「NUDE」 金子美香 1991年、村田和美 1996年

金子美香のそんなにメジャーとは思えないシングルと、村田和美による5年後のカヴァー。

金子美香は1987年デビュー、1990年にテレビ深夜ドラマ企画でバンド「Betty Blue」に参加したがすぐ脱退。その後ソロとしてリリースしたのが6th？シングル「NUDE」。

①NUDE
作詞：松本隆、作曲：伊東克己、編曲：井上鑑
ギターが前に出たロックサウンド。金子さんのパンチがありながら繊細さも感じられる声で「つりあわない恋」に「遊ばれてもいいと思っていたのに」いろいろ揺れる女心を描く。声の色気から不倫の匂いを嗅ぎとった松本隆のエロ系歌詞が炸裂。「愛してるって言わないで　だって抱かれてる時　女だから膚でわかる　身体の力が抜けた時の　重みでわかる」と、わりとダイレクトな性描写もひとりハモリで堂々と歌われれば、そんなものかと納得してしまう。急に表情を変えて「何も言わないで今夜のことは　楽しい思い出　二人だけの秘密にね」なんてため息まじりに歌われたら、そりゃーあまりにも男の妄想チックなのでは？と心配になってくるのだ。

②ROUND MIDNIGHT
作詞：松本隆、作曲：熊谷幸子、編曲：新川博
こちらもやっぱりエロ系。「サキソフォン吹くように　背中から抱いたら　歌うかもよ」もちょっと恥ずかしいけど、「セーターを脱ぐときの　静電気みたいに　抱かれていたい」ってどういう意味？ビリっと刺激的に、みたいなこと？ちょっとひねりすぎてエロから遠ざかる感じ。

③④カラオケ

定価1000円、中古で100円。
金子美香22歳、夜のムードに挑戦。動きのあるいいジャケだな。


右、村田和美の5thシングル。

①NUDE
編曲：西川進
ギター大人しめのサウンドに、金子さんに比べると初々しさが際立つヴォーカル。「二人だけの秘密にね」なんて親密さをアピールしても、悪い男に騙されちゃった感が半端ない。「女だから膚でわかる」のくだりも相当背伸びしてる雰囲気。えっ、17歳か…なんでこんなアダルトソング歌わすんだ！？

②Tick Tickベイビー
作詞：藤林聖子、作曲：羽田一郎、編曲：上野圭市
抑制されたビートに、繰り返し現れる「ちくちく」のフレーズがグルーヴを作っていく。段取り上手な彼氏に「あたし　ちくちくしてるくらいが　ちょうど　ドキドキ出来ると思う」と緊張感を求める小悪魔系。村田さんのカワイイ系ヴォイスにはこっちのがフィットするな。

③④カラオケ

定価1000円、中古で298円。
クウガのヒロイン役はこの4年後。