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Channel: 失われたメディア-8cmCDシングルの世界-
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「ある光」 小沢健二 1997年

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小沢健二の8?シングル全18枚を発売順に追いかけるシリーズ、17枚目。5年連続で、8cmの誕生日2月21日はオザワの日!ってことで。


?ある光 (JFK 8'16" Full Length)
作詞・作曲・編曲:小沢健二
Dr 青木達之、Ba 中村きたろう、Key 中西康晴、Perc 木村“キムチ”誠、他はオザワ。
あとハンドクラップで佐々木健人が参加している。
エリック・カズの話はもういいやね。リズムとイントロがパクリだとか言われても、FGを聴いたことがあるのかい?と応えたい。「Let's get on board!」の掛け声とともに力強いビートが刻まれ、「新しい愛 新しい灯り」と一見ポジティブな歌詞から始まるシリアスな小沢の歌声。おっ久々に攻めてきたな、と思わせるに十分な内容と長さ(8分超!)。おまけに語りまで入ってるし、とリリース当時はぼんやり思ったような気がする。しかし、よく聴けば(読めば)これは小沢の「陽気なポップスター引退宣言」でもあるのだ。すでにセールス的には「スター」ではなかったにしても、あの『LIFE』からまだ2年。メディアで弾けまくっていた「王子様」の復活を期待する声もまだまだあった1997年。「もう終わり」は必然だろうけど、その心の動きを見つめる小沢のペンはやはり冷静だ。

「この線路を降りたら すべての時間が魔法みたいに見えるか?
今そんなことばかり考えてる なぐさめてしまわずに」

まだ迷いはあったのだろうか。この名曲がビッグヒットになっていたらどうだっただろうか。たぶん変わらなかっただろう。そんなことを考えてしまう。

?ある光 (JFK 4'23" F.O.)
作詞・作曲・編曲:小沢健二
ショート・ヴァージョン。タイトルどおり、早めにフェイドアウトしただけ。

?美しさ
作詞・作曲・編曲:小沢健二
Piano 渋谷毅、Ba 川端民生、歌とアコギはオザワ。前々作の「恋ってやっぱり」「それはちょっと」、前作の「流星ビバップ」と同じトリオ(そしておそらく同じセッション)による演奏。
10thシングル「さよならなんて云えないよ」のアコースティック・ヴァージョンである。ヒットしたオリジナルヴァージョンでも感じられた「祭りのあと感」が半端ない。このスローな演奏では、いわゆる「オザケンブーム」が過ぎ去ったあとの空虚感も手伝って、痛々しいほど。

定価1000円、レンタル落ち100円。
このシングルはこの年に(レコーディング中に?)亡くなった小沢のおじいちゃんに捧げられている。
表ジャケットにはアーティスト名も曲タイトルもなし。写真とアートディレクションは「kaz kiriya」。ってあの宇多田ヒカルの元夫、紀里谷和明だよね。


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