Quantcast
Channel: 失われたメディア-8cmCDシングルの世界-
Viewing all 662 articles
Browse latest View live

「we can fly」 R.P.O 1990年

$
0
0
R.P.Oは、高嶋政宏と桜井鉄太郎のユニット。

アルバム『Real Pop Organizers』(1989)とシングル2枚(「1968」と本作)がたぶんリリースされたすべて。
このシングル、「ラグジュアリー歌謡」P180で紹介されている。執筆は8センチャーズ、関根圭さん。

ソフトなサウンドと高嶋・桜井の淡いヴォーカルの組み合わせで、ふたりの考える「ポップ」を追及してみた様子。アルバムでは「God Only Knows」のカヴァーに挑んだりしている。

アルバムの翌年にリリースされたこのシングルは2曲ともアルバム未収録作品。

?we can fly ミリオンカードCM SONG
作詞・作曲・編曲:R・P・O
爽やか系ギター+TUTUコーラス。サウンドは高嶋が大ファンだったデンマークのバンド「GANGWAY」の影響を感じる。関根さんも指摘するように、当時のXTC(『オレンジズ・アンド・レモンズ』期)あたりも参考にしているだろう。
1990年と言えばFG『カメラ・トーク』の年。当然、桜井鉄太郎は前年の『three cheers for our side〜海へ行くつもりじゃなかった』を聴いていたはず。R.P.Oの強力なライバルが現れた!と高嶋に聴かせたかも…なんて想像してみるのもちょっと楽しい。

?恋ははかなく フジテレビ系「でたらめ天使」テーマ曲
作詞・作曲・編曲:R・P・O
ビーチボーイズ風のドリーミーなコーラスのイントロに続き、カリプソチックなリズムが現れる。なかなかポップでいいんだけど、この歌い方、ソフトすぎて高嶋に合ってない。でも声を張るとプログレになっちゃうんだろうね。

定価800円、レンタル落ち50円。
高嶋の背後にサングラスの桜井。
ユニット名は、Real Pop Organizersの略なら、なぜ「O」のあとにだけピリオドがないのだろう?ついでに言えば、曲クレジットの表記は「R・P・O」とピリオドじゃなく中グロなのは意味があるのだろうか?

関連高嶋
スターレス

「天使のいる渚」 三浦理恵子 1993年

$
0
0
三浦理恵子の6thシングル。

「ラグジュアリー歌謡」のコンセプトに最もフィットするアレンジャー、山川恵津子。
P93からの山川恵津子×森達彦の対談は、読みどころの多いこの本の中でも白眉といえる素晴らしい内容だった。

?天使のいる渚
作詞:及川眠子、作曲:都志見隆、編曲:山川恵津子
タイトルからして聖子オマージュの匂いがプンプン。その予想を裏切らない、どこから見ても完璧な80年代(っぽい)アイドル歌謡。ここまで見事に演じてもらえば、何も文句はない。長音を多用した息切れしそうなサビから始まるのは「青い珊瑚礁」を意識?「ピンクのモーツァルト」的な鍵盤が印象に残るグルーヴィーなアレンジ。上記対談で、影響を受けたミュージシャンとして細野さんの名前を挙げていた山川さんが、80's聖子をモチーフに作り上げた天上リゾートポップス。90年代の「天国のキッス」、は言い過ぎかもしれんが、ちょっとそんな気分。

?約束のポニーテール
作詞:和泉ゆかり、作曲:山口美央子、編曲:山川恵津子
こっちもいい。?ほどの華やかさはないが、バカラッキーな管楽器が落ち着いたムードを醸し出す。

??カラオケ

定価1000円、中古で20円。
短冊標準よりも2割増しの顔面ドアップ。このまま横に広げて、7インチジャケにしたい。

関連理恵子
日曜はダメよ

「春なのに」 柏原芳恵 1983年

$
0
0
柏原芳恵の14th&18thシングル。2曲とも1983年作品。

「FSリクエストSERIES」の一枚として1994年に8?化。ジャケに「中島みゆき=柏原芳恵コンビの2大スマッシュ・ヒット!」のコピーあり。

?春なのに 
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:服部克久・J.サレッス
思いっきり昭和なムードで、ストリングスが情緒過剰気味に盛り上げるイントロ。卒業式のひとコマ「さみしくなるよ それだけですか」のあと「むこうで友だち 呼んでますね」の臨場感!みゆきさんのテクニックに唸る。つづくBメロ「流れる季節たちを 微笑みで〜」のつなぎも見事。無理なくドラマチックなサビへとなだれ込む。芳恵さんも17歳とは思えぬ超高校級の表現力で、じっくり抑えた感情をサビで爆発させている。リアルタイムのヒット曲として聴いていた私にとっては、否定しようのない定番卒業ソングのひとつ。2年後、1985年の「卒業」ブーム(?)の斉藤由貴や菊池桃子の同世代感と比べると、芳恵さんはちょっと大人のお姉さんだった。誰もが認めるフェロモン系だしね。

?カム・フラージュ 
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:萩田光雄
こちらはイントロからエレキギターが炸裂するアグレッシブなアレンジ。攻撃的なビートに乗せて、男の都合で本命の身代わりに連れ歩かれる女の悲哀が描かれる。「誰をかばってるの」「わたしは あなたの 偽物両思い」…みゆき節全開だな。高校卒業がテーマの?と同じ年にこんなの歌わされちゃうのだから、芸能界って恐ろしい。さすがに芳恵さんには荷が重かったのでは?この背伸び感に萌え、を狙ったなら成功してるのかも。

?春なのに(オリジナル・カラオケ)
デビュー30周年記念企画第2弾『Live&Rarities CD+DVD BOX』(2010)に収録された。

?カム・フラージュ(オリジナル・カラオケ)
こちらはおそらくこの8?でしか聴けないレアトラック。

定価1000円、中古で525円。
その後の妖艶熟女化を知っているせいか、妙にマニアックに見えてしまうセーラー服姿。当時リアル女子高生だから問題ないのだけど。

オリジナルアナログ7インチのジャケと微妙に違う、同じセッションのアウトテイク。わざわざこの再発8?のために、写真を新たに選んでいるわけだ。そんなにビジュアルに手間をかけているのに、クレジットが致命的に雑。表に「中島みゆき」の名前出したからって、作詞作曲編曲クレジット割愛するのはダメだろう。

「さよならの学生通り」 西村知美 1989年

$
0
0
西村知美の14thシングル。

?さよならの学生通り
作詞:麻生圭子、作曲・編曲:山川恵津子
タイトルから分かるとおりの卒業モノ。トロリンのふんわり歌唱がぴったりくるほのぼのメロディで、サビなんかは卒業生たちが合唱しても似合いそう。キラキラしたトライアングルが印象的なアレンジが、卒業式の華やいだ雰囲気を描きだす。アイドルらしく「片思いを悔やんでた」彼に、「卒業証書の隅 サインをもらうわ」。おっと意外に踏み込んだ感じ。もうボタン貰うのは流行らなかった?

?約束
作詞:麻生圭子、作曲:井上ヨシマサ、編曲:井上日徳
こちらは卒業後。都会の大学に行ってしまう「あなた」をホームで見送る。「四月に走りだすの それぞれの夢へ」ふむふむ。いわゆるひとつの「木綿のハンカチーフ」バリエーションだな。「僕の気持ちなら 変わらない」と言われてるのに、女子のほうは「この次逢うときには 友達でもいいから」って結構ドライ。この子はもう遠距離は難しい、と諦めてるんだな。「木綿」時代よりだいぶスピードアップしてる。ほぼ全編ダブルヴォーカルだが、「悲しいくらい〜」のパートのみシングルになり、急にリアルな独白ぽい効果を上げている。

定価1000円、レンタル落ち100円。
本人のコメント「ジャケットのうつむいた顔は、私がお願いして憧れの菊池桃子さんのイメージで撮ってもらいました」とのこと。確かにこりゃ偽桃子だな。口元はモノマネタレントの域。

関連トロリン
天使のゆびさき
ヤマアラシ嗜好症

「2度目のキスは探さないで」 野田幹子 1991年

$
0
0
野田幹子の8thシングル。

?With You!
作詞・作曲:尾崎亜美、編曲:佐藤博
昨年亡くなった佐藤博によるグルーヴィーなアレンジが、まさにシティ・ポップス!ゴージャスな女性コーラスは3人組のEVE、寄り添うような男性コーラスは木戸やすひろ&比山貴咏史。湾岸から離れて、オシャレAOR化した野田幹子の新境地。アルバム『ローズ・セ・ラ・ヴィ』(1991)にはリミックス・ヴァージョンが収録されている。

?2度目のキスは探さないで
作詞:野田幹子、作曲:山川恵津子、編曲:佐藤博
こちらはアルバム未収録。山川さんにはちょっと珍しい作曲のみの参加。ラグジュアリーP100で「他人に編曲されるのはどうも…なんでこうなるのーって部分もあったり(笑)。」と語る山川さん。編曲が本業と自認し、作曲家としては「それほど深く考えてない」とも。さて、ここでの佐藤博の仕事に対する山川さんの感想はどうだったのだろう。山川さんのアーバンでメロウな旋律に、基本は?と同じくグルーヴィーなアレンジ。?では今剛のギターソロが間奏の主役だったが、こちらはサックスソロ。山川編曲なら、シンセはこんなに主張してこないだろうな、というところはあるけど、そんなにイメージは狂わなかったのではないだろうか。自作の詞は、山下夫妻による「プラスティック・ラブ」と共通する、本気にならない「泡のようなLove Affair」がテーマ。野田幹子の声はどこか少女っぽさを残していて「いい女」を演じる背伸び感がうまく表現されている。

定価800円、中古で100円。
ドアップでアルカイックスマイル。ストレートに美人を押し出してみたジャケ。

関連幹子
哀しみのダンス
8月の砂時計

「風の姿」 中江有里 1992年

$
0
0
中江有里の4thシングルは、中島みゆき提供曲。

?風の姿
作詞・作曲:中島みゆき、編曲:山川恵津子
中島みゆきと山川恵津子。ちょっと意外な組み合わせを歌うのは実直な美声でお馴染み、中江有里。自分を殺して男の趣味に合わせていた女性が、覚醒する歌。「嵐が近い 嵐が近い」次に会うとき、どんな修羅場が?と期待が高まる(が、その先は描かれない)。昂る感情を抑えるように歌う中江さん。いかにもみゆきさんらしい朗々としたサビよりも、嵐の前のざわざわ感を表現したAメロがいい。山川さんは美しくも不穏なストリングスでムードを盛り上げる。「キレたら怖そうな優等生キャラ」を鮮やかに浮かび上がらせた、みゆき×山川のいい仕事。
中島みゆき自身もアルバム『時代 -Time goes around-』(1993)でセルフカヴァーした。

?いつかあなたに逢ったら
作詞:松井五郎、作曲:井上大輔、編曲:岩本正樹
「かならず夢はきっとかなう」と、ちょっとくどいフレーズからはじまる人生応援歌?曲は溌剌としたポップスなのに、学生時代に好きだった彼が疲れたサラリーマンになってて悲しくなるって話。
アルバム未収録曲。中江さんのシングルカップリングはすべてアルバム未収録なので、シングル5枚揃えないと全曲聴くことができない。ちょっとうれしい。

??のカラオケ

定価1000円、中古で210円。
この落ち着いた雰囲気、難攻不落って感じ。

NHK「ひるまえほっと」で「中江有里のブックレビュー」はじまるよ!

関連中江有里
ままならぬ想い
真夏の楽園

「あの頃に…」 堀川早苗 1992年

$
0
0
堀川早苗の4thシングル。

?いたずら
作詞:岩里祐穂、作曲、いしいめぐみ、編曲、船山基紀
アイドル歌謡の王道のひとつと言える、友人の彼氏を好きになっちゃう話。それが「運命のいたずら」だって。うん、まあ…いいか。緊迫したムードのメロディに乗せ、秘めた恋心を思いつめたように歌う堀川さん、正統派だわ。3人で表面上は仲良くお茶(かな?)なシチュエーションで「笑顔の裏のまなざしあなたは気がついて 名前で呼び合える二人がせつない」はい、ここ?につながるからチェックね。これも出来はいいんだよ。でも私の推しは次の曲。

?あの頃に…
作詞:堀川早苗、作曲:いしいめぐみ、編曲:山川恵津子
これ、名曲!堀川さん本人の詞も意外にいいし(失礼)、いしいめぐみのノスタルジックなメロディは美しいし、何といってもアレンジ山川さんだし、「ラグジュアリー歌謡」に載ってないのか不思議なくらい。P183にデビューシングル「月夜のゴンドラ」、P179に石川ひとみが歌うトトメス主題歌(ジャケが堀川さん)が掲載されいてるのにね。ついでに言えば、素晴らしく勉強になるサイト(((FgeeSoul)))「山川恵津子系」でもこの曲が登場しないのは謎だな。「想い出を みんな流して いつか街で逢ったら 苗字で呼び合うふたりかしら?」と、?に呼応するようなサビの歌詞は堀川さんが仕組んだのか?オリエンタルな味わいのイントロのフレーズ、サビのゴージャスなストリングス、文句のつけようがない。もう一度言おう、これ名曲!

??のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
当時のポニキャンアイドルの基本仕様の3面見開きジャケット。

この直後に唯一のフルアルバム『Dear You』をリリース。1年後の5thシングルを最後に、アイドルシンガー堀川早苗の歴史は幕を閉じる。
…が、1996年、アンビエントユニット「Sanae Horikawa & REPOS」名義でミニアルバム『COME ACROSS』をドロップ!その後、そのアルバムをリリースしたインディーズレーベル「KAERUCAFE」に就職されたらしい。

ちなみにファンクラブ「スカラベルージュ」はトトメス変身の呪文に由来。

「白いアドレス」 渡辺満里奈 1988年

$
0
0
渡辺満里奈の6thシングル。初の短冊8?でもある。

じつはこれ、8年ぶり2回目の登場。8年前のご結婚記念記事はこのシングルについてはほとんど何も語っていなかったので。ていうか、8年前はこの曲のよさをまったく理解できていなかった。収録2曲とも山川恵津子の作編曲。

?見つめてあげたい
作詞:川村真澄、作曲・編曲:山川恵津子
弾むようなサビはじまりから一転、Aメロは単調に刻むシンセベース+アダルトムードのキーボード&コーラスで、サウンドは夜の印象。マリナさんには大人っぽすぎだったかもしれないが、なかなかに名曲。おニャン子解散後、芸能界をサヴァイヴしていく力と技を持っていたことを証明しつつあった時期だな。18歳にして徐々にオシャレリーダー路線へシフトしていった、はじめの一歩と位置付けていいだろう。

?白いアドレス
作詞:下鳥良浩、作曲・編曲:山川恵津子
コロコロ転がるようなイントロは、斉藤由貴「卒業」チック。ちょっとうるさいドラムがやや時代を感じさせるが、メロディラインは美しくも切ない。マリナさんの息切れ歌唱がまったく曲に追いついていけず、別な意味でも切ない。
オリジナルアルバム未収録で、このシングルとCD+DVDの15枚組ボックスセット『MARINA WATANABE ALL IN ONE』(2006)でしか聴けない。

定価1000円、中古で52円。
ジャケはまだまだキラキラティーンアイドル。

関連マリナさん
大好きなシャツ(1990旅行作戦)」「うれしい予感
夜と日時計
夏の短編
今だけのLove Song
太陽とハナウタ」 鈴木蘭々と

「Hey! Baby」 竹内まりや 1989年、横山知枝 1993年

$
0
0
竹内まりやがアイドル森下恵理に書き下ろした1985年の作品。

まずは、森下恵理のシングル…は持ってないので収録アルバム『ボーイフレンド』(1985)を。このCDは2003年の再発盤。Produced by 加藤和彦。8曲目が「Hey! Baby」。翌年にシングルカットされた。

?Hey! Baby
作詞・作曲:竹内まりや、編曲:鈴木茂
まりやさんお得意のオールディーズテイスト全開のナンバー。Aメロが「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」ぽい。加藤和彦といえば、まりやさんのデビュー曲のライターなわけで、プロデューサーへのオマージュを意識していたのかもしれない。結婚後初のアルバム『VARIETY』(1984)で華々しく復帰したまりやさんの余裕を感じる作品。鈴木茂のアレンジは音壁系で、当然のように木村恵子の「Do you remember me」似。森下さんの声はめちゃキュートで、内容にぴったりだな。転調後の迷子感にも萌え。厚めの男性コーラスが彩りを添えている。


その後、まりやさん自身と、横山知枝が8?でカヴァー。


竹内まりやの14thシングル。

?シングル・アゲイン 日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」主題歌
作詞・作曲:竹内まりや、編曲:山下達郎、ストリングス・アレンジ:服部克久
略奪愛の被害者が、再びフリーになった男に「電話ぐらいくれてもいいのに」とぼやくドロドロ愛憎劇。「駅」タイプのドラマチックな展開は火サスにぴったり(ニ時間ドラマ詳しくないので想像)。

?HEY! BABY
作詞・作曲:竹内まりや、編曲:山下達郎
アダルト路線の?のあとだと、さすがに違和感ありあり。まりやさんが歌うにはティーン向けの歌詞が幼すぎる。そんなことは十分わかった上でシングルのカップリングに収録するのは、ファンサービス的な意味合いが強いのだろう。達郎のアレンジは『Longtime Favorites』(2003)への布石といった趣き。
長らく8?でしか聴けないトラックだったが、『DENIM』(2007)の初回限定ボーナスディスクにリマスター版が収録された。

定価937円、中古で100円。
オフィシャル見ると、アナログ7インチが作られた最後のシングルのようだ。


横山知枝の4thシングル。

?HEY! BABY
作詞・作曲:竹内まりや、編曲:山川恵津子
そして山川恵津子ヴァージョン。達郎が東北新幹線(鳴海寛+山川恵津子)のアルバム『THRU TRAFFIC』(1982)を激賞し、ツアー参加をオファーしたが、スケジュールの都合で辞退せざるを得なかったという伝説はP95に。そんな関係性を念頭に置いて達郎ヴァージョンと聴き比べるのも一興。横山知枝が本物のティーンアイドルだったこともあり、キラキラ度はアップ。とはいえ、じつはカヴァーふたつとも基本的にはオリジナルの鈴木茂アレンジを踏襲していて、あまり冒険はない。茂さんがいきなり正解を出しちゃったので、あんまり変えようがなかったってところかな。横山さんは声はかわいいし、歌唱も安定してる。しかし、どれがいいかと言われれば結局オリジナルが一番、というよくある結論。

?きっとずっと君が好き
作詞:大森祥子、作曲:山口美央子、編曲:山川恵津子
カップリングはしっとり系。恵津子さんの華麗なストリングスワークが楽しめる。間奏はチェンバロソロ。
2曲ともオリジナルアルバム未収録だが、『Myこれ!Liteシリーズ 横山知枝/やまだかつてないWINK』(2010)にシングル6枚すべて収録された。

??のカラオケ

定価1000円、レンタル落ち21円。
中学生でも通用しそうな、童顔女子大生。この3年後、まさか脱ぐとは…さっき知って軽くショックを受けた。

「真冬のデイト」 森下恵理 1985年、竹内まりや 1995年

$
0
0
もうひとつの森下恵理への提供曲。

前回も登場した森下恵理のファーストアルバム『ボーイフレンド』(1985)に収録されている。今回は裏ジャケ。

?真冬のデイト
作詞・作曲:竹内まりや、編曲:国吉良一
でた、必殺技ハチロク。「ロンサム・シーズン」のが名曲度は高いと思うが、ほぼ「ロンサム冬版」といっていい。ふたつとも1985年なんだな。しっとり歌っても十代のきらきらが眩しすぎる。

アルバム中、まりやさんが書いたのはこれと「Hey! Baby」の2曲。どちらも出来がよく、カップリングシングルでもよかったんじゃない?と思うが、「Hey! Baby」のB面はアルバム未収録曲「九月のERI」であった。松尾清憲作曲・鈴木茂編曲の、中期ビートルズテイストあふれた傑作。逆にこれがなんでアルバムに入ってないのか不思議だ(この再発盤CDには無事収録)。
その他、安井かずみ・加藤和彦コンビによる2ndシングル「私は街のバレリーナ」もいい。武部聡志のアレンジが素晴らしいし、安井かずみの「ハンバーガーして ジンジャー・エールして」「誰か 友だちして」なんて恥ずかしい詞も最高!
オリジナルアルバムのラストはユーミンが呉田軽穂名義で書いた2曲を並べている。最後のバラードもいいけど、その前の「トワイライト」が私のベストトラックかな。淡々として切ない、私の好きなユーミンがいる。作詞は鈴木博文。85年といえば『ANIMAL INDEX』だから、「駅は今、朝の中」「僕は走って灰になる」の頃よ。博文さん+ユーミンの組み合わせって他にあるのかな?ユーミン自身も気に入っていたのだろう、アルバム『ALARM à la mode』(1986)収録の「3-Dのクリスマスカード」に曲を流用した。
この再発CDにはボーナストラック4曲が追加され、ラストは4thシングル曲「サマータイム・グラフィティ」(1986)。タイトルどおり、オールディーズ歌謡の傑作。もう素晴らしすぎて言うことがない。
作家のことばかり書いてるが、やっぱり肝はヴォーカル。森下恵理のキュートな声がすべてをまとめ上げ、夢のアイドルポップスを完成させた。その後は、自作曲を中心にアイドル路線を離脱、Eri名義で現在も活動中。つまり、アイドル森下恵理としてはこのアルバム『ボーイ・フレンド』しか残さなかったのだ。プロデューサー加藤和彦の力技的な人脈、そしてクオリティの高い作品群は、80'sアイドル歌謡の宝石。


10年後のセルフカヴァー。前回と同じくシングルのカップリングで。

?今夜はHearty Party
作詞・作曲:竹内まりや、編曲:山下達郎
木村拓哉の「ねぇ、パーティにおいでよ」の囁き声から入る、アッパーなダンスナンバー。フラれた私を慰めてくれる優しい昔の仲間たち。キムタクは他にも間奏で「パーティやろうぜ」「元気出しなよ」、エンディング近くのブレイクで「愛してるよ」と計4回の台詞&達郎とともにコーラスを担当する活躍ぶり。

?真冬のデイト
作詞・作曲:竹内まりや、編曲:山下達郎
オリジナルが最強すぎてソングライターのセルフカヴァーもかすんでしまう。まりやさんの歌で聴くと、遠い回想のイメージ。これはこれで悪くないけど。「Hey! Baby」と同じく『DENIM』(2007)の初回限定ボーナスディスクにリマスター版が収録された。

??カラオケ

定価1000円、中古で100円。

蛇足ながら、まりやさんの「デイト」つながりでアナログを一枚。

KINYA「涙のデイト」(1982)
A 涙のデイト
B 夏の記憶
「アン・ルイス プレゼンツ」の記載あり。2曲とも作詞・作曲:竹内まりや、編曲:林敏明・丸山雅仁(ストリングス)。
ジャケの印象を裏切らない、オールディーズ歌謡の傑作。エレキがうなる「涙のデイト」もいいけど、「真赤な太陽」的な影のある高揚感が胸に迫る「夏の記憶」が最高!こういう昭和歌謡テイストを書かせたら、桑田佳祐と双璧だな。

「SEEDS of HAPPINESS―しあわせのたね―」 M-Rie 1993年、「もう一度めぐり会えたら」 frasco 1996年

$
0
0
東北新幹線(鳴海寛+山川恵津子)のふたりがそれぞれのユニットで90年代に残した8?。

左、ピングー。背の部分の表記は「PINGU ピングー」と、アーティスト名(?)しか書いてない。ラグジュアリーP190掲載。

?ピングー ラップ テレビ東京“ピングー”テーマソング
produced by 松浦雅也
作曲・編曲・演奏:松浦雅也
voice: PINGU & Friends, chorus: Melody Sexton Wornell Jones
ピングー語は俳優カルロ・ボノーミがひとりですべて(ピングーもピンガも!)演じていたそうな。ラップというかスキャットというか、ピングー語をサンプリングして(ペンギンだけに)ひんやりクールなビートに乗せてみた3分29秒。

?SEEDS of HAPPINESS―しあわせのたね―」 M-Rie テレビ東京“ピングー”エンディングテーマ
produced by 山川恵津子
作詞:田久保真見、作曲・編曲:山川恵津子
ヴォーカルを担当したM-Rieこと宮島理恵は、姉律子とコーラスユニット「MILK」を組んでいた。これが唯一のソロとしての録音物なのかな?番組のエンディングらしく、落ち着いた雰囲気の、いい意味でB面ぽい名曲だ。まったく押しつけがましいところのない、安定した歌唱はヒーリング効果絶大。アレンジも派手さ皆無ながら、随所に山川印が散りばめられた美しい仕上がり。位置的にあんまり制約がなさそうな、山川恵津子ソロプロジェクトと言っていい作品だろう。

定価800円、中古で210円。
ジャケはもちろん、クレイアニメの主人公。楽器が得意な設定らしい。


右、鳴海寛が在籍したバンド、frascoの1stシングル。こちらもテレ東関連。

フラスコは政野早希子、多田牧男、鳴海寛のトリオ。

?もう一度めぐり会えたら テレビ東京系[SKI NOW]オープニング・テーマ
作詞:政野早希子、作曲:鳴海寛、編曲:鳴海寛・多田牧男、コーラスアレンジ:鳴海寛
スキー番組の主題歌に合わせてなのか、もともとの資質なのか、毒気ゼロの爽やかポップス。クセがなくよく伸びる女性ヴォーカル、キャッチーなメロディ、達者な演奏…何も文句はないけど、何かが欠落している印象を拭えない。色気?表現者としてのエゴ?そういうのがないのが魅力と感じる向きには、ドライブミュージックとして最適。

?素顔の二人
作詞:政野早希子、作曲:多田牧男、編曲:多田牧男・鳴海寛、コーラスアレンジ:政野早希子・鳴海寛
アウトロでの鳴海寛のギターソロがいい。

?この瞬間を抱きしめて〜Saved in the white land〜 テレビ東京系[SKI NOW]エンディング・テーマ
作詞:花村薫、作曲:緒部燦、編曲:多田牧男・鳴海寛、コーラスアレンジ:鳴海寛
これも歌詞がちらっとスキー関連。エンディングなのでしっとり系。この曲のみアルバム未収録。

??のカラオケ

定価1000円、中古で50円。
ジャケで女性がふたりいるのかと思ったら、両方政野さんのようだ。

で、中央上が東北新幹線の唯一のアルバム『THRU TRAFFIC』(1982)。ラグジュアリー対談ではふたりが在籍した八神純子バンドのことが中心に語られているが、やっぱり谷山浩子を忘れちゃいけないでしょ。山川さんは谷山さんのデビューから志願してサポートしていたとのこと。名曲「テングサの歌」(1979)の奇声「トマト〜」は山川さん。東北新幹線のアルバムと同じ年にリリースされたシングル「てんぷら★さんらいず」の編曲は「鳴海寛・山川恵津子」。これが超弾けた仕上がりで、谷山浩子のオールナイトニッポンのテーマ曲として使用されてたのを毎週聴いてた(ちなみにアルバム『時の少女』収録のヴァージョンは橋本一子アレンジ)。中央下がそのシングルヴァージョンが聴ける編集盤『HIROKO TANIYAMA '80s』(2000)。

「土曜日のタマネギ」 斉藤由貴 1986年

$
0
0
斉藤由貴の6thシングル。1986年に12インチアナログでリリースされた2曲を、1988年にヴァージョン違い(アルバムヴァージョン)で8?化、というちょっと珍しいパターン。
12インチシングル盤「土曜日のタマネギ」は、3分超の長いイントロをつけ、歌部分にも効果音が追加されたエクステンディッド・ミックス。B面も同様にデビューアルバム『AXIA』(1985)収録の人気曲に長いイントロをつけ、エンディングを替えた別ミックス。2曲で16分以上あるが、8?CDに入らない長さではない。あえてオリジナルヴァージョンに戻してCD化したのは、「やっぱあのイントロ要らなくね?」と気づいたか。

?土曜日のタマネギ
作詞:谷山浩子、作曲:亀井登志夫、編曲:武部聡志
12インチシングルの2か月前にリリースされたアルバム『ガラスの鼓動』(1986)収録のオリジナルヴァージョン。コーラスとフィンガースナップのみをバックに歌うドゥーワップスタイルで、いつもより生々しく響く由貴さまのヴォーカルに引き込まれてしまう。デビューから一年、ちょっと危ういような、意外と安定しているようなフワフワ感がたまらん。このあと斉藤由貴作品の作詞家として重要な位置を占めることになる谷山浩子が、由貴さまの新たな魅力を引き出している。「今夜わたし いらないオンナになりました ころがる床の上」これは松本隆には書けないな。コーラスで谷山浩子、崎谷健次郎、亀井登志夫、久保田利伸、武部聡志、長岡和弘が参加。

?AXIA〜かなしいことり〜
作詞・作曲:銀色夏生、編曲:武部聡志
アルバム『AXIA』(1985)からのカット。ラグジュアリーP127で関根さんが書いているとおり「歌い始め10秒で男を地獄に突き落とす」破壊力抜群の歌詞が凄い。こんな身勝手な台詞、当時の由貴さまクラスにしか許されないだろ。のちに明らかになっていく斉藤由貴の「魔性」をデビューアルバムで作品に定着させた功績は大きい。銀色夏生のアテ書きが思惑どおりにはまって清々しいくらい。

定価937円、中古で50円。
ラグジュアリーの裏表紙にも登場した、キュートがふり切れてる名作ジャケ。これは絶対12インチの勝ち。

関連斉藤由貴
卒業
MAY
夢の中へ

これからもパラパラ登場する見込みだが、「ラグジュアリー歌謡」シリーズ一応ひと区切り。

執筆者のひとり8センチャーズ関根圭さんが、さりげなく当ブログへのメッセージを入れてくれてた。P219のパイレーツの項ね。ちょっと嬉しいサプライズだった。

「トマト」 くじら 1990年

$
0
0
くじらの8thシングル。

現在は杉林恭雄のひとりユニット。1990年当時は杉林恭雄、楠均、キオト、幸田実の4人バンドだった。

?トマト
作詞・作曲:杉林恭雄、編曲:くじら
シャキシャキしたリズムにハーモニカが絡み、杉林恭雄の乾いた声が牧歌的なメロディを歌う。歌詞は、陸から眺めた夏の海の風景と擬人化されたトマトのイメージが描かれている。「背中からみどりを 吹き上げてる君」え、そっちが背中か!という意外性。

?火の玉
作詞・作曲:杉林恭雄、編曲:くじら
レゲエ風のタイトなビートに、アンディ・サマーズっぽいギター。そりゃポリスじゃん。キリンジのサポートメンバーとして活躍した楠均のドラムもスチュワート・コープランドに聴こえてくるほどに。

定価800円、中古で100円。
トマトのイラストは石川絢士。裏は火の玉の絵。

「セロリ」 山崎まさよし 1996年、SMAP 1997年

$
0
0
山崎まさよしの3rdシングルと、翌年のSMAPによるカヴァー。

?セロリ
作詞・作曲:山崎将義 、編曲:山崎将義・中村キタロー
独特のツヤがあって音量をしぼってもよく届く声。ギターとブルースハープの名手。俳優としても活躍したりして、いろいろ器用なイメージのあるシンガー。シングル曲くらいしか知らない私が持っている印象はそんなところ。タイトルは奇を衒った雰囲気もあるが、内容はわりとストレートなラブソング。高速ラップパートはSMAPヴァージョンに比べると演奏の影に隠れていて、かなり聴きとりづらい。

?××しようよ
作詞・作曲: 山崎将義 、編曲: 山崎将義・中村キタロー
でた、伏字タイトル。躍動感のあるビートに乗せて煽るように歌い、弾くまさよし。「××」の部分はブルースハープが歌う。当然エロを想定しているのだろうけど、そんなにエロくないのはキャラなのか、たまたまなのか。

?mud skiffle track ?
作曲・編曲:山崎将義
デビューシングルから続く、シングルのおまけ的なインストシリーズ第3弾。ブルーズィー!ほっとくと延々と弾いてそうな感じ。ちなみにつぎの4thシングルにはなくて、5thに「?」が収録された。その後もあったりなかったりで、シリーズ最新作「mud skiffle track XV (酒井家の音楽)」は21stシングル「アンジェラ」(2006)に収録。

??のカラオケ

定価1000円、レンタル落ち100円。
オープンカーから降りるまさよし。


SMAPの25thシングル。

?セロリ 関西テレビ・フジテレビ系ドラマ「いいひと。」主題歌
作詞・作曲:山崎まさよし、編曲:清水信之
清水信之のアレンジは使用楽器こそ違うものの、オリジナルのイメージをほとんど崩していない。もう今さらつっこむ気も失せるヴォーカルのフラフラっぷりは、こういう曲調だと際立つな。木村はいつもの憑依系で、山崎まさよしそっくりの節回しを披露する。もちろん声質が全然違うので「似てる」という印象はないけれど。

?まぁいいか
作詞:森浩美、作曲:寺田一郎、編曲:CHOKKAKU
CHOKKAKUによる力の入ったファンキーなトラックに、あの脱力ユニゾン。これぞSMAP!なのかも。

??カラオケ

定価1020円、中古で21円。
草?剛主演ドラマ主題歌なんだからもう少し剛押しでもいいような気がするが、いつものように民主的なビジュアル配分。
表ジャケに「words & music: YAMAZAKI, masayoshi」とクレジットされているのは破格の扱い。

「ワイオミング・ガール」 ブレッド&バター 1989年

$
0
0
岩沢幸矢&二弓の兄弟デュオ、ブレッド&バターの32ndシングルにして、初の8?シングル。

?ワイオミング・ガール
作詞・作曲:井上陽水、編曲:Murray Weinstock
プロデュースはピーター・ゴールウェイで、ロス録音。かなりやっつけ色の強い曲+思いっきり意味のない歌詞は陽水のシングルB面ぽい。これを他人に提供するのはかなり勇気が要るのでは?ってレベル。しかし、西海岸のカラッとした空気を思わせるくっきりした音像で、意外といい感じのライトなファンクに仕上がっている。

?エレノア
作詞・作曲:岩沢幸矢・MANA、編曲:Murray Weinstock
夫婦合作のバラード。

定価937円、レンタル落ち100円。
どうでもいいけど、オフィシャルサイトに載っているこのシングルの写真にもレンタルシールが貼ってある。

2曲ともアルバム『MISSING LINK』(1989)に収録。

ブレバタは同じ年にもう一枚、セルフカヴァー中心のアルバム『マリエ』をリリースした。同じくピーター・ゴールウェイ プロデュース、Murray Weinstock アレンジによる新録「あの頃のまま」と『MISSING LINK』から「あの頃」をカップリングしたプロモCDが右。

関連「あの頃のまま」
稲垣潤一

「富山米」 電撃ネットワーク 1993年

$
0
0
電撃ネットワークのデビューシングル。唯一の8?のようだ。

?富山米
作詞:大島キュウゾウ、作曲:B.C. GUYS、編曲:山村哲也&B.C. GUYS
松田弘(Dr/Cho)、西慎嗣(G/Cho)、山村哲也(B)、大友博輝(Key)、藤田謙一(Computer & Synthesizer Operation)
「まい」で韻を踏むレゲエナンバー(「内藤洋子の娘は北島舞」など)。途中「三百六十五歩のマーチ」のメロディで「一日三回お米のご飯〜」と歌われる。それほどお笑いに走るわけでもなく、本当に富山米のプロモーションソングとして使われても何ら問題のなさそうな仕上がり。電撃ネットワークの過激なパフォーマンスからすると拍子抜けするくらいまともだな。サザンオールスターズからドラム&コーラスで松田弘が参加。

?現場へLet's go!
作詞:はくはつ五郎&大島キュウゾウ、作曲:くいだおれ、編曲:B.C. GUYS&オールメンバーズ
「ガテンな仕事で 現ナマをつかもうぜ」建設系の現場を題材にしたワークソング。ミュージシャンは?と同じ。

?電撃のテーマ
作曲:電撃ネットワークプロジェクト、編曲:B.C. GUYS&オールメンバーズ
松田弘(Dr/Cho)、大友博輝(Key)、片山敦夫(Synth bass)、藤田謙一(Computer & Synthesizer Operation)
電撃芸のBGMとして流されるインストナンバー。マジックショーにおける「オリーブの首飾り」ね。ジャケに「あなたの宴会芸の友」のコピーあり。曲は「ワイプアウト」なんだけど、ギターが入っていないのがミソ?2007年のシングル「電撃ネットワークのテーマ〜THEMA OF TOKYO SHOCK BOYS〜」はリアレンジみたい。こっちは30分のロングヴァージョンで「ワイプアウト」のカヴァーってことになってるのかな。

??のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
ジャケの下のほうに「Law Calorie」とある。法カロリー?ミススペリングなのか確信犯なのか、微妙な感じ。

「バンボレオ」 ジプシー・キングス 1987年、「ボンゴレオ」 ジョビジョバ 2000年

$
0
0
石倉力、木下明水、坂田聡、長谷川朝晴、マギー、六角慎司の6人からなる演劇ユニット、ジョビジョバのデビューシングルは、そうクレジットはされてないけどジプシー・キングスの日本語カヴァー。

左のジプシー・キングス「バンボレオ」は以前紹介。

右、ジョビジョバ「バンボレオ」。

?バンボレオ
作詞:マギー、作曲・編曲:割田康彦
おそらくユニット名の由来と思われるジプシー・キングスにインスパイアされたラテンミュージック。タイトルからわかるとおり、曲は「ジョビ・ジョバ」より「バンボレオ」に近い、というかほぼ同じ。歌詞はすべてカタカナで記載され、マギーのヴォーカルはスペイン・ポルトガル系訛りの日本語で、サビは「ボンゴレヲ ボンゴレヲ タノンダノニオレノ ボンゴレビアンコ ゼンゼンコネーヨ ナンデコネーノ」といった具合。割田康彦って東京Qチャンネルの人か。

?エスパーさん
マギー(エスパーさん)、木下明水(管理人さん)、長谷川朝晴(長谷川信子)、六角慎司(六角一江)の4人が出演するコント。
終盤現れる曲はYMO「テクノポリス」のパロディ。つまりはスネークマンショー的な狙い?どっちかというとS.E.T.風か。5分46秒は長いよ。

タイトルのみのつながりで語っちゃうと、テレ東深夜の「みんな!エスパーだよ!」がいい。夏帆の三河弁最高!入江悠監督の2回がよすぎたので、あとの人大変だろうなと思いつつ、今後も期待。

?ラジオドラマ「家族の食卓」
こちらはマギー(息子)、石倉力(父)、坂田聡(母)、六角慎司(ナレーション)の4人。ケビン・コスナー監督主演映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」に影響され○○になりたがる息子と、反対する両親。全員ボケまくる5分50秒(長い)。

??のカラオケ

?オワレオ
「家族の食卓」の両親の元へ息子からビデオレターが届く、そこからはじまるカオス!???のアイデアを混ぜて44秒にまとめたトラック。

定価1020円、中古で100円。
しりあがり寿による大迫力のジャケ!

「クリームシチュー」 矢野顕子 1997年、「ハッピー・シチュー・タイム」 いはたじゅり 1999年

$
0
0
矢野顕子+ますむらひろし、いはたじゅり+さべあのま。ひらがな率高い。

左、矢野顕子。

1997年5月にシングル「クリームシチュー/Oui Oui」(住友生命タイアップあり)をアルバム『Oui Oui』に先駆けてリリース。その5カ月後にハウスのタイアップでカップリングをカラオケに変更し、ジャケも変えた再発盤がこれ。

?クリームシチュー ハウス食品「シチューミクス」CMソング
作詞:糸井重里、作曲:矢野顕子、編曲:槇原敬之
「ごはんができたよ」「ラーメンたべたい」に続く、矢野顕子3大食べ物ソングのひとつ。サビだけ聴くとほんわかムードのようだが、糸井重里の詞はコミュニケーションの困難さをテーマにしていて、結構ダーク。「ぼくの傷を見るなよ ぼくにあやまるなよ」なんてね。90年代としてはややレトロな味わいもあるテクノアレンジはマッキー。

?カラオケ
マッキーのコーラスも消してる。

定価611円、中古で100円。
ますむらひろしのメインキャラ、ヒデヨシ。CMで使われたんだな。


タイトル以外にとくにつながりのない、さべあのま原作のアニメ主題歌シングル。

?ハッピー・シチュー・タイム TVアニメ「スージーちゃんとマービー」主題歌
作詞:白峰美津子、作曲:松本俊明、編曲:沢田完
現在、井端珠里として活動中の女優さんの、11歳での録音。あたりまえだけど、子ども声。幼いながらもリズムやピッチは意外としっかりしていて、スウィンギーな曲に乗って歌えている。1番はほぼピアノ+ベースのみのバッキング、2番はコーラスやフルートが入るけどまだ音は薄い。残り1分の間奏になってようやくドラムが加わり、ビッグバンドジャズスタイルの管弦が迫力の音圧で盛り上げる。アレンジの沢田完は、山本直純の最後のお弟子さんらしい。

?カラオケ

定価735円、中古で100円。
姉と弟の話らしい。後ろにしゃべりそうな犬がいる。

「秋刀魚の唄」 上々颱風 1992年

$
0
0
上々颱風の6thシングル。

?秋刀魚の唄 SANMA SONG
作詞・作曲:紅龍、編曲:上々颱風、ホーン・アレンジ:野見祐二
タイトルからするとちょっと意外なラテン歌謡。ペレス・プラードチックなベタなラテンビートに白崎映美&西川郷子の突き抜けた声。サビでハモる感じは、ザ・ピーナッツぽくもあり。間奏の「らっしゃい らっしゃい サンマ安いよ〜」の口上は紅龍。

?密林ビート JUNGLE BEAT (ライヴ・ヴァージョン)
作詞・作曲:紅龍、編曲:上々颱風
1992年5月24日、日比谷野音でのライブ。ジャングルの獣たちの叫びから、南米あたりの妖しいダンスビートのイントロへ。粘りのあるワイルドな歌唱でハモるとやっぱり昭和の双子歌手の影がちらつく。ガッツのある演奏もいいし、ライブは迫力あったろうな。

定価800円、中古で100円。
直球、サンマジャケ。裏は御飯、味噌汁、御新香の三点セット。

関連上々颱風
仏の顔もIt's All Right/サーフィンU.S.S.R.

あ、今年から活動休止してるんだ…紅龍さんの快復をお祈りします。

「いちご」 加藤紀子 、「Strawberry」 Chiaki & Fruits Flowers 1999年

$
0
0
1999年の苺2枚。

左、加藤紀子の12thシングル。

?いちご
作詞:加藤紀子、作曲・編曲:堀江博久
後藤敏昭(Dr)、及川浩志(Perc)以外はすべてマルチプレイヤー堀江博久の演奏。ほぼひとり演奏ならではの濃厚なグルーヴが熱い3分ポップス。本人作の詞はもうアイドルじゃない的な背伸び感が痛い。「嘘で固めた ズルイ大人は ナイフみたいに 傷つけてくる」なんてな。「いちご」は歌詞にまったく登場しない。なんだろ、「傷つきやすいもの」のメタファー?このあと2000年にフランス留学した紀子さんの、過渡期ど真ん中な雰囲気が漂う。遅れてきた渋谷系?結構本人はフレンチにまじめに取り組んでた風もあり。留学後のアルバム『Les oiseaux bleu』(2005)では微妙なフランス語歌唱を披露している。

?a.b.cのうた
作詞・作曲:French Trad Song、編曲:加藤紀子
演奏はすべて加藤紀子。もちろん歌もコーラスも紀子。紀子ひとり舞台。「ABC」を覚えるときに誰もが口ずさんだあの曲をフランス語で。「a.b.c」は「エービーシー」ではなく「アーベーセー」ね。もともとフランスの曲だったんだ。メトロノームのカウントから、トイピアノ、トライアングル、ドラム、シンセなどをたどたどしく操る紀子を思わず応援したくなる。自由な音はテルミン?極めつけは間奏のリコーダーソロ!うんうん、分かってるねえ。こちらは2分。

??カラオケ

定価1020円、中古で100円。
3月に川辺ヒロシ氏と結婚。遅くなったが、おめでとうございます!
自転車ジャケもそのうち並べてみたい。

関連加藤紀子
DO−して」桜っ子クラブさくら組
今度私どこか連れていって下さいよ」ソロデビューシングル あ、ここでも結婚おめでとうって書いてた…


右、ポケットビスケッツからのソロ、という位置づけのシングル。

?マーガレット
作詞:CHIAKI、作曲:大野宏明、編曲:ウエストサイダーズ
「Chiaki & Fruits Flowers」は、百秋(もあき)・千秋(ちあき)・万秋(まあき)のユニットらしい。で、イントロはひとり多重コーラス。シュープリームスっぽいサビがなかなかキャッチー。

?Strawberry
作詞:CHIAKI、作曲・編曲:田辺恵司
オケが超デモっぽく聴こえるのはギターのバランスのせいかな。苺は内容と何も関係ないけど、サビ頭に「Strawberry 教えて」と唐突に入れてくる。

定価500円、中古で16円。
ひとり三役設定をビジュアル化。
Viewing all 662 articles
Browse latest View live