「1998年長野オリンピック冬季競技大会公式イメージソング」の文字。
篠塚正典デザインによる公式エンブレム。「NAGANO 1998」の下には五輪マーク。
タイトル「SHARE 瞳の中のヒーロー」までは2枚ともまったく同じ。

違いはその下「杏里」の位置。1994年盤は杏里の下に「Coupling with: Dreaming」。さらに右下に「CD SINGLE」のロゴが入っているのが1994年盤、ないのが1998年盤。

ほとんど区別が難しいほどのデザインにしたのはなぜなのだろう?なおかつジャケのどこを見てもニューヴァージョンだと分からない([New Version]の表記はジャケ内側の歌詞の下にしかない)。そうなると1994年盤を持っている人は、1998年盤を見かけても「あ、持ってるやつね」と勘違いするか、違うものだと気づいたとしても「カップリングが違うだけか…」とスルーする可能性が高い。セールス的にはマイナスとしか思えない、そっくりデザイン&タイトル表記。

裏ジャケ。



公式マスコット「スノーレッツ」は共通。文字の入れ方は結構違う。並べて比べればわかるけど、ぼんやり見ればほぼ一緒。
1994年盤の左下に見える「公式ライセンス商品」のマークが、1998年盤にはない。歌は公式イメージソングだけど、1998年盤CDは公式ではない?


そっくりジャケといえば
アトムの子」山下達郎


関連長野五輪
公式テーマソング「WAになっておどろう」 V6

公式メッセージソング「Dream-愛を忘れない-」 さだまさし

公式ライセンス商品「湾岸スキーヤー」 少年隊

「アース製薬CMソング [ダニアースの唄]」 野坂昭如 1998年

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野坂昭如の8㎝。

アース製薬の「ダニアース」のCMソング。

1998年2月21日に「ダニアースの唄(Drum'n'Bass Mix)(野坂昭如)/なんじゃん・わるつ~昭和わかれぶし~(世直しトリオ:野坂昭如,永六輔,小林亜星)」8㎝シングルがリリースされた。その4か月後にリミックスを含むこの8㎝が作られた。

①Dani Earth Drum'n'Bass Mix
作詞:水木ひろし、作曲:桜井順、編曲:レンミックス
「ダニア――――――ス!」の雄叫びから始まり、攻撃的な打ち込みビートとともに藤本房子・舩木真弓の「ダニダニダニ」コーラスが入る。多くのCMソングを歌ってきた女性ふたりによるコミカルかつ色気のあるコーラスが、無軌道な野坂昭如の歌をしっかり支えている。曲はメロディといえるものはほとんどなく、半ラップの様相。「役人役人 ダニダニダニ 贈賄収賄 ダニダニダニ ドースルドースル ダニダニダニ 検察ブスリ! ダニダニダニ」みたいなプロテストソングな部分もあり。後半は若者に物申す的な展開。終盤シャウト気味に繰り返される「死んだ死んだ ダニダニダニ」に追悼ムードも吹っ飛ぶ。

②Dani Earth ~Renmix remix~
編曲:Renmix
ダンスビート。途中で野坂の声をサンプリングしたと思われる部分がちょっとだけあり、うっすらとした「ダニダニダニ…」コーラスは入るが、ほぼインスト作品。

③monochromatic ~Renmix remix~
作詞:Magami Takeru、作曲・編曲:Yusuke Hoguchi
作編曲のYusuke Hoguchiってあの穂口雄右?この打ち込みダンスサウンドでそれはなさそう。おそらく別人だろう。

④Respect Me!
作曲:Renmix & TTG、編曲:Renmix & TTG
これも歌なし。

定価1000円、中古で500円。
畳の穴から顔を出し、ダニアースを手に持った野坂昭如。紫モノクロの写真も素晴らしいし、黒地に白抜きの文字もストイックな秀作ジャケ。
裏にはダニの写真とダニアースの「使用上の注意」が載っている。


10x10その9 ピュア8㎝シンガーズ前編

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ピュア8㎝シンガー。それは、8㎝シングルしかリリースしなかった(できなかった)歌い手さんたち。

知られざるシンガーがひっそり出してたパターン。あるいはメジャーな女優の余技だったり過去恥部だったり。

8㎝1枚のみしか残さなかった人々も味わい深いのだが、それはまた別の機会に(2年前に選んだ女優ジャケ8が8㎝1枚率高い)。今回の選考基準は、2枚以上の8㎝をリリースしたソロシンガーで。かつ、私がコンプリートしているモノという条件。もちろん「ピュア8㎝」の定義上、アナログ、12㎝CD、その他8㎝以外の音源をリリースした人は除く。ただしビデオやDVD、あと写真集はセーフね。

今回セレクトした10人のシンガーは、すべて女性。男性も入れたかったのだが、見つからなかった。というか探す情熱がなかった。


では、撮り下ろしジャケ写真とともにピュア8㎝シンガーの世界を覗いてみよう。



はじめは栗原冬子。デビー・ギブソン描き下ろし曲、清水信之編曲で華々しくデビューした冬子。それほど歌手活動に力を入れていなかった感はある。その後、全日空CA、バードと結婚&離婚、ライフスタイル・コーディネーターと展開してく冬子の人生にアルバムなぞは必要なかった。2枚とも1989年リリース。




はい、ご存知高山美図紀登場。デビューシングル「早春」(1991)はなぜかプロモ盤のほうをよく見かける(写真もプロモ盤)。どう見ても上京直後の右も左もわからん感が初々しい「早春」、ちょっと芸能界に染まってきた「八月九月」(1991)、明らかに垢ぬけた色気を見せる「ラ・ピオジャ」(1992)と3作で成長物語を見せてくれる。シンガーとしては成功したとは言い難いが、その後当ブログでのファンとの交流をへて、現在ブログ「猫を追いかけて」を猫とお子さんたちの話題を中心に毎日更新中!




つづいて亜里香全録音。ジャケ3枚並べての感想は、美図紀さんのと同じ。「天使たちの密林」と「ローリング・ナイト」が1991年、「女神たちのRevolution」が1992年と、3枚のリリースのタイミングもほぼ美図紀さんとリンクしていた。




ピュア8㎝界の裏番、佐伯伽耶コンプリートディスコグラフィ。1994年、「パヒュームを残せない」でデビュー後、4年で4枚。マイペースで活動を終えた伽耶さま。4枚=8曲あるのにアルバム出さなかったストイックさに惚れる。いわゆるアイドル枠ではない、露出控えめセクシーお姐さんの哀愁漂うB級感を楽しもう。




前半最後は松原朋子。1996年2月のデビューシングル「いいことなぁ〜い」はTOMO名義(ただし裏ジャケには普通に「松原朋子」と表記されている)。金髪ヅラで露出オーバーの写真は非正統派ムードバリバリだな。同年4月のセカンド「ロマンス/Romanticが止まらない」(1996)は京平カヴァー2曲。もうカヴァーか。相変わらずジャケ写は露出オーバー、メイクはケバめ。1996年9月の3枚目「ラ・メール」ではいきなりナチュラル系へシフト。7か月で3枚。短い歌手活動期間を駆け抜けた。ラストシングルのカップリング曲はバラード作品「サヨナラは言わなかった」ってなんか出来すぎ。薄い内容のWikipediaが涙を誘う。

後編につづく。

10x10その9 ピュア8㎝シンガーズ後編

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前回のつづき、後半5人。

6人目はチチダスMiMiこと水原美々。デビューシングル「Love Love Chu Chu」(1995)はCHI-CHI-DASU-MiMi名義、セカンド「もっともっと」(1995)は水原美々 THE ARTIST FORMERLY KNOWN AS CHI-CHI-dasu-MiMi 名義。この長い表記は、この当時プリンスがそんな感じで呼ばれてたことに由来している。Wikiには映像作品情報ばかりで、CDについてはまったく触れられていない。この2枚のレビューはまたいつか。




メジャータレントきた。さとう珠緒の3枚。デビュー作「不機嫌なくちびる」(1997)と2枚目「TOKYOムーランルージュ」(1997)は挑発的なジャケが目を惹くが、内容もなかなか。3枚目「DOLCE VITA」(1998)でナチュラル志向へ。それなりに人気と需要はあったはずだし、音楽面でもスタッフのやる気が十分感じられるのにミニアルバムすら作られなかったのは謎。




SSW堂埜陽子(どうのようこ)18歳のデビューシングル「再生の秘薬」(1997)と翌年のセカンド「ワイルド!!」。ソニー期待の新人アーティストで、自作曲はなかなかキャッチーだしビジュアル的にも売れておかしくない雰囲気なのに8㎝2枚で活動終了。これもいずれまた登場する見込み。




メジャー女優、宝生舞の2枚。女優ジャケ8では1枚で歌手活動を終えた女優さんが並んでいるが、2枚で終了は意外と珍しい?2枚出したら3枚、3枚出したらアルバムも作っとくか、という流れになりそうなのに。歌唱は女優アベレージのニュアンス系で、アンニュイで押していく。1枚目「Carnival」(1997)は渡辺善太郎、2枚目の「赤い鳥」は朝本浩文とソングライターにも恵まれていたのに2枚3曲で終わってしまったのは、本人から「あ、もういいです」宣言でもあったか(イメージ)。




最後は西田彩栞。15歳でのデビューシングル「どうなっちゃってるの どうだっていいんじゃない」(1998)は岡村靖幸プロデュース。翌年のセカンド「memories」は広瀬香美と一流どころをプロデューサーに迎え、メジャー街道まっしぐらかと思いきや、まさかの音楽活動終了。歌も歌えているし、もうちょっと続けてもよかったのに何があったんだろう。Wikiには思いっきりバイアスのかかった表現で活動休止について記載されているが、結局のところ理由はよくわからない。


今回選からもれた人たち



奥山佳恵はデビューが個人名義じゃなかったから。




REIは美人なのに2枚目がイラストジャケだったから。




ELEは、誰だかよくわからなかったから。


今回選んでいて気になったのは、鈴木ユカリ。東芝EMIの赤トレー10で、デビュー作「私」(1992)をジャケだけ紹介した。なんと6枚のシングル(おそらくすべて8㎝)をリリースしたのに、アルバムが存在しない。6枚って最高記録では?6枚で12曲あるんだから、そのままアルバムにしてあげればいいじゃん。これは集めてみたくなったぞ。

他にもこんな人が!情報随時募集中。

「Christmas Time In Blue 聖なる夜に口笛吹いて」 佐野元春 with The Heartland 1985年

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1985年のクリスマスソングを、90年代に非売品8㎝化。

オリジナル12インチシングルは、リアルタイムで購入。

29歳の佐野元春からのメッセージ「ハートランドからの手紙#15」付き。30年ぶりに読んだ。

A面が7分超のExtended Dub Mix、B面にオリジナルヴァージョンとオーケストラヴァージョン(インスト)を収録。


右下の正方形は、1991年の再発CD。12インチアナログの3曲をそのままCD化したもの。CD再発盤は何種類かあるようだが、12㎝なので揃える予定はない。


では、8㎝。

1995年、武蔵野銀行盤。

銀行で配られていたと思われる非売品。背表紙のタイトルは「Especially For You vol. 2」。

①Christmas Time In Blue 聖なる夜に口笛吹いて 佐野元春
作詞・作曲:佐野元春
クリスマスソングをレゲエで。今となっては特に珍しくもないアイデアだが、当時は新鮮に感じたものさ。元春が甘く囁くように歌うAメロ、ちょっとシリアスな表情を見せるB、またAに戻ってメロディアスなパートはわりと短く終了。♪シャララララ~からの曲の後半は、ラガマフィンではないけど平板な「~人も~人も」の繰り返し。「お金のない人も ありあまっている人も 古い人達も 新しい人達も」あたりは「Happy Xmas (War Is Over)」からの引用だろう。いろいろ羅列して「平和な街も 戦ってる街も メリー・メリー・クリスマス Tonght's gonna be alright!」と楽観的な結論にも「War Is Over」と架空の宣言をしてみせたジョンとヨーコへのシンパシーを感じる。

②普段着の聖夜(クリスマス) 鈴木聖美
作詞:竹花いち子、作曲:渡辺信平、編曲:国吉良一
鈴木姉がソウルフルに歌い上げるクリスマスバラード。

③クリスマスまで待てない 渡辺美里
作詞:渡辺美里、作曲:伊秩弘将、編曲:大村雅朗
アルバム『Lucky』(1991)収録曲。同年のシングル「クリスマスまで待てない (雪だるまversion)」はイントロにコーラスがついた別ヴァージョンなので、8㎝でアルバムヴァージョンが聴けるのはちょっとだけ貴重?

非売品、中古で100円。
セピアカラーのアンティーク写真に「Merry Christmas」の文字。


12インチジャケに乗っけた横型ジャケが、1998年の本厚木ミロード盤。

小田急系商業施設「ミロード」で配ってたのだろうさ。タイトルは「Christmas Time in Blue」。元春のはタイトルほどブルーではないけど、残りの2曲はかなり悲しげなコンピ。

①天使の消えた聖夜~Silent Night Version~ 楠瀬誠志郎
作詞:風堂美起、作曲:楠瀬誠志郎
ミニアルバム『Seven Winter Songs』(1997)に収録のヴァージョン。直前のシングル「天使の消えた聖夜」とは別ヴァージョンらしい。楠瀬さんの美声がくよくよした内容にマッチしている。

②Christmas Time In Blue 聖なる夜に口笛吹いて 佐野元春
8㎝2枚とも「 with The Heartland」の記載はない。

③Snow Field~こわれるほど想っていた~ 平岩英子
作詞・作曲:平岩英子、編曲:溝口肇
1996年のシングル曲(12㎝のようだ)。過去形で語られる美しい思い出。強烈な個性はないかもしれないが、落ち着いたいい声。この曲はウェットなんだけど、どこか冷ややかな客観性も感じられる、かなり好みの雰囲気。

非売品、中古で100円。
赤いオープンカーに乗った熊サンタ。デパートのチラシっぽいデザイン。



10x10その10 ベスト・オブ8㎝CD男性編

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10周年もそろそろ終わり。

単純に好きな8㎝を並べてみる企画。

10年で紹介してきた中から10枚選ぼうとしたらさすがに絞れず、前後編に分けることにした。

今回は男性ヴォーカル編。

左上から。

我想うゆえに我あり」 FLYING KIDS 1990
90年代を語るとき外せないイカ天。フライングキッズはイカ天を代表するファンクバンド。勢いのあるタイトル曲、カップリングは陽水カヴァー、そして最も輝いていたセカンドアルバムの予告編的内容もあり。


STARLESS」 高嶋政宏 1993
スターレス高嶋のスターレスは完全にウェットン憑き。ヴォーカルに的を絞ったショートカヴァー。


サマーブリーズ」 カンケ 1997
なりきり達郎の珍品。8㎝CDのみでリリースされたもの。最近7インチアナログで再発されたけど税抜2000円はちょっと高いな。カラオケもついてる8㎝を探すべき?


横型2枚。

君と夏と僕のブルー・ジーン」 1993
最近「ラブ&マーシー」見たので、ブライアンフリークなこれをセレクト。ボーナストラック扱いの3曲目がことのほかブライアン。


幸せなクリスマス」 王様 1996
洋楽日本語カヴァーを一枚入れたかった。内容、ジャケともにハイレベル。ちょっと時期がずれてしまったけど。


下段はほぼ湾岸系。

When You Love Me」 鈴木博文 AND FRIENDS 1996
鈴木博文唯一の8㎝にして、今のところ8㎝でしか聴けない曲。内容もさることながら、見つけるまでの道のりをご近所ブロガーに応援してもらったことを懐かしく思い出す(記事中の月ドラへのリンク参照)。


クラッシュ万事休す」 SCSCZIPS すかすかじっぷす 1998
鈴木博文の次は岡田徹。湾岸系のレア8㎝。7曲入り。


また横型。

マスカット ココナッツ バナナ メロン」 THE真心ブラザーズ&サリー・ピープルス 1993
タイトル曲はムーンライダーズカヴァー。カップリングには、はっぴいえんどの「風来坊」(細野晴臣作品)のカヴァーを収録。


Sweet Bitter Candy-秋~冬-」 ムーンライダーズ featuring 奥田民生 1998
民生が歌うタイトルトラックがレアなのだが、白井良明が歌うTabacology Mix(2曲目)のほうがよい。さらに3曲目「月夜のドライヴ1998」が素晴らしい。まだここでしか聴けないのかな。先日の鈴木慶一45周年ライブではちみつぱいがこの曲を演奏した。クジラさん、よかった!


思い出にむしばまれて」 梅垣義明 1994
最後は非湾岸系。作詞:いとうせいこう、作曲:玉置浩二、編曲:萩原健太で贈るピュア8㎝シンガー、ワハハの梅ちゃんの傑作シングル。カップリングも名作だし、ジャケも最高。


以上、上段が青っぽい寒色系、下段が暖色系でまとめてみた。

10x10その10' ベスト・オブ8㎝CD女性編

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続いて女性ヴォーカル編で10枚。

ジャケ選とか過去の企画で登場したものもちらほら。

では左上から。

楽園ホテルに夜がくる」 藤野明美 1990
いきなりピュア8㎝シンガー。アッパーで能天気なダンスビートに拙い歌唱。バブルの香り漂う知られざる名作。


誰もいないXmas」 神崎ゆう子 1994
忌野清志郎、細野晴臣、コシミハルのクレジットだけでお得感がある。ひっそりとしたクリスマスソング。ジャケもいいな。


Attends ou va-t'en アトン ウ バトン」 原田知世 1994
今回も湾岸系から1枚。鈴木慶一編曲によるゲンスブール作品のカヴァー。日本語でないのが残念。曲自体はレアでも何でもないのだが、ジャケがあまりにも素晴らしいので。


哀しみのダンス Dance me to the End of Love」 剣ジュン 1995
謎のピュア8㎝シンガーによる、レナード・コーエンの日本語カヴァー。珍品といえば珍品だけど、意外と完成度は高い名作。


THE CHARM OF ENGLISH MUFFIN イングリッシュ・マフィンのおまじない」 チョコレート・ファッション 1996
ちさ子が歌う金剛地武志作品。名曲すぎる。今年もたくさんのいいライブを見た。中でもyes, mama ok?のベスト盤リリースに合わせたライブは心に残る。金剛地の才能を見せつけられた夜だった。そして仲澤真萌さんの声をを初めて生で聴けて感激。相変わらずお美しかった!


下段。

スウィッチ!」 ガールズplus 1 1996
深夜番組の企画ものユニット、当然ながら唯一の作品。聞き直してみて、歌唱はやっぱり酷かった。でも、いやだからこそ、素晴らしい。この曲に封じ込められたマジックに今回もやられた。


ホットミルク」 吉川ひなの 1998
鴨宮諒による美しい作品。コーラスアレンジは高浪敬太郎。ひなのの歌&語りが切なすぎる名作。カップリングのひなの版「ドラえもんのうた」がレアトラック。Wikiにはひなの本人画と記載されてるが誤り。正解は下條ユリによるイラストジャケ。


かなりKiTeRu恋」 V.I.P. 1998
90年代のベンチャーズ歌謡。ヒットの予感がまるでしない場末感がたまらない。ベンチャーズコレクターがため息つきながら購入している様を想像すると、これまたたまらん。ジャケのC級さ加減も最高。


笑顔」 菊池麻衣子 1998
大メジャー女優ではない。シンガーとしてもこれ1枚のみ。それがこんなに名曲でいいのか。筒美京平の隠れた名作。歌唱は素晴らしいし、篠山紀信撮影のジャケは美しいし、100点満点としか言いようのない大好きな一枚。


Yes. I will follow」 佐藤康恵 1999
モデル、女優として現在も活躍中、佐藤康恵のデビュー作。Amazon価格1円のまったくレアではないシングルだけど、すべてが好きすぎる。とくに声がどストライクなのだ。なんと今年初ライブが行われたのだが、残念ながら参加できなかった。いつか生で聴きたい!


10x10なんとか完結できた。並べるのは楽しいので、またいつか。




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