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「ジャケットを下図のように組み立てて下さい。」 ポニーキャニオン編

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1988年限定?PONY CANYONの裏ジャケ下半分に例の説明文について。ポニキャンオリジナルなのかな。開かなくても見える説明は、ほかでは見ない。

代表で中島みゆき盤のアップ。



「さらにコンパクトに」のコピーはないパターン。
最上段は「ジャケットを下図のように組み立てて下さい。持ち運び、収納に便利です。」

①ウラ面の中央、ミシン目より、下半分を切り取る。
②表面の中央下半分を内側に2ッ折りする。
③プラスティック・トレーを半分に折り切る。
④完成。

ジャケットの女性像は「格子の向こう編」で紹介した安全地帯やTHE BLUE HEARTSの絵に似ている。が、鼻が描かれていないのが見分けポイント?よく見るとジャケの上部にポニキャン共通の帯状部分が描かれていたりする。

では、タイトル/アーティスト名を紹介。

10枚すべて1988年リリース。

MAY」 斉藤由貴 4月26日 (1986年作品の再発盤)
「ギザギザハートの子守唄」 チェッカーズ 5月21日 (1983年作品の再発盤)
「サンキュー」 明石家さんま 5月21日
ホット・スタッフ」 鳥越礼 5月21日
メリーアン」 アルフィー 6月21日(1983年作品の再発盤)

「BLUE WIND」 小高恵美 7月6日
「おまかせピタゴラス」 FAIRCHILD 7月21日
ロックンロール・ラブレター」 新田恵利 7月21日
かっこイイ ダーリン」 GO-BANG'S 10月21日
あした天気になれ」 中島みゆき 10月21日 (1981年作品の再発盤)

下半分は白地が最も多いけど、上のデザインに合わせて色付きのも結構あった。格子の向こう編と違い、切り取る部分には上記の説明しか印刷されていないので、コンパクトにしたらほぼ確実に廃棄される運命。


表ジャケも。




ポニキャン初期短冊を集中的に見ていて気付いたこと。



斉藤由貴の3枚。左から「卒業」「MAY」「終りの気配」。

この3枚のうち、説明文どおりに「ウラ面の中央、ミシン目より、下半分を切り取る」ことができるのは右の「終りの気配」のみ。これだけはミシン目があるが、他の2枚にはない。この写真でどこまで伝わるか分からないが、「MAY」には2重のスジ押しが確認できる。「卒業」はミシン目もスジ押しもない。
すべて4月29日リリースではあるが、まず間違いなく何回か版を重ねていたであろう人気商品。おそらくミシン目のある「終りの気配」が初期ヴァージョン。スジ押しのある「MAY」がすこし後の版。まだコンパクトにする文化が残っていた1989年あたりのヴァージョンだろう。そして何もない「卒業」は誰もパキったり折り畳んだりしなくなった1990年以降のヴァージョンと想像する。


ここで工藤静香登場。



左は1988年2月25日発売、うしろ髪ひかれ隊「ほらね春が来た」。この表ジャケにはミシン目がついている。
右は1989年5月3日発売、工藤静香「嵐の素顔」。ちょっと状態は悪いが、スジ押しが確認できる。

裏を見てみよう。



左「ほらね春が来た」の裏ジャケには例の説明文がない。
右にもない。スジ押しは裏にもある。

ではどこに?開いてみよう。



「ほらね春が来た」の盤の対面にはおなじみ「さらにコンパクトに」の説明が!
「嵐の素顔」には中にも説明文なし。盤の対面は歌詞。

まとめると、ポニキャンの説明文は最初期には内側にあったが、1988年2月から4月の間に裏ジャケ下半分に移動した。
1988年の10月まではその位置にあることが確認できた。
1989年5月の「嵐の素顔」ではジャケにスジ押しがある(コンパクトにすることはまだ推奨されている)が、説明文は消えていた。みんなもう説明しなくても分かってるよね?という流れ。

つづく。

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